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むらやまちあき
2024年1月16日 01:01
その時私が乗り込んだ電車はずっと昔から走り続けていたようで、長年の煤に覆われていた。 発車時刻を一時間過ぎても予定の電車は一向に来る気配がなかった。日本の端っこに取り残されたようにぽつりと存在する海町なのだから、そんなことは日常茶飯事だろうとも思ったけれど流石に遅い。休日であれば一部の物好きな観光客で賑わうその小さな町も、週のど真ん中の平日では、他の乗客の姿は一人も見当たらなかった。簡素なホ