アニメ平家物語を解説する 4話
前回の記事はこちら。
今回もアニメのネタバレありきで進んでいきますので、気になる方はお気をつけて。今日は結構『平家物語』にあるエピソードが詰まっていた印象です。
今回は臨月の徳子が苦しんでいるところからスタート。『平家物語』では巻3「赦文」にあります。重盛は鹿ケ谷の陰謀に関わった人々の怨念を見ます。霊だけじゃなくて生霊も見えてそうですね。「赦文」の中では、崇徳上皇、頼長、成親、西光の怨霊と、鬼界ヶ島に流された人々の生き霊によるものと書いてあります。
OPが明けてから高倉帝と重盛のお話。高倉帝の笏の持ち方が高貴な感じがして好きです。好きだったので調べたら、なんと笏の持ち方の公式な作法でした。右手の親指と小指で笏の裏を挟むようにして持つのがお作法らしいです。なんと細かい作画描写……!! でもこの描写で本当に高貴に見えるんだからすごい。話し方も雅びで、声優さんも素晴らしい。
今様を編むのに耽る法皇様、この時に編んでいるのが『梁塵秘抄』ですね。
さて、建礼門院右京大夫こと「伊子」に迫る資盛ですが、あんまりうまく行っていない様子。これは『平家物語』にはないエピソードですね。そんなところを琵琶ちゃんに見られていたので、帰りの牛車の中で恋バナが始まる。牛車の中で資盛が琵琶に語る「資盛より二十近く年上で歌も上手く絵も上手い男」と言うのは、日本史では似絵の作者として有名な藤原隆信のことです。私の学生の頃は、有名な「伝源頼朝像」や、「伝平重盛像」の作者と習ったのですが、近年その説は否定されているようですね。
そして突然始まる恋バナ。女の子だと気づかれているのにびっくりする琵琶ちゃん。それにしても資盛、琵琶ちゃんに迫るのは……。
徳子の具合が悪いのは鹿ケ谷で処分した人たちの怨念なので、流された者を許してはと提案する重盛。『平家物語』ではこの話も「赦文」の中にありますが、重盛が清盛のところにいく前に、清盛の弟教盛(のりもり)が重盛に相談に行ったと書いてあります。教盛の婿が成親の息子である成経で、鬼界ヶ島に流されていたので、教盛と重盛は成親に裏切られた同盟みたいなもんですね……。重盛の方が二重三重仲良しなのできついでしょうが……。
そもそもなんで重盛がこんなに成親と仲良いの?? って話なんですが、成親自体が重盛に取り入っていたのもあるんでしょうけども、『平治物語』によれば、成親は、貴族として出仕したての頃の重盛をよくサポートしてたっぽいんですよね。重盛はそれを恩義に思っていて、平治の乱で殺されかけた成親を助けてあげていたのです。そう、成親は平治の乱で平家に敵対して助命されてたので、「まさか2回も裏切ることは無いやろ」と平家的には思ってただろうに、鹿ヶ谷でもやらかしたと言うことです。重盛の傷心たるや……。
話を戻しましょう。鬼界ヶ島に流された三人のうち、俊寛だけが乗せられず、二人が戻って行きます。「ただし俊寛テメーはダメだ」って感じですね。帰れた二人のうち一人は、先ほど述べた成親の息子成経です。ぬか喜びした俊寛、可哀想ですね。これは巻3「足摺」のエピソード。「赦文」の次の話です。
「足摺」と言うのは、一人置いて行かれた俊寛が、「わしも乗せていけええええ」と座ったり倒れたり、足を地面に擦り合わせるような激情を表す動作をしていたことから付けられています。
アニメでは結構あっさりしていましたが、「二人」と言う記述が間違いじゃないか全員で確認したり、俊寛が「全員同じ罪なのになんでわしだけええええ」と転げ回って号泣したり、出立前の船に俊寛が乗ったり降りたり、と、結構臨場感溢れる描写がたくさんあるので、俊寛には申し訳ないけど読みごたえがある章段です。
そして小松家の会議。俊寛が許されなかったのは鹿ケ谷の屋敷を提供していたから、清盛は激おこだったんだろうねという話に。
卒塔婆の話が出ましたね。これ重盛に語らせると重盛が仏教に傾倒している感じが出てていいですね。ちなみに『平家物語』では巻2の「卒塔婆流」という章段に書いてある話です。俊寛置いてかれエピソードの前に、「康頼祝言」「卒塔婆流」という連続したエピソードの中で「俊寛僧都は天性不信第一の人=生まれつき信仰心の全く無い人」と書かれています(出家してるのに)。神仏を信じないとバチが当たる……と、いうよりは、信仰していた成経と康頼に天の助けがあったね、みたいな感じですかね。
徳子の具合は良くなったから快気祝いに行こうと誘う資盛に嫌そうにする琵琶。資盛以外のみんなが不思議そうにするのがかわいい。
俊寛のその後は巻3「有王」「僧都死去(タイトルがネタバレ)」という章段に書かれていますが、それをもとに書かれた小説が、芥川龍之介の「俊寛」です。芥川龍之介は平家物語にも造詣が深く、このほか「袈裟と盛遠」という小説も『源平盛衰記』に出てくる文覚の出家前のエピソードから書かれています。ちなみにこれらは青空文庫から読めます。
さて、場面変わって維盛の家族との交流! ここで出てくる維盛の息子は「六代」というのですが、EDの名前にはなんと「平高清」で出てましたね。びっくり。高清という名前は、『平家物語』には出てきません。というかその元服名が残っているのが結構マイナーな資料だけなので、今回初めて知った人もいるのではないでしょうか。あえて元服後の名前を使っているということは、やはり全員共通で幼名はない設定にしているんでしょうかね。小松家も、元服前は維盛の幼名は「五代」だし、他の兄弟にも幼名があるはずなので。
家族思いの維盛像がよく出ている素晴らしいシーンですね……。
「維盛、お父だの」と感心する琵琶。資盛と比較する琵琶ちゃん(さすがに迫られたことは言ってない)に苦笑して、「相手の人は思いをよせる人も多いから資盛も悩んでいるんだよ」と資盛のフォローをする維盛。あなたの奥さんも歌上手いし美人だから人気だったと思うけどね! 自分もそういう経験があったからかな。(維盛の奥さんはなんと、あの藤原俊成の孫でもあります。定家とは叔父と姪の関係。)奥さんの名前は「新大納言局」で出てきます。これは『たまきはる』に出てくる彼女の正式な女房名で、父親の成親が新大納言だったことからそう呼ばれていたようです。彼女の本名は不明ですが、江戸時代に創作された歌舞伎「義経千本桜」では「若葉の内侍」という名前が与えられていますね。
成親の処遇について補足コメント。重盛の取りなしで命は助かったけど、流刑先の備前で食事も与えられずに亡くなった……とのこと、これは史実成親路線ですね。成親の死については前回もちょっと触れましたが、巻2「大納言死去」に書かれており、毒の入った酒を勧められたけど(なぜか)察知して飲まなかったので、えぐい殺され方をした話が載ってます。毒入りの酒を察知するところ、流石成親って感じする。
壮絶な徳子出産シーン。巻3「御産」の場面です。
この出産の場面、重衡と維盛も立ち合ったらしいです。この二人は当時中宮亮と権亮だったのですね。亮は委員長、権亮は副委員長って感じのイメージ。御簾の中まで入ってたみたいだけど、重衡から見たら徳子はお姉ちゃんで、維盛はすでに子供二人いたから問題なかっ……たのだろうか。もし生まれた子が女の子だった場合、身内で共謀して男子だったことにしようとしていた説もあるらしい。
なんにせよ、重衡が「御産平安、皇子御誕生候ふぞや」と高らかに宣言し、その時は法皇も関白や公卿たちも皆喜んだと『平家物語』には書いてあります。
生まれた安徳天皇を涙を流して抱く清盛。「御産」にも、清盛は皇子が生まれたとき、嬉しさのあまり声を出して泣いたとあります。
生まれたらかわいいのうと言う琵琶。前に徳子が「生まれたらかわいいでしょうよ」と言ったのを受けているんですね。
徳子に子供の未来を聞かれて、「見えない」と即答する琵琶。その後でちょっと見てみたら、不吉な未来がチラ見えしてしまいます。
突然の突風。短いシーンながら、これも『平家物語』にあります。巻3「つじかぜ(漢字では風の右上に火が3つついた字)」という章段で、「僧都死去」の後にあるので、ちょっと俊寛の祟り的な不吉な話ですね。平家滅亡フラグとも言う。
盛子の死。盛子は2話にちらっと出てきますね。
徳子に怒られてしまう重盛……。成親の件で、もう朝廷でできることはないと気落ちしています。「私にできることといえば……」と言って重盛が行ったこととは……そう、仏道修行!!(重盛……)
ここで参った先は熊野です。当時は熊野に参詣することが流行していて、後白河法皇も何度も何度も通ってたそうな。法皇は駕籠だからいいけど、徒歩の従者たち大変だったでしょうね。途中挟まれた山道は、熊野古道ですね。維盛と琵琶を連れてお参りをする重盛ですが、平家がもう終わるなら私の命を縮めてくださいますようにとお願いする重盛……。ここからは巻3「医師問答」の場面。『平家物語』の方では、琵琶ちゃんはもちろんいなくて、維盛のほか息子たちも同行していたと書かれています。
今まであんまり気に留めてなかったんですが、改めて考えると、これって消極的な自殺願望みたいなもんですよね。重盛は真面目だから、立場上自ら死ぬわけにも行かず、ただただ長生きしたくないという暗い願望だけが膨らんでしまったのかもしれないですね……重盛……。
重盛の体から魂的なものが出ていくのを目撃したのを報告しようとする琵琶を維盛が止めます。
帰りの川で水をかけ合いっこする琵琶と維盛。かわいい。けど維盛の服が水に透けて喪服のようだと言う従者。これは『平家物語』の記述にも出てきます。ちなみに『平家物語絵巻』にも絵で出てきますが結構可愛いですよ。
そして病床の重盛。『平家物語』(引き続き「医師問答」)では、重盛を心配した清盛が使者を送って「宋の国から凄腕の名医を呼んだるからな!!」と言うのですが、重盛は「今、外国に弱みを見せるようなことをしてはいけないので、お断りします」とそれを断り、使者が泣く泣く帰るという話がのっています。さすが日宋貿易を発展させた清盛、宋とのコネもしっかりあるわけです。あと、清盛、なんだかんだ重盛のことちゃんと好きなんだよな……と言うのがわかって個人的には好きなエピソードです。アニメでも、恩赦の件とか、前回の説得とか、なんだかんだで重盛が真剣に言ってることは聞いていますよね。
めちゃめちゃ体調悪そうなのに法皇様が来たので起き上がる重盛。お仕えしてる人が来たら、そりゃ気を使うよね!
法皇様としては重盛に死なれては困るので、激励的な感じでお見舞いに来たんでしょう。重盛の子供たち三人と琵琶ちゃんでお迎え。そして法皇に清経が笛の名手だと紹介し、「琵琶弾きもいるから音楽しましょう」と誘う資盛。相変わらず今様ができると喜ぶチョロい法皇様。ウインクしてるの不覚にもかわいいと思ってしまった。
重盛の夢に、春日大明神と書かれた鳥居が出てきます。そこに僧兵的な人が来て、清盛の首が取られたと言われる不吉な夢を見ます。平家の終わりを悟って涙を流す重盛。これが今回のタイトル巻3「無文」の始まりです。「医師問答」の次の章段になります。『平家物語』には結構、夢の話も出てきますね。
そんな夢の中でも清盛が「面白かろう?」と言ってくるの、そう言われるたびに積もっていく重盛のストレスが感じられてつらい。
重盛に呼ばれてやってくる維盛。
重盛に刀を渡されて「小烏ですか?」と聞く維盛、しかしそれは葬儀の時に使う無文の太刀だと説明する重盛。「清盛の最期の時にはこれを」と、維盛に太刀を託し、それを粛々と受け取る維盛。
アニメでは結構淡々と進んだ「無文の太刀」の受け渡しですが、『平家物語』では維盛がもうちょっと可愛い感じのでご紹介させてください。
まず、維盛が呼び出されたのは宮中に出仕する前……つまり、出社前ですね。重盛の部屋に行くと、「親の身として、このようなことを申すのは非常におこがましいけれども、お前は私の子の中でも優れて見える。ただし、この世の有様がどのようになるかということが心細く思われる」と維盛を非常に褒めて、お酒を酌み交わします。「先に維盛に飲んでほしいが、親より先には飲みづらいだろうから私から飲むよ」と言って自分からお酒に口をつけます。最期に息子と酒を酌み交わしたかったのかなと思うと切ないですね。
そこで、重盛が部下に錦の袋に入った太刀を持って来させたので、維盛は、
「あっ、もしかしてアレは平家に伝わる名刀小烏では!」
と嬉しげに太刀を見るんですよ。多分褒められた流れだったのもあり、「わっ、ついに私にいただけるんだ! 認められたんだ!」って感じで無邪気に喜んでるの可愛いんです。でも、開けてみたら葬式に使う無文の太刀だったので、顔色がサッと変わるんですね……「いまはしげに」見たと言うことで、持ってきた人が間違ったのではと思ったらしい。
そして重盛が涙をハラハラと流し、「維盛、それは間違いではない。それは大臣の葬儀に使用する無文の太刀。入道(清盛)に何かあった時にはこの重盛がそれを使うために持っていたが、私は入道に先立つことになるから、お前に渡すのだ」と語ります。アニメでは、「清盛の葬儀で私の代わりに使ってね」とも取れる言い方をしていましたが、ストレートに「私の葬儀でお前が使うんだぞ」と言う意味かなと思います。
維盛はこの遺言を聞くと、もう返事もできないくらい泣きじゃくって、部屋にこもって布団をかぶって泣いてしまって、仕事もお休みしたのでした。
アニメのように重盛の遺言をしかと引き受ける維盛もかっこいいですけど、ショックで仕事お休みする維盛も可愛くないですか? 贔屓目なのは承知しております!
さて、アニメに戻りましょう。福原で島を見下ろす清盛。これは遷都フラグですね。「面白かろう」もばっちり言います。言いづらそうに重盛の病状が良くないことを報告する時忠。
琵琶ちゃんと最後の会話をし、琵琶の音をリクエストする重盛。
これはフィクションだけど、重盛が本当に音楽と一緒になくなっていたらいいなと思ってしまった。琵琶法師のお姉さんと琵琶ちゃんが完全に一致しましたね。いつも『平家物語』を語りながら弾くのに、ここでは何も語らずにただ琵琶をかき鳴らし、涙を一筋流す様子が美しく切ないですね。
重盛の死。泣きじゃくる琵琶と、子供たちの絶叫。『平家物語』では「無文」の最後に重盛が死に、2話に出てきた「燈籠之沙汰」が続くんですね。
これを知っているので、私的には4話のタイトル見たときに「4話で重盛死ぬーーー」って一人ネタバレ踏んだ気持ちになってました。
重盛の死後から、重盛の死者を見る能力を引き継いだ琵琶ちゃん。お父も重盛も近くにいることがわかります。新しい能力を得て、これからどうなるのか……というところでアニメは終わります。
最後に恒例の今日の維盛のコーナー。このコーナーは維盛への愛を語るコーナーです。
今日の維盛は出番が多かったですね!! まさかパパしてる維盛が動画で見られるなんて思ってなかったから、私は見た瞬間に五体投地しそうになりましたよ。アニメ製作者の方々、毎度ありがとうございます!!
・小松家会議
俊寛の処遇だけ違うのに興味を示す維盛。即話題を変えて「徳子の具合が良くなった」と良い方に目を向ける資盛が比較して少し楽観的に見えたかな。
・パパする維盛
息子にこまを回してあげる維盛。高清くんも良くなついていますね。ただやってあげるだけじゃなくて「今度は自分で回してごらん」と言うのが、ただ猫可愛がりするだけじゃなくて「教育をしている」という感じで良いですね。琵琶ちゃんに「ヒマだよ、遊んでよー」ってしてた頃から考えると、めっちゃ成長している。
ちょっと後ろに聞こえる妻子の声を追ってみたんですけど、「それっ! うーん……」「それっ、はわああ」「うふふ」みたいな妻子の楽しげな声が聞こえてきてかわいかったです。高清くんうまく回せたかなー? と保護者みたいな気持ちになってしまう。
さっきまでは父の顔だったけど、資盛のフォローしてあげる維盛はちゃんとお兄ちゃんですね。家族を持っても弟たちのことは変わらず気にかけていることがよくわかる……。ぶっちゃけ資盛は維盛に恋愛相談はしなそうな気がするので、奥さま経由か噂かで推測している気がします。
妻のために琵琶をひいてほしいと頼む維盛。奥様はそそとした儚げ美女ですね。この奥様の感じ、すごく解釈の一致って感じです……。奥様は『平家物語』では「桃顔露に綻び紅粉眼に媚を成し柳髪風に乱るる粧また人あるべしとも見え給はず」と書かれており、要するに「人間離れしたド美人」って感じだったそうな。維盛だけでなく、奥様も子供たちのことは手元から離さないくらい可愛がっていたそうなので、本当に仲良し一家だったんですよ。
ちなみに高清くんと妹の夜叉御前は2歳差なので、赤ちゃんだから奥にいるのかな。夜叉御前っていうのもまたゴツい名前ですよね。個人的には維盛が娘が可愛すぎて、天に連れていかれないようにって意味で名前つけてたら最高だなって妄想しています。
・熊野詣
父についてお参りする維盛、親孝行って感じで良いですね。魂的なものが見えたことを重盛に言わないの、心労の多い父にこれ以上心配をかけないようにという優しさなのでしょう。しれっと琵琶ちゃんがお腹空いたことにしたのは笑いました。シーッて指を立ててるの可愛いですね……。
・川遊び
厳島の海で兄弟三人で歩いたのを寂しげに思い出す維盛。厳島の海の暖かさは、まだ平家は守られている、大丈夫だという安心感もあったのかもしれません。川の水の冷たさは、平家の厳しさを象徴するような気がしたのかも。
それはそれとして水をかけられて「冷たい」って言うとこ可愛いですね。二児の父なのに。琵琶に水をかける様子は、童心に帰るというよりは、いつものようにお兄ちゃんして遊んであげてるって感じでしたね。
・病床の重盛関係
ちゃんといつも側に控えているのが親孝行ですね……でも、親孝行と言うだけではなく、精神的に重盛に頼っているからこそ側にいたいという気持ちもあるのかもしれません。
「父に似て思い詰める性質であるから、あまり気を張りつめぬように」と言う重盛もまた維盛のことを思い遣っているのがわかるシーンでしたね。
・無文の太刀
ここは本編解説の方で詳しく書いたので割愛しますが、アニメの維盛は冷静に粛々と重盛と向き合っているような描かれ方でしたね。重盛に近寄ろうとして止められたときは切なかった……。
「はい、確かに」という短い言葉が重い。
重盛の死の際に最初に「父上!」って飛び込んできたのは維盛かな。ちょっと自信ないけど、声の感じは維盛、清経、資盛の順だったような……。
というわけで今日の維盛コーナーもたっぷり書きまして、今回の解説はここまでです。
来週は5話ですね。前回の大河の方で「富士川の戦い」が出てきたので、そちらの解説も書きたいと思っています。書いたらアニメの解説を収録しているマガジンにもついでに入れておくつもりです。(アニメでも富士川の戦いはやるので)
アニメ『平家物語』は本当に作り方、見せ方が上手いし、何より平家に対して良心的な解釈をしてくれているなあと思います。平家大好きなので、アニメを見るたび切なくて、かつ「悪者」「情けないやつ」として描かれてないのでホッとしています。
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