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脱皮の時期は、ひとそれぞれ
私は、どちらかというとズボラな性格です。
今さらですが、ちゃんとしていたのは20代くらいまでで、気がついたときにはビックリするほど「しょ〜もない大人」になっていました。
10代は、親が敷いたレールを迷うことなく歩いてきました。
だから、学生の頃の私を知る人と偶然ばったり会うと「変わったねぇ」と誰からも言われます。
特別、出来が良かったわけではないのですが、コツコツ真面目ふうに生きていたからです。親の言うことは素直に守り、お年をめした方を敬い、友達ともそこそこ嫌われないように暮らしていました。
人見知りで、はいはいと反発することは無く長いモノには巻かれる、タイプ。
今は、どちらかというと、私自身がそういう人を避けてしまいます。
きっかけは、短期大学に入ってアルバイトをしたい、と決めたあたりからと思いますが。
親は、私がアルバイトをするのを反対していました。
こういうと「どこぞのお嬢さま、何様?」と思われてしまうかもしれませんが、世間で言う箱入り◯だったわけです。
親は、この子の歩く先の石を避けてから、歩かせる、みたいなところがあり、私はすっかりぬるま湯に浸かって生きていました。
高校生になった妹が、お笑いの追っかけをして家を空けていたとき、内緒で東京や大阪に行く資金作りをしてアルバイトを始めました。
私はそれを冷ややかな目で見ていました。
その頃は、実家のある田舎からは学校に通えないため、姉妹で町なかにマンションを借りて暮らしていました。
妹は、私が卒業した同じ高校に通っていたので、アルバイトは校則違反だったはずです。経済的な理由があって、学校から許されている人以外は、アルバイト禁止の学校でした。
アルバイト先から、給料の振り込みの件で実家の親に知られる、というテレビドラマみたいなバタバタの事件がありました。アグレッシブな状況でしたが、親にバレたときも妹は不思議と許されていました。許されていた、というか親は「仕方ない」と諦めたのかもしれません。
私は、その事件の後、コレは(私も)いけるか?と思い、こっそりアルバイトの面接に行きました。
駅の喫茶店のアルバイトです。
短期大学は国文科で、単位を取得すれば図書館の司書の資格をもらえました。
私を知る人はみな、当然、司書を目指してアルバイトなどしない、と決めつけていました。
友達も、家族も、勉強を取ると思っていましたが、アルバイトをしたいために、図書館司書の単位は取りませんでした。
短期大学では、最初の一年を喫茶店、次の年はデパート内の書店に勤めました。
本屋さんは、時給は安かったのですが、社割で新しい本を2割引きで買えたのです。
当時、新刊の本を割引で買える本屋などありませんでした。今でもナイか‥‥
好きな作家の本が出ると、隣の本店から新刊を持ってきて、自分で購入していました。
初めての喫茶店のアルバイトで、社会を知り、お金を稼ぐことの大変さが実感できました。
おばちゃんの脱皮は、アルバイト時代に始まりました。人見知りはいつの間にかなくなり、人を知り、社会の流れが理解できました。
社会を知ることが全てではないですが、私の選択肢は、大変な方を取って、それが「私の脱皮」の時期です。
あの初めての面接の喫茶店で採用してくださった店長さん、どんな気持ちだったのかな、と
大人になった私は考えます。
全く働いたことがない人を採用するのだから、大博打です。
私が働く喫茶店には、ときどき家族が偵察に来ました。
お店のショーケースに出ていた『サバラン』という名前のケーキが、大人を表していました。
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サバラン、さらば、私の箱入り人生🎁