【実験】潮解と風解の時間確認
~要点(abstract)~
生徒に潮解と風解の様子を実際に見せたいと考えた。しかしその現象が起こるまでの時間を確認したことがなかったので、実際に物質を用いて、現象が起こるまでの時間を計測した。結果、ヒトこまの授業(50分)内で現象が起こることが確認できた。
実験ができない!
さまざまな制約があり(現在の社会情勢よりも、環境と慣例と人間の関係)、なかなか生徒実験ができない中、
「教室で生徒の前で実験を見せる”演示実験”なら好きにしていい。」
ということで、今年はいろいろな演示実験を、思いつくままに試しているwizです。
無機化学アルカリ金属を説明する時間が近づく中、演示実験が何かないかと考えたとき、「NaOHの潮解とNa2CO3-10H2Oの風解を実際に見せよう」と考えました。
なお、潮解とは”空気中の水蒸気を吸収しドロドロになる現象”で、風解とは”物質が徐々にサラサラになる現象”です。
教科書ではよく扱う現象で、特にNaOHの潮解は頻出です。(中和滴定の時に、「NaOH水溶液はNaOHの固体の計量からでは濃度が正確に求められない。なぜか。」というようなところでも聞かれる内容でもあります。
しかし、よく考えてみると、
水酸化ナトリウムって、ほとんどの実験の場合、既に作られている水溶液を使うことがほとんどで、水酸化ナトリウムの固体を見ることすらほとんどないのでは?って思ったのです。
…百聞は一見に如かず!(今年のキーワードです(^-^
じゃあ生徒に見せてみようと思ったわけです。
早速検証実験。
実験は簡単!
まずはシャーレにNaOHとNa2CO3-10H2Oを置きます。
あとは・・・放置!以上(^-^
置いた直後。
3分後・・・
右のNaOHの表面がてかてかしてきました。
10分後
NaOHがだいぶぬるぬるっぽく見えてきました。この時点で「NaOHは潮解するとこうなる」というのが説明できそうです。
NaOHの潮解を見せるには10分でOK!
さらに30分後。
そして40分後(授業終了10分前:45分授業なら5分前)
NaOHは十分潮解してます。一方Na2CO3-10H2Oは…微妙(^-^;
これ、置いた直後。こうやって比較するとようやく、表面がやや白っぽく、粉っぽくなっているのがわかり…ますかね。
そして最終的に3時間まってみました。
NaOHはもはや”液滴”です(^-^ Na2CO3-10H2Oはかなり粉っぽくなってきました。
ということで、いずれも授業ヒトこまの中で見せられることが判明しました。あとはアルカリ金属の授業を行う時を待つのみ。
こうやってまた、ひとつひとつネタを増やしていきますm(_ _)m