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315のステージに魅せられたあるPの記録【M9thDay1】
本稿は、会報誌『CHIBAM@S』Vol.12に投稿しようとしたものの多忙で結局間に合わなかったので、完成させた上でnoteに載せることにした記事です。
shiosaiと申します。2024年7月13日に開催されましたSideM9thライブ「MIR@-CIECLE CRESCENDO」Day1参戦を機に、正式に315プロダクションでPになった者です。High×Jokerを担当しています。
SideM10周年のタイミングということで、なぜ今SideMを追い始めライブ現地に参加するまで至ったのか、書かせていただこうと思います。駄文ですがどうぞよろしくお付き合いください。
1. SideMとの出会い~9thライブに至るまで
私は他のコンテンツまで追えるほどの心の余裕がない人間です。人から勧められたものでも、手を伸ばすのにはかなりの時間がかかり、そこまでたどり着かなかったものはいくつあったかわかりません。そして、昨年書いた記事「ミリオン10thAct-4は『今』と『これから』でできていた」(会報誌Vol.12所収)や一昨年の拙稿「『I’m yours』のメッセージ性について」(会報誌Vol.11所収)を読まれた方は察していただけるかと思いますが、私は寝ても覚めても765プロのことばかり考えています。
……まあ、ただ他の何かに手を伸ばすということに対して怠惰なだけなのですが。直さなければ。
そんな私がSideMと初めて出会ったのは4年前、2020年の夏でした。アイマス15周年という記念すべき時期であったにもかかわらずコロナ禍でイベントのほとんどが中止になり、その代わりにちょうどYouTubeで「アイドルマスターチャンネル」が生まれ、記念の企画が行われていた時期です。計30時間以上にもなるロングラン配信や、ライブ代替企画として6年ぶりに765AS+が集結した配信などは、当時Pをしていた多くの方の記憶にも残っているかと思います。
その頃の私はミリシタを始めたばかりで、アイドルの知識はASの13人をやっと覚えた程度のものでした。ミリオンライブ!にすら造詣が深くなかった時期です。そこからアイマスの沼に本格的に浸かるきっかけになった、前述のYouTubeにて行われた30時間以上にわたる配信の中にあったのが、SideMの1stライブ夜公演でした。最初に声がついた6ユニットが出演しており、その中にJupiterもいました。同じ配信にはアニマス全25話とムビマスの一挙放送が初めに入っていたこともあって、まずそこでJupiterを知り、続く1stライブで他のユニットの存在を知りました。「パフォーマンスいいなー」とか「歌いいなー」とか、今から思えばだいぶ浅い感想をつぶやいていた記憶がありますが、1stの映像はずっと頭の中に残っています。
やや時間が経って、同年10月にSideMのアニメがアイマスchで全話配信されたことがありました。とりあえず見てみるか、という軽い気持ちでEpisode of Jupiterから見ていったのですが、その途中で現担当との二度目の出会いをしました。
10話……High×Jokerの回です。
まっすぐに青春を駆け抜ける彼らの姿にまず心を打たれた後に、終盤のライブで歌う「Sunset★Colors」がぐっと沁みて、「ハイジョ好きかもしれない……」と思いました。たぶん、これがSideMをはっきり知ったと最初に思えた瞬間です。
それからライブなどの映像を漁っていくうちに、3rd仙台のダイジェスト映像にたどり着きました。ダイジェストなのでもちろんフル尺ではありませんでしたが、冬美旬役の永塚拓馬さんによる「Genuine Feeling」のピアノ弾き語りから、アニメ完全再現といってもいい「Sunset★Colors」の生バンド演奏、そして何より秋山隼人役の千葉翔也さんが一人ギターを持って歌う「PRECIOUS TONE」……ハイジョの紡ぐ音楽に、ますます心惹かれていく私がいました。隼人が特に気になりだしたのも、これがきっかけだったかと思います。
しかしそれから少しして765の方に集中するようになったり、受験期に入って1年ほどアイマス自体から距離を置いたりしたこともあり、SideMに触れる機会は激減してしまいました。
約2年が過ぎ、受験を終えて私がプロデュース活動に本格復帰した2023年の春はサイスタのサービス終了告知という出来事がありました。ミリオンが10周年で盛り上がる横で、SideMはゲームがなくなることになり、私もTwitterで動向を追いながら心配にならずにはいられませんでした。かつてSideMをかじったことのある一人として。
そのような状況でもどうにか歩き続けようとしているのを見て、何か私もできないかと考えました。そして、楽曲のサブスク配信が始まっていたことを思い出したのです。
また少しずつ触れてみようか、と思い聴いてみた、315プロのアイドルたちの楽曲の数々。そうそうこれ聴いたなあ、この新曲いいなあ、と感じていた中で私の心を揺さぶったのは、やはりHigh×Jokerの曲でした。折しも「JOYFUL HEART MAKER」の3DMVが公開されたこともあり、アニメで目にしたような輝きを再び感じることができるようになりました。
そしてたどり着いた49 ELEMENTS 01というCDで、私はもう一度隼人と衝撃の出会いをすることになります。
「HEAT BEAT “Identity”」。2曲目となる隼人のソロ曲は、ただでさえよかった「PRECIOUS TONE」をさらに超えていく、高い歌唱力と熱のこもった歌詞にメロディ、すべてをもって私を圧倒しました。こんなに進化していたのか、彼は……。
この熱の高まりを持ったまま、私は8thライブDay2を配信で視聴し、無事SideMの沼へと足を踏み入れることになったのです。しかしこの段階ではPを名乗らず、「ハイジョのファン」という肩書きを使っていました。
2. 9thライブ ー初現地がまさかのお当番
ミリオンの10周年イヤーが無事終わり、ようやく落ち着いてきた5月のことでした。きたる9thライブに、なんとハイジョが全員集合するというではありませんか。8thがあまりによかったがために、これは行くしかないでしょう、と申し込みを決め、7月13日がSideMのライブ初現地と相成りました。
9thはCIRCLE OF DELIGHTという最新CDシリーズの曲が歌われる可能性がかなり高かったので、ひとまず新曲だけでも聴いておかなければと予習をしていたのですが、ライブ直前になって私は思い出しました。そういえば連動ストーリー全然読んでないな、と。せめてハイジョの分だけでも読んでおかないと、ライブの楽しさが減ってしまう気がしてしまって、大急ぎでアソビストアのプレミアム会員を契約し(月550円で読み放題だからそう考えると案外安いものです。使い倒せているとは口が裂けても言えないけれど)、連動ストーリー「CONNECT WITH MUSIC!」を1時間半ほどかけて読みました。
よかったです、とても。
学生という決して永遠には続かない時間の先に、もしかしたらそれぞれが違う道を歩む未来もあるかもしれない——それでも、High×Jokerは誓ったのです、「おじいちゃんになっても一緒だ」と。
アニメからはずいぶん年数が経ちましたが、あのとき私が見た輝きは失われることなく、むしろ彼らの絆の強さをもってさらにその輝きを増しているようにも思えました。
これを見たおかげで、しっかり士気を上げて会場に向かうことができました。
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来ました、幕張メッセ!
実は高校の卒業式が幕張のイベントホール(だから「この前はここにASが立ってたんだなあ」と思いながら卒業式に臨んでいました、今思えば変人だ)で、施設の中に入るのはそれ以来です。とはいえ今回はイベントホールではなく展示場なので、場所も造りも違います。
ギリギリに着いたのでグッズはほとんど売り切れており、持ってきたペンラだけがそれらしいものです。さすがに心もとない。
わたわたしながら、同じく現地参加だった千葉マスの先輩P 2人と合流し、いざ入場です。真っ平な展示場の最後方ということで、ステージが遠い印象を持ちました。とにかく現地の空気感を味わえればそれでいいかな、と思っていたのですが、それはすぐにいい方向に裏切られることになります。
山村さんと今回出演しないアイドルたちによる前説が終わり、さあライブが開演、というところで出てきたのはトロッコ、しかも私のいたブロックの目の前! そしてなんとHigh×Jokerの「セブンデイズ・アルペジオ」ときたではありませんか! 初手からメッタ刺しにするな。まさかのサプライズに早速大喜びでした。
そして「夏時間グラフィティ」……の、初めて聴くアレンジとともにこの公演がハイジョお当番であることが発表されました。いやはや、事前に噂は立っていましたが、まさか本当にお当番とは。改めて言っておきますがSideM初現地です。初現地で好きなユニットのお当番浴びていいんですか。
前半部分はCODのB面曲、それからメドレーコーナーと続きます。B面で特に印象に残ったのはレジェの「"NOTHING TO LOSE"」でした。曲のカッコよさはもちろんなのですが、1番のサビでバックモニターに映ったカメラ映像がぐるりとステージをまわって3人を映しているもので、これに度肝を抜かれました。え、何!? どうやってるのこれ!? と混乱しきりでしたが、どうやらドローンで撮っていたようで、他の場面でもあったトロッコやムービングステージの使用といい、アイドルたちと演者の方々を「見せる」演出への気合を感じました。
メドレーはWORLD TRE@SUREシリーズと5thアニバーサリー、ファンコン新曲からの選曲ということで、大半の曲はわからなかったのですが(予習していなかったので……)、それでも楽しかったですしもっといろいろ聴かなきゃなあと思いました。SideMに音楽から入ったというのにまだまだ知らない曲がたくさんあります……。
ダンサーさんたちによるブリッジ(これも一気に衣装替えをやるM特有でしょうか)が明けて後半ブロックへ。彩とFRAMEの2曲はやさしい感じで、特に彩は「幸燦燦と!」のような晴れ晴れとしたお祭りみたいな曲が多い印象があったので「君と咲いた未来へ」は意外な方向性の曲だなと考えていましたが、実際聴いてみるとしっくりきました。というか単純に曲がいい。
Beitは今回みのりさんしかいなかったので何をやるかと思ったら、ソロ曲の「カラフル・シンメトリー」でした。花びらがバッと舞い上がるような演出がとても素敵でした、みのりさんめっちゃアイドルしてますよ……。(ダイジェストの6:13頃からを見ましょう。めっちゃアイドルしてます)
そ し て
「JOYFUL HEART MAKER」!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?
このMVかっこいいですよね。青春を体現するようないつものハイジョとはひと味違う、ギラつきと言えばいいでしょうか、そんな輝きがあると感じています。曲はアツいロックナンバー、歌詞も曲調もやはり今までのハイジョの曲とは少し毛色の違うものです。
今回は新曲メインだし全員揃ってるし、ハイジョはCOD以外はやらないだろうと思っていたので、曲がかかった瞬間に心の叫びが出てしまいました。コール&レスポンスも相まって会場の熱気と一体感は急上昇です!
ああ、ハイジョ315だよ(語彙力低下)。
しかし後半ブロック、まだ終わりません。「宵闇のイリュージョン」から「リフレインアトリウム」へ、という情緒を完全に破壊する繋ぎをやられました。
「宵闇のイリュージョン」は何と言いますか、あれはなんですか。色気と表現してしまうにはあまりにもったいないステージでした、己の表現力のなさが憎いです。悲鳴が上がるのもむべなるかな。
そしてその後「リフレインアトリウム」です。ホストからブライダルに繋ぐのはどうなんだというツッコミはさておき、これもこれでとんでもない演出でした。みのりさんが途中で出てきて花束をレジェの3人に渡し(本当にお花屋さんじゃん……)、その花束がこちらに差し出されるというものです。え、何、プロポーズされた?
すっかり心が虎牙道とレジェに振り回されたところで、突然セリフが流れて、そのまま「POPPIN' PLANET」へ。試聴動画で初めて聴いたときはポップで楽しい曲だなと感じていましたが、ストーリーを読み歌をよく聞いてみて、お仕事のコンセプトに沿うだけでなくハイジョの5人にも重なるところが多くあることがわかり、聴こえ方がかなり変わりました。
「巡り合えた嬉しさが ほらミュージック奏でて」「ずっと続いたらいいのに 明日も今日のアンコールで」「永遠であれ 願いを込めた」
ハイジョが求める永遠の輝きを、私も一緒に追いかけていたい、そう感じました。そんな思いを抱けたことに、9thのDay1の現地にやってきた意味があったと考えています。
CONNECT WITH MUSIC!「今日も明日もその先も」について本当はもっと語りたいところですが(隼人の立ち回りがすごく好きなんですよね)、書くと有料コンテンツのネタバレになってしまうので、ぜひ読んで下さい。(私も頑張って他のストーリーを読もうと思います)
3. おわりに
9thをこんな味わい方で体験した私は、観念して(?)ついに「ハイジョのファン」から「ハイジョP」に肩書を変え、10th幕張が控える2月の今に至っています。相変わらず765ミリオンの動向を追うのがメインではありますが、新曲を聴いてみたり情報を得たりしています。なおハイジョの純喫茶コラボは期末課題の山と奮闘していたため行きそびれました。悔しい。
正直なところ、315プロでPやってますと胸を張って言えるほど活動できてはいないのですが、SideMと315プロのアイドルたちが好きであることには自信があるので、これから少しずつアイドルたちを知っていこうと思います。
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SideMの沼は深いぞ。皆さんもこちらにどうぞ。一緒に沈みましょう。
長々と駄文を失礼しました。すでにライブから半年以上経ってしまい、思い出しながら書いたので、記憶違いや「この部分どう思っているか聞きたいのに書いてない!」というところもあったかもしれません。
ただ、今こうしてSideMに入ったPが一人いるということが伝わっていればいいなと思っています。
あらためて、SideM10周年おめでとうございます。ここまで読んでいただきありがとうございました。