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ジョン・コルヴィル「ダウニング街日記(上)」
チャーチルの秘書官の日記。
本来記してはいけない危険で貴重な機密情報の数々。
戦中の要人たちの暮らしぶりも克明に分かる。
空襲の合間を縫っての乗馬や狩り。
ティータイム、芝生の読書、夜の観劇。
ただの貴族趣味のエリート官僚と思いきや、安全な後方勤務よりも前線で戦うことを常に志願する著者。
願い叶わずも、秘書としての持ち場できっちり活躍する。
戦時においてのこの余裕とたくましさ。
イギリスの強さ、魅力が凝縮されている。
当時のフランスやアメリカの行動に対する批判的な表現には、かなりの部分賛同できる。
世界はイギリスにこそ感謝すべきだ。