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【プラネタリウム】関西の二大巨塔に行ってきた

9月、秋ですよ皆さん!関西は全然涼しくありませんけどね!そう、私は今関西に来ています。こちらは札幌よりも6〜7度は気温が高いです。お盆も過ぎているというのに33度だと?気候変動めええ!!

なぜ私が関西にいるかというと、とっっても複雑な経緯があるため割愛させていただきます。とにかく私はここ関西でプラネタリウム行脚をしています。理由は関西には有名なプラネタリウムが2つあるからです。そう、大阪市立科学館と明石市立天文科学館の2つ。皆さんもうおわかりですね?この2つのキーワードといえば「歴史」です。

大阪市立科学館

2024年8月1日にリニューアルオープンしたばかりの大阪市立科学館には8月31日に行ってきました。この日は土曜日だったので学芸員による特別解説もありました。私は一般投影『まだ見ぬ宇宙へ』と学芸員SP『赤道直下で見る星空』の二本を観ました。本当は三本立てにしたかったのですが、30分もの星空解説が被りますよと言われて断念。

12月1日まだやっているのでみんなもぜひ

ドームは大きくて一方向傾斜型。はまぎんこども宇宙科学館や鹿児島市立科学館を思い出しました。投影機はコニカミノルタのインフィニウムΣ(シグマ)-OSAKA、映像システムは同じくコニカミノルタのMedia Globe Σ SEだそうです。

投影機

自分のところを世界一とのたまうのはプラネタリウムの様式美なのですが、大阪市立科学館も例にもれず世界一美しい映像だか世界一鮮明な星空だか言っていました。プラネタリウムが始まる前に世界一自慢の文言をドームに投影していたので証拠として撮っておけばよかったです。特に感覚的なものを世界一と言われるとどうしてもそうではないだろうと反発したくなるのですが、世界一に値するかは皆さんの目で実際に確かめてみてくださいね。映像はたしかにきれいでしたよ!

あと、特筆すべきは没入感ですね。ドームが大きいので必然的に没入感が生まれます。お金パワーによる没入感。もちろん、座る位置にもよるので、何かに包まれたいと思っている方はぜひ後ろのほうの席で鑑賞してみてください。

さて、大阪市立科学館の「歴史」とは上の画像の投影機ではありません。下の画像をご覧ください。

Carl Zeiss Model Ⅱ

Carl Zeiss Model Ⅱ…… Carl Zeiss Model Ⅱですよ!皆さん!!実物が展示されているんです!!!こちらは日本初のプラネタリウム投影機です。もちろんドイツ製。Zeissですからね。JENAの文字もちゃんとあります。JENAはイェナと読むドイツの都市の名前でZeissの本社があったところです。

日本で最初に設置されたプラネタリウムは、1937年大阪市立電気科学館(のちの大阪市立科学館)に設置されたカール・ツァイス・イェーナ社製「ツァイスII型」である。これは、アジアで最初に設置されたプラネタリウムでもあった[注釈 2]。同型が1938年に有楽町の東日天文館に設置されたが、1945年に戦災で焼失した。

引用:https://ja.m.wikipedia.org/wiki/プラネタリウム

というわけで、この型のプラネタリウム投影機は日本では大阪にしかないのです。プラネタリウムファンダムにとっては聖地のひとつですね。リニューアルオープン後まもなく来られてよかったです!

およそ90年前のものとは思えない。細部のひとつひとつがすごいし美しい

それではしばし日本最古の投影機のすばらしさに酔いしれてください。

蟻みたい
スマホの画像ですまない。黒が潰れている
昔の投影機はかっこいい
吹き抜けの空間に置かれて良かったと思う


明石市立天文科学館

ずーっと行ってみたかった明石にも行きました!しかも今回は高校の同級生とその子どもも一緒です。最高すぎてテンションは爆上がり🔝

天文科学館に行く前から気持ちを昂らせるのがこちら、子午線です。最寄駅の人丸前駅から天文科学館へと伸びていて良い演出。日本の時間の基準は経度135度。

駅から天文科学館を見る

そして反対に天文科学館から駅方向にも子午線が走っています。

天文科学館から駅を見る。海の向こうは淡路島

訪れたのは9月1日だったのでこの日から新しい番組『源氏物語と月』をやっていました。その前はどこでもお馴染みの星空解説。ここのドームの特徴として、明石から見える風景がドームに直接描かれていることが挙げられます。黒一色のシルエットとして描かれているので映像投影中は気になりません。個人的にこの演出はとても良かったです。

お待たせいたしました。明石市立天文科学館のプラネタリウム投影機はこちらです!大阪のZeiss Ⅱと似ていますね。

🐜

スペックが詳しく載っていたので丸ごと引用します。

製造:カールツァイス・イエナ社(旧東ドイツ)
型式:Universal23/3
稼動:1960年6月10日
ドーム:直径20m
座席数:300席
投影天体現象:太陽、月、5つの惑星、恒星、銀河(天の川)、変光星、彗星、人工衛星
等星数投影能力:恒星の1等星から6等星まで全天で約9,000個
投影方式:32分割方式
恒星原板の厚み:0.015mm
恒星ランプ:100V 1000W
機械の中心の高さ:3m
機械の重さ:約2t

補助投影機
・ オールスカイ投影機(2組)
・ ビデオブロジェクター
・ 二至二分投影機、月位相投影機
・ マルチスライド投影機(5台)
・ XYズーム投影機(使用終了)
・磁気ループ式補聴システム
・全天周映像装置(オリハルコン・アマテラス+アストロアーツ・ステラドームプロ)

引用:https://www.am12.jp/institution_2f/

やっぱりZeiss!1960年ですって。

そして重要な情報が載っていました。こちらも丸ごと引用します。

当館のプラネタリウムは、カールツァイス・イエナ社製(当時は東ドイツ)のもので、イエナ製の大型プラネタリウムとして第38台目です。現在活躍しているものとしては、日本で最も古いプラネタリウムで、1995(平成7)年の兵庫県南部地震でも当館の設備の中では唯一被害をまぬがれ、幸いにもその歴史的価値をとどめています。2012年には稼働期間の長さが日本一、世界でも第5位となり、2015年には1960年の開館日の稼働から20,000日を数えました。

引用:https://www.am12.jp/institution_2f/

30年も前だと忘れそうになりますが、この投影機は阪神淡路大震災を生き延びているのです。震災以外にも様々な出来事がその間に起こったはず。それを考えると下の画像の数字が違った見え方をしてくるのではないでしょうか。

64年前から動いているのすごすぎる

歴史ある投影機だけあって最新のものと比べるとやや古さが否めない部分はたしかにあります。明るさを出すためにかなり大きく表現されている星もありました。一方で、60年以上前の投影機なのに最新の機種と比べてもそれほど見劣りしないのも事実。すごいことです。

こちらも投影機の画像をどうぞ。

プラネタリュウム
投影機のおしり
投影機の後ろの下部に黒い山のシルエットが見えるでしょう?それが明石から見た風景


関西民はプラネタリウムに恵まれていますね。大阪から明石は案外近かったので1日でハシゴできると思います。関西民以外の旅人も関西に行った際はぜひこの二館を訪れてみてくださいね!



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