慣れとコンフォートゾーン 【かわいい(不登校の)子には旅をさせよ(ママにもね)】
不登校の息子とベトナム旅に来て3週間。旅も終盤です。
前回の記事(「どうにかなりませんか?」)にも書きましたが、旅行とは不便との遭遇であり、それをクリアしていくというミッション達成ゲームのようなものだなとつくづく感じております。が、そのミッションにも、ゲームの舞台(ベトナム)そのものにも慣れてきて、日々はいつもとは勝手が違う不便な環境からコンフォートゾーンへと近づいてきました。
思えば、最初のころは生野菜や果物も警戒しておりました。いえ、スーパーのお惣菜だって警戒の対象です。なぜなら、ベトナムのスーパーは(一部の大型店は別ですが)日本ほどクーラーが効いていません。外の気温よりも多少は涼しいかなと言う程度。そしてそんな温度の店内で、お惣菜は冷蔵されていません。常温に置かれています。私の宿の近くのスーパーでは、お惣菜は午前11時に入荷という表示があります。お昼過ぎまでなら大丈夫そうですが、夕方はどうでしょうか? ちょっと鮮度が心配です。お腹は壊したくない。慣れない海外で通院はできるだけ避けたい。
ですが、とっても美味しそうに売られているお惣菜たち。とてもローカルな、もしかするとベトナムの人がフォーなんかよりもずっとよく口にするベトナム料理かもしれません。とても気になって、一度お昼に食べてみました。ベトナム焼きそば、ベトナムチャーハン、名前はよく分かりませんが韓国のビビンバとタイのガパオライスの中間みたいなご飯などなど。そのスーパーはお惣菜のクオリティーがたまたま高かったのか、毎日食べても飽きないくらいの美味しさでした。
一度「口に入れる」という一番大きなハードルは乗り越えた私は、多少時間が経過したお惣菜も買うようになりました。夕方4時や6時に買ったこともあります。しかし、その頃になると流石に怪しくなってきます。蓋を開けた瞬間、「あれ?」となります。「傷んでない? いや、傷んでるよね」と疑問はほぼ確信に変わりつつも、「まぁいいか」となってしまうのはどうしてでしょうか? これが慣れなのでしょうか? 「これこそがいい!」と思うのがコンフォートゾーンなら、「まぁいいか」と思えるこれは、正真正銘の慣れでしょう。
人間の適応能力ってすごいなと我ながら感心しますが、やはり、慣れているだけの環境でずっと生きていくのは大変です。快適で心が休まるコンフォートゾーンに帰ることも大切。何が言いたいかというと、そう、それろそろコンフォートゾーンという名の自宅に帰りたくなってきたということです(笑)。
もちろん、ベトナム旅行に飽きたわけでもましてや嫌になったわけでも、ホームシックというわけでもありません。ただ、「久しぶりに海外旅行来たぜー。ひゃっほー」というテンションは多少落ち着き、自宅が頭の片隅にちょっと顔を出してきたかなという感じ。当たり前ですが、いくら楽しい旅行でもずっと行きっぱなしはしんどいものです。
「コンフォートゾーンにばかり引っ込んでちゃダメだ! たまにはその外へ出ろ!」とよく聞きますが、あまり帰って来ることはフォーカスされません。「ちょっとでいいから出てごらん。必ずいつでも帰って来れるから。案外慣れるもんだよ?」と言われれば少しは出ていきやすいのかなぁと臭うお惣菜を頬張りながら思うのでした。
追記:スーパーの名誉のためにお伝えしますが、ベトナムのスーパーのお惣菜でお腹を壊したことは一度もございません!