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観光2020を考える★定着するのはワーケ―ション?それとも?

コロナ禍の終息の見通しが立ちません。
観光に強く依存している地域では、大変な状況となっているでありましょう。
また、消費者向けの飲食、小売り店なども、ばったりと客足が途絶え、まさに頭を抱えている方ばかりなのだと思います。
私の知りあいの経営者でも、閉店したり、もっと悲劇的なことに遭ってしまった方もいます。

メディアは、そんな中で、新たな動きをしている所を取り上げるケースが多く、いわゆる悲惨なニュース以外でいえば、この機会を「チャンス」と考え、ポジティブに新しい動きを始めているところを期待を込めて報道しているように私には見受けられます。

そんな中で昨日、菅官房長官が発言した「ワーケ―ション」のすすめ。
これも、「新しいこと」なのでしょうし、故意か偶然か、英語なのでなにか「新しさ」「おしゃれさ」をまとい、世間に流布されそうな雲行です。

私は、昨日、ある報道番組を見て、ちょっと驚きました。
司会の方の
「この動きは、本当に広まるんですかね?たとえば、上司は、会社の部下がリゾート地で(優雅に)仕事をしているなんて知ったら、面白くないのでは?」
という問いかけに対して、ワーケ―ションにいち早く対応しているある宿泊施設の社長さんが
「それは、最初はそうかもしれませんが、あのクールビズの時を思い出してほしい。最初は反対していた会社の上のほうの人たちも、やがて、いいものだと認識して、今は日本中に広まったではないですか?」
的に引き合いに出してきたのです。

これは本気でそう言っているのか?

私は、カメラにアップされたその方の顔をまじまじと見つめてしまいました。

クールビズとワーケ―ションはあまりにも違うのではないでしょうか?
クールビズは、冷房などにかかるエネルギーをセーブすることで、国全体でコストカットができる。限りあるエネルギーを無駄にしないという国民全員の利益に合致します。
ワーケ―ションは、家で働くよりも逆に交通費、滞在費、食費(滞在中は基本的に外食でしょうから一回一回に食費が必要でしょう)などで、個人の経済的負担は増す。もうかるのは宿泊施設や観光業(もしくはそれを推進するもろもろの関連業)という「行って来い」の形になるはずです。

この「クールビズ」と「ワーケ―ション」は、根本的に違うのです。
唯一くくれるとしたらその共通項は、
「国が推進して、「新しい働き方」を聞きなれない英語でなぜか堂々と推奨している」ということだけなのではないでしょうか?

GO TO TRAVELキャンペーンの時も感じたのですが、少し「観光」という人間が本来欲している楽しみの有り方を、こと「経済観点」で、しかも、「一部の事業者」にとってだけプラスになるように考えているきらいがあるのではないでしょうか?

観光振興を考えるにあたって、気にしないといけないと私が思っているのは
「観光は、経済観点以前に人間が本来欲している行為の一つの有り方だという認識をもって、人間生活の「精神的豊かさ」を増進していくような目線をもっていたい」
ということです。

いったん、ここを重視すると、GOTOや、ワーケ―ションではなく、すでに民間の事業者がやっている別の取組などに目が向くのではないでしょうか?

以前のnoteにも書きましたが、
「まったく新しいことをセンセーショナルに推し進めるのではなくて、地味かもしれませんが、すでにやっていること、あることを、きちんと改良、改善するようなことこそ重要だ」と私は思います。

実は、永田町で「ワーケ―ション」が提唱されたまさに同じ日に、日本の西端のある観光地で、地元の観光の担い手たちが考えた小さな改善の取組みが、ネットの小さな記事で紹介されました。


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