マインドトーク あなたと私の心の話
何かを変えたいと思っている人へ、変わりたいともがいている人へ。
このフレーズに呼ばれるようにして、私はこの本を手に取った。著者のみたらし加奈さんはYouTubeのわがしChannelもやられており、私はそこでこの方が臨床心理士である事、本を執筆されている事を知った。
YouTubeチャンネルでは女性のパートナーとの毎日等を配信されており、そのお二人の雰囲気がとても優しくて柔らかくて素敵で、すぐにファンになった。
またハワイにお二人で留学されており、海外留学生活では自分もハワイで数ヶ月生活していた事があったので、その時の思い出も重なり個人的には懐かしい思いで動画を見ていた。
今回この、マインドトーク あなたと私の心の話を読むことができたタイミングも内容も今、私が悩んでいる事に対する道標のような気がした。とても興味深い内容だったので数時間で直ぐに読んでしまった。
今、コロナやロシアのウクライナ侵攻や日々の事件等悲しい出来事が多い世の中で、心が疲弊してしまってSOSを出している人は沢山いる。そして若者の自殺が今迄にない程増えている今だからこそ、もっと心のケアに目を向けるべきだと思う。
個人的には看護師として働いていた時期に自分自身の心が身体にSOSのサインが出る程に疲弊していた事や、自分の過去との向き合い方に悩んだ事がある為、心のケアや心理学、臨床心理士等の仕事に興味があった。
このマインドトークの中には、みたらし加奈さん自身が自分の生い立ちを紹介しながら心の働きやカウンセリングに関する知識も散りばめてくれている。
小中学のいじめの経験だったり、家族との関係性、パートナーとの関係性、社会的な性のステレオタイプや性被害に悩んだ事など自分も経験してきた事とも重なり、考えさせられる部分もあった。様々な章を通して加奈さんの生い立ちをなぞりながらも、自分についての再発見や再認識ができる人も多いと思う。
読了後、なんとも言えないが側に居てくれる心強い友達を得たような、そして優しい気持ちになった。みたらし加奈さんの生き方が沢山の人に勇気を与えるし、指針となる事も多いだろう。何より「悩んでいるあなた」に始終寄り添う言葉づかいで、声をかけてくれているこの本やみたらし加奈さんの存在に救われる人も多いと感じた。
自身が経験したからこそ感じれる、人の痛みに寄り添うことの出来る心、その目線で語られる言葉には真実味と真摯さが滲み出ている。
何より自分の意見をはっきりと、だが押し付ける事なく、ただそこにある在り方を理解しようと、受け止めようとする姿勢で言葉を紡いでくれている感じがとても心地良いのだ。
あなたは今、何に悩んでいますか?家族のこと、友達のこと、パートナーのこと、職場の人間関係や仕事のこと、もしかしたらいじめやジェンダー・ギャップ、セクシュアリティや結婚、やめられない癖だったり、メンタルヘルスについて悩みを抱えている人もいるかもしれません。私も皆さんと同じです。たくさんのことに悩み、ぶつかって、砕けて、今日まで生きてきました。あなたが「しんどいな」 と思う気持ちに大小なんてありません。もしも、どう話したら、誰にはなしたらいいのか分からず、ひとりでその思いを抱えているなら、私に話してみて下さい。臨床心理士という仕事を選んだのはあなたに寄り添いたかったから。まずは、あなたと私の話からはじめてみましょう。 ー本文より
生きる意味、目標が明確にならずどうしようもなく不安になる夜に寄り添ってくれた一冊であった。そして、臨床心理士への興味を更にかき立ててくれた。
みなさん、今日もおつかれさまでした。
少しでも多く、心を穏やかに過ごせる瞬間が増えます様に。