見出し画像

かぞかそ地上波第5話〜大丈夫じゃない

お風呂での感情爆発!
家族だから愛したんじゃなくて愛したのが家族だったを代表するシーンだ。
ここは自分は大丈夫ではないという現実を受け止められた転機だったかもしれない。

七実は家族のために大学一年生から働くも、何か違う違和感。
仕事に一生懸命でそれなりに成果を出すも、すべてが上手くいくわけではない。
七実でなくても自分の身につまされて、辛すぎる放送回だった。

どんなに辛くても進んでいくしかない。
人は大丈夫?版張りすぎないでね」、というが頑張らないと生きていけないのも事実。海のはじまりというドラマにも、「頑張らないと、私も海も死んじゃう」台詞があってシンクロした。

以前の放送回で、ひとみが述懐した言葉があった。

大丈夫ですか?
と声を掛けがち(大丈夫ですと答えるから)
何かお手伝いできることありますか?
というだけで変わる

障害を持つ人への声かけについて

大丈夫?と聞きたくなる人は、大抵大丈夫ではない(と思う)。こう聞いてしまうと、大丈夫です、と答えざるを得ない。大丈夫じゃないと答えられる人は少ないかもしれない。

まあ、お手伝いできることがありますか?と聞かれて、じゃあこれをお願いします!と答えるのも難しい気がするが。多少ハードルは下がるのだろうか。

そもそも、人が心を開くのは難しい。仕事のこと・家庭のこと・これまで抱えてきた悩みを故意に引き出すのは難しい。当然だが、自分自身が吐き出せるようにならないと聞けないのだ。当事者が言語化をわざと避けている場合もあるだろう。ここが一つの山だ。

仕事で壁にぶち当たる七実は、感情を吐露できたことで大丈夫でないとはじめて認識したのではないか。これまで「大丈夫です」と答えてきたことがいかに空虚か。

かぞかぞは七実の人生を長いスパンで描いている。次回からは、会社員から作家へ転身し、自分をより自由に解放できる環境を手に入れていくのだろう。

このドラマは、大丈夫というキーワードが根底に流れ続けるドラマである。これから、他の登場人物の大丈夫とは何か、考えながら視聴できるのが楽しみだ。

おまけ
BS放送と地上波放送それぞれの感想をまとめたものはこちら。


この記事が参加している募集

サポートをしていただけると泣いて喜びます。