【カナダでPhD】海外博士留学に挑戦した理由
海外博士留学を選択した理由
私は二年半日本の某化学メーカーで働いていましたが、
その頃の研究開発は、製品化を目的とした研究が主であり、
基礎研究がおろそかになりがちでした。
その時点で私はアカデミックでの研究に戻りたいと思うようになりました。
また、会社で働いていた頃に感じたのは、日本の経済情勢に対して、
海外のインフレに対して、給与面で追いついていないという現状でした。
実際カナダではどんどん最低賃金が上がっており、
2020年に訪れた際にはせいぜい12カナダドルだった最低賃金が
今となっては16.75カナダドルとなっています
やはり海外での博士を選んだ一番の理由は金銭的な話になります
一般的に、日本の博士課程学生には、学費や生活費を補助する
奨学金制度がありますが、その額は比較的少額であるため
生活費には十分な補助が得られない場合もあります。
学振のような大きな金銭サポートもありますが、枠は少なく
非常に獲得するのは難しいと思います。
さらに日本の研究時間は非常に長く、12時間越えは当たり前なので
副業、アルバイトなどもすることが難しいです。
一方、カナダの大学院に在籍している博士課程学生の学費は基本免除
さらにTA(Teaching Assistant)、RA(Research Assistant)として
大学院卒の初任給くらいの手取りは毎月もらえます。
さらに奨学金も充実しているので、そこからプラスになることもあり
研究時間もフレキシブルなので副業、アルバイトももちろん可能です。
このような理由から、自分自身のスキルアップやキャリアアップのために、海外での博士課程進学を考えるようになりました。
国と大学選択
私が博士課程を進めるために選んだのは、カナダのバンクーバーにある
UBC(The University of British Columbia)です。
UBCは、研究に強い大学として知られ、世界的にも高い評価を得ています。また、カナダは他国と比べても比較的治安が良く
自然に恵まれた国として知られています。
また、私自身大学院生活中に短期間ではあるものの、語学留学や
研究留学のためにバンクーバーを訪れた経験がありました。
そのため、研究だけでなく、生活面でもストレスなく過ごせると思い
カナダに進学することを決めました。
海外の研究で得られるもの
海外での研究では、日本とは異なる文化や考え方などに
触れることができるというメリットがあります。
私は、乏しい英語力ながらTA(Teaching Assistant)や
学部生のチュータリングを行っています。
このことはまた後日詳しく記事にしますが、やはり学校の仕組みが
日本とは全く違うなということを強く感じています。
また、海外での研究には、英語力を向上させるというメリットもあります。
当然入学には最低限の英語能力を証明することが必要なのでIELTSやTOEFLで
点数を確保することが必要ですが、先述の通りTAやチュータリングをしたり
研究生活で教授とのディスカッション、ラボメートとの会話、研究報告など
日本の研究生活におけるすべての会話が英語に置き換わります。
もちろん会話を最小限で博士課程を終えることも可能と思いますが
いろいろなコミュニティに参加してコミュニケーションをとることで、
より英語力を向上させることができると考えています
私は別にペラペラというわけではありませんが、
やはりこちらで生活を重ねていくうちに英語への抵抗感は薄れていきました
さらに、海外での博士課程進学は、将来のキャリアにおいても非常に有意義だと考えています。
日本の博士課程の価値はまだまだ低いのが現状ですが、海外で博士課程を
取得することは非常に価値のあることです。
海外での博士卒の給料は日本に比べれば青天井です。
海外の博士を修了すれば、日本に戻る選択はもちろん、海外でのキャリアや
アカデミックに残る選択もできます。
研究にこだわらず、英語を使った仕事にも従事できます。
個人的に企業で働いていた時に感じたのは、研究について知識のある通訳
というのはまだまだ少なく、これから重要になってくると考えています。
要するに、いくらでも選択が可能ということです。
また、博士課程進学は、専門分野において深い知識とスキルを身につけることができます。私が進学した分野は、有機化学です。
研究を進めるうえで、日本よりディスカッションが盛んにされる印象です。
知識やスキルを身に着ける上でとても良い環境だと感じています。
面白いのは、毎週火曜日の決まった時間に
いろんな国の化学系の先生が来て講演会を開くことです
もちろん参加は無料ですし、なぜかドーナツやコーヒーが配られます
それ目当てに来る人も結構います(笑)
教授たちとの出会いの場や新しい化学を知るきっかけになります。
以上、私が社会人から海外博士課程に進学した経緯について、詳しくお話ししてきました。海外博士課程進学は、決して簡単な選択肢ではありませんが、私が経験したように、多くのメリットを享受することができます。将来的にグローバルなキャリアを目指す方はぜひ参考にしてみてください。