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生涯でたったひとつの愛だった

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内省にまみれた散文集。
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2020年3月の記事一覧

もし明日死んでしまったとしても

もし明日死んでしまったとしても

 朝起きた時はなんとか無事でいられるのに、昼になり陽が傾いて夕方になってやがて太陽はおやすみして夜になって、その頃にはもう自分とさよならしたくなってくる。

 私にとっての一日は死へ向かう一日だ。毎日毎日、飽きずに変わらずに。

 夜を越えてやがて陽が昇ると、ようやくもう少しここにいてもいいかなと思える。

 死ぬ、ということは怖いけれど、ここではないどこかに確実にいけるという面では、とても魅力的

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ひとりでいること、ふたりだけどひとりを選ぶこと

ひとりでいること、ふたりだけどひとりを選ぶこと

 孤独でいることと、一人でいること

 ふたりでいるけど、ひとりでいること

 ふたりだけど、ひとりを選ぶこと

 全部違うな、と思う。
 自分の為にお洒落をして出掛ける瞬間の幸福と、帰ってくるあの人の為においしいごはんを作って待っていることの幸福は、似ているようでまったく違う。

 私は一人でいた頃の私も好きだった。
 自分の為にアルバイトをして、自分の為に着飾って、自分の為に誰かを繋ぎ止めてい

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飛び方はあなたが教えてくれた

飛び方はあなたが教えてくれた

 「あなたじゃなきゃいけないの」

 ほんとうの意味で、この人ではいけないなんて事はあるのだろうか。

 どれだけ激しく愛していたとしても、もうこれ以上人を愛するなんてできないと思っていたとしても、さよならを告げて泣き暮れたとしても、でも代わりは現れるものだ、大体の場合。

 身をもってそれを知っていたとしても、なんとなく知っているつもりになっていたとしても、それは静かな事実としてひっそり横たわっ

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