映画すっき💕「青春18X2 君へと続く道」
王道の青春映画を最高のロケーションで
これは、確かに直球の青春・初恋映画。
だけど、若い人狙いじゃなく、どの年代の人が見ても心揺さぶられ、
自分のことを振り返らずにはいられない、情熱と夢についての映画。
青春も恋愛も別に・・・の人も台湾と日本を結ぶロードムービーとして最高に楽しめる。
台湾の古都、台南の魅力全開
台湾といえば台北とその近隣が旅行先としてメジャーだけど、
この映画のメインロケ地は台湾の京都、台南。
日本統治時代に「日本に近いから」という理由だけで!台北が首都になる前は台湾の首都だった古都。歴史ある廟宇がひきめき(台湾首廟=総本山が多い)レトロな建物や街並みが残り、人情も厚く美食でも知られる。
台北は亜熱帯に属するが、台南は「熱帯」。
南国特有の味付け(甘い味付けが多め)があり、夜に家族で水果(フルーツ)を食べる習慣が映画にも登場している。
そしてちょっとバイク(台湾ローカルのメインと言ってもいい交通手段)で走ると山や海、雄大な自然が拡がる。アミが絵に描いていた四草は本当に綺麗なところ。
一方、日本でのロケ地も台湾でも人気の高い「スラムダンク」の聖地や雪の光景が選ばれている。アミの故郷、只見へのJR只見線は、地震で被災し長らく不通で、わりと最近全線復旧したと記憶している。映画では冬景色だが、夏の美しさも素晴らしいと評判のルートなので、いつか行ってみたいと思っている。
あなたの夢は?思わず自分を振り返る
映画は、主人公の36歳の現在と18歳の思い出を行ったり来たりしながら進む。主人公の現在の悩み・当時の葛藤を一緒に感じているうちに、自分はどうだろうか?と思わず考えてしまう瞬間がある。
後悔もあるかもしれない。
でも、それでいい。考えないように蓋して封印してるよりずっといい。
人生には遅すぎることはきっとないから。
気付いた時からやり直しができるから。
日本と台湾は相思相愛?
本作は台湾男子と日本女子の初恋物語だが、
日本と台湾の関係も、歴史や、国としての政策は抜きにして、今は相思相愛だと思うんだが、いかがだろうか。
お互いの国を旅行する人が多く、台湾では日本のニュースが熱心に報じられ(コロナの日本の患者数など台湾での報道の方が日本より詳細だったとか)
ドラマが人気で、文化交流も盛んな印象だ。
なにより東日本大震災・能登地震の際の桁違いの民間からの義援金。
東日本の時は個人で来日してボランティア活動されていた方も多かった。
台湾からの旅行者は、メジャーな日本の名所だけじゃなく、え?と思うような田舎にも足を延ばしているし、それを反映するように地方都市にも台湾航路が次々就航している。日本も台湾も互いに旅行フェアなどでキャンペーンも多い。
本当は日本には共産党支配の中国ではなく、中華民国と国交を結んでほしいところだが、諸事情あるようで。
現在の中国を中華民国が併合して、総統府が台北で陣頭指揮をとったら平和なのになあ。(これもひとつの中国!)と夢想するのである。
やれ台湾有事が、という記事も見るが、その可能性が少しでもあるなら尚更、台湾に行ってみたい、台南に行ってみたい人は先延ばしにすべきではないかもしれない。「人生は長くないかもしれないよ?」アミの言葉が切ない。
最後に、この日台合作の映画は、キャストとミスチルの主題歌が素晴らしい。私は日本側しかわからないけど、良い役者が集結しているので、台湾側もそうなんだろう。そしてとにかく主役二人が輝いている!
こんなところにも両国の絆の強さを感じる。
個人的には、カラオケ屋神戸のボスもツボである(笑)