桜井篤

魅力発掘プロデューサー/観光振興シニアコンサルタント/脚本家/淑徳大学地域連携センター…

桜井篤

魅力発掘プロデューサー/観光振興シニアコンサルタント/脚本家/淑徳大学地域連携センター特別客員研究員●リクルート『じゃらん九州』編集長、千葉市観光プロモーション課長等を経て現職●訪れる人の「喜び」と住人の「誇り」を同時に創出します。著書『まちの魅力を引き出す編集力』(同友館)。

マガジン

  • 地域の魅力を発掘する★観光振興&魅力発掘プロデュース

    【2020年7月20日創刊】このマガジンは、地域の魅力を発掘して、観光客を呼ぶ!地元の人も訪れる人も其々の幸せが増すような、そんな本格的な観光振興の実践術を、これまでの記事から選りすぐり編集しています。

最近の記事

地域おこし協力隊の方へ(好調につき重版)

お知らせです。 2021年7月に上梓した『まちの魅力を引き出す編集力』が、多くの方が購入してくれたため、2024年9月30日づけで増版(重版)になりました。 地域における観光振興を行うための「魅力発掘プロデュース」の実践の書となっています。 本編にも触れていますが、すべての事例が、過去の他地域の事例を参考にしていない、その土地で生み出したオリジナルな手法を使っています。 また、「その土地に移り住む」ところから生み出した観光商品で「集客とシビックプライドの醸成を導き出す」ところ

    • 来日客の「不満」の「不」を解消。好感度を全国4位に大躍進■洞察(インサイト)

      私は、インサイト(洞察)とは、「消費者自身も把握できていない無意識の欲望」を見つけて、それを満たすような創造活動をして消費者に提供することで、消費者を一段深く幸せにする、ということだと解釈しています。ここは心理学的アプローチや哲学の現象学的アプローチを丹念にすることで様々な企画が生まれるはずです。 この無意識の欲望をどう捉えるか?が鍵となります。その人(集団)と同じ行動などを自分がするとしたら、と想起して、そこから自分の心を省察して、「自分ごと」として自分をさらに楽しませる

      • お気に入りの100冊(小説)、挙げてみました

        ルールとして一人の作家に1作として100冊挙げてみました 順は不動。マインドシェアの高い順(かな) 1:『坂の上の雲』      司馬遼太郎 2:『笑い男』        サリンジャー 「9つの物語」内 3:『手袋を買いに』     新見南吉 4:『私を離さないで』    カズオ・イシグロ 5:『1973年のピンボール』  村上春樹 6:『ぼろんじ』       澁澤龍彦 7:『横道世ノ介』      吉田修一 8:『京の川』        水上勉 9:『神

        • キャラクタライズってなに?(後編)事例

          前編では、キャラクタライズの価値およびベルソナ作りとの違いを記しました。 後編では、具体的なプランへの活かされ方を記します。 お寝坊しても大丈夫! 「午後からイチゴ」プラン誕生 当方が勤務していた千葉市役所の観光プロモーション課においては、市内のイチゴ狩り観光を推進するために、体験型観光プラン集『千葉あそび』誌上において「午後からイチゴ」キャンペーンを展開しました(2015年「春号」) これは、「千葉あそび」に体験型観光プランを掲載するための条件の一つである「予約制」、

        地域おこし協力隊の方へ(好調につき重版)

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        • 地域の魅力を発掘する★観光振興&魅力発掘プロデュース
          8本
          ¥250

        記事

          キャラクタライズってなに?(前編)

           キャラクタライズとは、最近はあまり聞かなくなってしまいましたが、前職のリクルートで主に求人広告を作っていた際は、皆が普通に伝っていた用語です。クリエイティブの打ち合わせ現場で「まずはキャラクタライズしないとはじまらないな」なんて風に普通に使っていました。今から四半世紀前のことですが。  そして、その後に業界では「ペルソナ作り」という言い方で制作・マーケティング双方でしばしば聞くようになりました。キャラクタライズはこのペルソナ作りに本質的には似ていると思います。  では、なぜ

          キャラクタライズってなに?(前編)

          総務省「地域力創造アドバイザー」就任

          当方こと桜井篤は2024年4月1日、総務省が認定する「地域力創造アドバイザー」に就任いたしましたのでご報告いたします。 この制度は、都道府県から推薦を受けた地域活性の専門家が、総務省によって、その業績などを審査した上で認定した「地域活性化のスペシャリスト」を日本各地の地域活性のために、より活用していただけるようにはじめた公共の派遣支援制度です。  当方もありがたいことに過去に誠心誠意尽力させていただいたある県から推薦をいただき、2024年4月より就任することとなりました。

          総務省「地域力創造アドバイザー」就任

          現役観光ガイドのための『速習★魅力アップ講演』が好評をいただきました(満足率100%)

          さる2月29日に都内のある区の観光協会さんからご依頼いただいた「~現役ボランティアガイドのための~速習★まち歩きを10倍楽しくする7つのポイント」(90分) 講演参加者からご好評をいただきました。 【アンケート結果】 ※いずれも5段階評価  ①わかりやすさ  有効回答 59人中 非常にわかりやすい 37人(62.7%) わかりやすい 22人(37.3%) 満足率100% ②お役立ち度 有効回答 55人中 役だった 40人(72.7%) どちらかというと役だった 14人(2

          現役観光ガイドのための『速習★魅力アップ講演』が好評をいただきました(満足率100%)

          人間を中心に据える観光企画(実存主義的・現象学的観点を活かした実例)

          観光振興を進めるにあたり、実存主義および現象学的態度が有意義だと思われる点は、国や地方行政が作る「基本計画」や「グランドデザイン」といった観光振興の戦略の根幹が、現場にブレイクダウンしていく過程において、往々として希薄し、失われがちな「観光客の立場になって考え抜く」という姿勢を一貫したり、新たに加味するなどして、現場で具体的に力強く反映できることです。 現象学や、その中心概念となる相互主観性、現象学的還元については過去にこちらのブログ(リンク先)で論じてきました。 「知覚」力

          人間を中心に据える観光企画(実存主義的・現象学的観点を活かした実例)

          参加者の47%にお店に足を運ばせた 「根回し」話術をシナリオ化 ■ナラティブマネジメント

          ナラティブマネジメントとは 地域の観光振興を推進するために、観光集客の現場において、その魅力をより効果的に客に届けるためのクオリティマネジメントを指し、主に地域の観光推進の主体者により実施されます。  たとえば、地域に残る歴史的事実を紹介する際などには、単に史実を伝えるだけでは観光客にはその土地ならではの魅力として受け止められないことがしばしばあるため、観光ガイドが、その史実に関わった歴史的人物の生涯を説明したり、ご自分の推察や解釈を加えた上で、起承転結や喜怒哀楽などを加

          参加者の47%にお店に足を運ばせた 「根回し」話術をシナリオ化 ■ナラティブマネジメント

          2月24日(土)市民の誇りの醸成と観光集客★シンポジウム開催のお知らせ

          千葉市には市民の誇りのもととなる「加曽利貝塚」「オオガハス」「千葉氏」「海辺」 という4つのシンボルがあります。今回、これらのシンボルを活用した観光集客及びシビックプライド(市民の誇り と責任感)の醸成の有り方について、プチ講演&パネルディスカッションを開催します。 主催は今年開設した淑徳大学の地域創生学部(矢尾板俊平学部長)、千葉市からの後援をいただきます。 参加無料ですので、ぜひお越しください。 淑 徳 大 学 地 域 創 生 戦 略 フ ォ ー ラ ム i n 千 葉

          2月24日(土)市民の誇りの醸成と観光集客★シンポジウム開催のお知らせ

          魅力発掘プロデュース~なにかに夢中になっている人を発掘し、観光ガイドにコンバート~

          魅力発掘プロデュースとは?   魅力発掘プロデュースとは、「地域に埋もれた資源を掘り起こして、その魅力を引き出し(観光商品化を経て)発信し、訪れる側にも、迎え入れる側にも、以前より少しでも幸せになってもらうための実践的行為」で、地域の観光振興を進めるにあたり、最も力を入れたい行いです。この章では、「発掘した地域資源」を「商品化」にする段階、つまり「プロデュース」面について、現在そのエリアに住んでいる「ひと」を地域資源とした考え方について記します。   地域資源としての「ひと

          魅力発掘プロデュース~なにかに夢中になっている人を発掘し、観光ガイドにコンバート~

          観光振興の価値を拡大するトライアングルハッピー(事例つき)

          トライアングルハッピー。 ちょっと聞きなれない言葉だと思うので、意味をご説明しますね。 トライアングルハッピー(以下TH)とは、江戸初期の陽明学者で近江聖人と言われた中江藤樹が唱えた「三方良し」の精神に似ていますが、多少違うところもあります。THは「三方良し」との違いを見ると、ご理解いただきやすいのでそのあたりから解説しましょう。   ■「三方良し」と「トライアングルハッピー」の違い 中江藤樹の「三方良し」は商売の心得です。「売り手良し」「買い手良し」そして「世間良し」の

          観光振興の価値を拡大するトライアングルハッピー(事例つき)

          魅力発掘プロデュースとは?TOKYOFMで仕事と著書を語りました。(一週間限定試聴)

          2021年6月に発行した『まちの魅力を引き出す編集力』ですが、在庫がそろそろ底がつきつつあることが編集者さんとの話の中でわかってきました! そこで、TOKYOFMさんの人気番組『TRAD』でコーナー出演させていただき、当方の行っている仕事「魅力発掘プロデュース」についてとそれらのノウハウをまとめた著書の説明をさせていただきました。 パーソナリティーは、前から一度お会いしたかったハマ・オカモトさん、そして中川絵美里さん。 ハマさんとは音楽のジャンルの違いとそれを象徴的に使

          魅力発掘プロデュースとは?TOKYOFMで仕事と著書を語りました。(一週間限定試聴)

          職場で、会議室で、デスクで~若者の主観と思考を引き出す!リクルート編集部上司の三変化(後編)~

          さて、後編です。 後編では、実際に私が前職において㈱リクルートの制作・編集職としてまだ20代の駆け出しの頃に遭遇した上司の態度をご紹介します。 いずれも私が後に自分がメンバーをもつことになった時に、その背骨になったものです。 前編はこちら 生成型AI時代の観光企画人材マネジメント~若者の主観と思考を引き出す!リクルート編集部上司の三変化(前編)~|桜井篤 (note.com) 1 職場にて)意味なくやってくる上司のIさん 求人週刊誌の広告を制作していた時は、営業が受注し

          職場で、会議室で、デスクで~若者の主観と思考を引き出す!リクルート編集部上司の三変化(後編)~

          生成型AI時代の観光企画人材マネジメント~若者の主観と思考を引き出す!リクルート編集部上司の三変化(前編)~

          観光振興の担い手の育成をするにあたって今最も大きくて根深い問題ってなんだと思いますか? それは、将来の観光の担い手である若い世代が顧客目線からはほど遠いアウトプットをしがちだと、私は思っています。 市役所の観光課の職場でも、コンサル会社との若手コンサルとのオンライン会議でも、大学1年生から4年生が受講する大教室でも。そのような若い方が急激に増えてきているな~と毎日感じています。なかには「自分の考えを「企画」に活かすことはいけないことだ」とさえ思っている若者もいます(本当です)

          生成型AI時代の観光企画人材マネジメント~若者の主観と思考を引き出す!リクルート編集部上司の三変化(前編)~

          「認める」「ほめる」「賞賛する」。人と組織を育てるアプローズマネジメント人材育成その1~

          アプローズとは英語のapplauseのことで、「拍手」を意味します。拍手や喝采などによって公に表現される賞賛や称賛の行為です。 アプローズマネジメントとは、私がこの言葉にマネジメントの意味を加えて作った造語で「拍手喝采で賞賛して皆で喜び合うことで、快感を刺激し、意欲を高め、提供価値を高める」ことです。  組織においては賞賛された対象事柄が、組織が目指すお手本であることを間接的に示しますので、事業理念の理解にも役にたちます。 個人にとっては、モチベーションがあがり、積極性も

          「認める」「ほめる」「賞賛する」。人と組織を育てるアプローズマネジメント人材育成その1~