宇沢弘文「自動車の社会的費用」
自動車社会への懐疑。
成長が重視される20世紀の経済において、考慮されにくかったその負の面を堂々と列挙している。
自動車は毎年2万人の人を殺している。
自動車は継続的な環境破壊にも加担している。
さらに、豊かな暮らしをおくれる街作りにも悪影響を与えている。
自動車の在り方が完全に変化する可能性も見えてきた今、自動車というたった100年程の一時的な流行が残した爪痕と考えると、その費用は重い。
経済学者である著者は、人類の大きな教訓として捉えているのだ。
40年以上前に書かれた本でありながら、今こそ価値を持つ。