ひとりでいること、ふたりだけどひとりを選ぶこと
孤独でいることと、一人でいること
ふたりでいるけど、ひとりでいること
ふたりだけど、ひとりを選ぶこと
全部違うな、と思う。
自分の為にお洒落をして出掛ける瞬間の幸福と、帰ってくるあの人の為においしいごはんを作って待っていることの幸福は、似ているようでまったく違う。
私は一人でいた頃の私も好きだった。
自分の為にアルバイトをして、自分の為に着飾って、自分の為に誰かを繋ぎ止めていた。
でも今、私の為と、彼の為に己を"ここ"に繋ぎ止めている。
恋人が私の存在を歓んでくれる、それだけで存在する意味があって、二十一年間も孤独でいた価値があるなと思う。
人間は本当の意味のひとりでは生きられないと思うし、特に私には大好きな家族がいたけれど、でもそれでも、ほんの少し孤独だった。
でもその孤独をすんなり埋めてくれて、それから他の私を鮮やかに、でも穏やかに色づけてくれたから。
選ぶのは怖いし、なりゆきに任せてしまった方が楽で、億劫になって私はすぐなりゆきさんに頼ってしまうけど。
でもそれでも、選ぶ為に一緒に頭を悩ませてくれるから、一緒に選択の一歩を手を繋いで踏み越えてくれるから。
ただいてくれるだけで、私の歓びであるなと思った。
ただ隣でいてくれるだけで、でもどこか遠く離れていても、同じ世界に生きていてくれてさえいれば、なんとか私も踏みとどまれる気がする。
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