内定率をグッと高める理系の企業研究方法を徹底解説!
こんにちは、企業研究職のくりぷとバイオ(@cryptobiotech)です。
今回は『企業研究』に関する記事になります。
当記事は、
「研究職・研究開発職への内定率をグッと上げたい!」
「ライバルと差をつける企業研究をしたい!」
という理系就活生向けに執筆しました。
当記事で解説するやり方で、私が当時「企業研究」したところ、複数企業の面接で『こんなにも調べてきてくれて驚いた!』とお言葉をいただくことができました。
最後まで読んでいただければ『この就活生は良いね!』と思ってもらえる企業研究ができますよ。
ぜひ最後までご覧ください。
■ 企業研究を行う3つの目的
まず企業研究のやり方をお伝えする前に『なぜ企業研究をする必要があるのか?』についてご説明します。
個人的に考える企業研究の目的は以下の通りです。
1.「なんとなく受けてみようかな」と思う企業群をはじくため
2. 入社後のミスマッチ率を減らすため
3. ESや面接で「御社に入りたい!」という熱意を伝えるため
それぞれ簡潔に解説しますね。
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1. 「なんとなく受けてみようかな」と思う企業群をはじくため
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就活生の中には『とりあえず評判が良い企業を片っ端から受けよう!』と50社も100社もエントリーする人がいますが、正直、時間の無駄ですね…。
もしかしたら『下手な鉄砲、数打ちゃ当たる戦法』が有効と考えている就活生もいるかもしれません。
確かにそれでどこかの企業から内定がもらえる可能性は否定しません。
が、『適当に打ったら入れてしまう企業』がどんな企業なのかはしっかり考えた方が良いですよ。
就活を経験した身として、少なくとも『優良企業に入るための壁』は鉄砲なんかじゃ突破できないし、ロケットランチャーくらいの破壊力がないとビクともしない。
鉄砲と比べるとロケットランチャーはそんなに無駄打ちできないので、打つべき企業を見定めるためにも企業研究は非常に大事です。
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2. 入社後のミスマッチ率を減らすため
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「研究職なら○○か△△の研究をしているだろうな、開発職なら▼▼とか□□とかの仕事かな。」
こういった『入社後のイメージ』を固めることができれば、入社後に『こんなはずではなかった…』というミスマッチ率を軽減できます。
ミスマッチはあなたも企業も不幸になりますし、あなたの将来のキャリアプランを台無しにしかねない。
ピッタリの企業を見つけるためにも、企業研究で情報をかき集めるのが吉です。
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3. ESや面接で「御社に入りたい!」という熱意を伝えるため
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個人的な価値観で恐縮ですが『熱意には根拠が必要』だと思っています。
例えば、
「入社したら死ぬ気で頑張ります!」とか、
「就活生の誰よりも御社に入りたいと思っています!」とか。
こういう言葉は誰でも言えてしまいますよね。
でも個々人の経験に依存して、その言葉の信ぴょう性は大きく変化します。
企業研究を徹底的にして、面接で『それだけウチを調べてくるのはすごい』と驚かせて、初めて『本気で入りたいから徹底的に調べてきました』という“熱意”が伝わります。
根拠のない熱意は、突然家に訪問してきて『あなたにピッタリの商品をお持ちしました』という押し売りのようなもの。
なぜ自分にピッタリなのかを説明する根拠が欠落しています(本当に良い商品だったとしても怪しくて買わない)。
そのように思われないためにも企業研究はとっても大事。
企業研究は『業績』とは異なり、誰でも時間をかければ平等に情報を積み上げることが可能です。
それゆえ時間があるうちにしっかりと企業を調査して、ライバルと差をつけましょう!
■ 内定率をグッと高める企業研究のやり方
それでは『企業研究のやり方』に関してお伝えしますね。
企業研究には7つの段階があるので、ぜひ参考にしてください!
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1. まず自己分析が最優先
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自己分析のやり方は 前回の記事 を参照していただければと思いますが、企業研究は最低でも以下のような問いに回答できる&その回答で他者を説得できるようになってからです。
■ 自分は将来何をしたいのか?そう思うのはなぜか?
■ 自分が現時点でできること(≒強み)は何か?その根拠は?
■ 自分が現時点で苦手とすること(≒弱み)は何か?その根拠は?
■ 自分が研究を頑張るモチベーションは何か?なぜそう思うのか?
■ 自分が研究開発に携わりたい理由は?
■ なぜ研究で○○領域をやりたいと思うのか?他の領域ではなぜダメなのか?
なぜ企業研究が自己分析の後かというと、自分を理解せずに企業研究しても『どの企業にも惹かれてしまって絞り込めないから』です。
自分の軸が定義できていないまま企業情報に触れるのは危険。
一方、自己分析をしっかりしておくと『この企業は確かに素晴らしいけど自分とは合わないな』など冷静に判断できるようになります。
それゆえ、まずは自己分析をして自分自身を徹底的に知ることをおすすめします。
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2. 各種就活サイトに登録して「自分に合いそうな企業」をリストアップ
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リクナビやマイナビ、最近だとLabBaseも登録しておくのが吉。
そして皆さん、忘れてはいけないのがこの連載記事を公開してくださっている「化学系学生のための就活」!
化学に関わる就活生は絶対登録すべきですし、登録して得することはあっても損することはないですよ。
各サイトに登録完了したら『自分の興味と合致するキーワード』を入力して検索していきます。
例えば私は化学生物学を専攻していたので『医薬品、化粧品、食品、化学』などのキーワードで幅広く企業を調査していました。
あなたが重要だと考える企業選びの軸(給料、やりがい、海外経験、研究力など)に基づき、検索で出てきた企業を選別していきます。
ちなみに私はまず『興味を持った企業を100社挙げる→同業界ごとに分ける→各業界で“自分の軸”に基づきTOP5ずつ残す』というやり方を取っていました。
なお『この企業は候補に入れるか悩む』という場合ははじいてOK。
というのも、そういった企業をはじいても魅力的な企業はたくさん見つかるからです。
この時点でエントリーする企業を20社、多くても30社に絞りましょう!
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3. 候補企業の採用ホームページを隅から隅まで読む
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一例ですが以下のような情報を集めていきます。
■ どんな人財を求めているか?(企業理念などを参考に)
■ 若手が挑戦できる環境(海外留学など)
■ どんな研究開発を行っているか?
■ 給料はどうか?
■ 勤務地はどうか?
■ キャリアは多様な道が用意されているか?
上記情報の一部は『四季報』から得ることも可能なので、まだ買っていない方はぜひ手に入れてください。
なお『採用ホームページを“徹底的に”読み込む』と言われると、『どれだけ時間かかるんだ…』と不安になるかもしれません。
が、実際にやってみた経験からすると『半日/1社あれば十分』ですね。
ちなみに採用ホームページを読んでいくうちに『良いと思っていたのにそうでもないかも』と思う企業が複数出てきます。
その場合は一旦その企業を調べるのをやめて次の企業に行きましょう。
候補から除外するかは置いておいて、調べる優先順位を下げるという意味ですね。
いくつもの採用ホームページを見ていくと20~30社の中でもランク付けができるようになるので、下の方に位置する企業は除くのも一つの手。
『理系の就活は研究と両立する必要があって時間がない』ので、思い切った決断を下すことは重要ですね。
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4. 候補企業の過去3~5年分のプレスリリースを見る
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プレスリリースとは『経営や新製品・サービスなどの情報』、すなわちその会社にとって“重要度が高い情報”です。
ここには最先端の研究成果も、M&Aや新事業などの情報もたくさん。
プレスリリース情報を精査すればその企業の情勢は大まかに把握可能ですので、3~5年分は読みましょう。
それくらい読むと、例えば『この企業は今後何に力を入れていくのだろうか?』などがわかるようになります。
なお、ここで意識すると良いのは『あなたが興味を持っている分野のプレスリリースがどれくらい出ているか?』です。
例えばあなたが『再生医療』に興味があって再生医療に関連する企業を調べていたとしましょう。
しかし企業のプレスリリース3~5年分に再生医療の話題がほとんどなかったら、もしかしたらその企業では『花形』ではないかもしれません。
もしくは事業を立ち上げたばかりでまだ情報が出てこないかですね。
このように『自分の興味』と『企業の興味』が一致しているかを確かめるためにプレスリリースは有用。
自分がその企業と本当にマッチしているかをここで推し量りましょう。
この段階で元々候補に挙げた企業数を半分~2/3に減らすことができればGOOD。
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5. 候補企業の過去3~5年分の特許を見る
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しかし『理系の企業研究』はここからが本番で、これまで調べた情報は「文理系関係なく」誰でも調べる情報です。
あなたが差をつけるべきは『優秀な就活生』であって、優秀な就活生と比べると情報量ではまだまだ横一線。
差をつけるために企業の特許情報も3~5年分調べましょう。
特許情報を制する者は理系就活を制す、ですね。
なお特許を調べる際には特許庁が提供してくれている『特許情報プラットフォーム J-PlatPat』を活用するのがおすすめ。
こちらのサイトで企業名を検索すると、その企業特許が網羅的に取得できます。
そして特許の調べ方(読み方)は以下の2つを試すと良いでしょう。
①3~5年の間に出た特許の技術分野を理解する(ジャンル問わず全て。タイトルと要約だけ軽く読む)
②自分の専門に関わる特許は背景や結果まで読む
特許はその企業戦略が如実に表れるので、『その企業で実施する仕事』もイメージしやすくなりますよ(研究開発系志望は特に)。
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6. その企業の過去3~5年分の論文や学会発表情報を見る
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過去3~5年分の論文・学会発表情報を調べましょう!
■ どういった分野の論文が出ているのか?
■ どういったジャーナル誌に論文投稿しているのか?
■ どんな学会に研究内容を発表しているのか
こういう情報を調べると「この企業はどんな研究領域に精通する人が多いのか?」とか、「どんな共同研究先があるのだろう?」といったことがわかります。
特に修士卒で研究職を狙うならこういった論文情報は非常に大事で、企業の論文投稿数が多ければ多いほど『社会人でPh.D取得できる可能性』があります。
それゆえ『修士で就職したいけどPh.Dも欲しい』と思っている人は、論文や学会情報をしっかりと調査しましょう!
入社後のキャリアプランを描く上で、非常に大事な情報になると思います。
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7. 企業のアニュアルレポート(統合報告書)を読む
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アニュアルレポートとは『投資家や株主向けに毎年発行している“企業の経営情報”』をまとめたものです。
その企業の経営情報がかなり詳細に載っているので、志望企業の業績が上がっているのか下がっているのか判断するのに役立ちます。
また、このレポートでは『志望企業のどの事業が伸びていて、どの事業が苦しいのか?』もわかります。
つまり、あなたがその企業で取り組みたいと思っている研究領域が事業として上手くいっているのかを判断可能。
仮に興味がある事業が苦しい場合『企業としては優良だけど違う企業にした方が良いな…』という判断も下せるようになるでしょう。
ここまでやれば、あなたの企業研究っぷりは相当なものです…!
ただあくまで、あなたが手に入れた情報はネット上で手に入る情報であり『生の情報ではない』ことに注意。
企業研究が完了した後は“生の情報”を手に入れるためにOB/OG訪問を絶対にした方が良いですね。
本当ならここでOB/OG訪問についても解説したいところですが、文字数の関係もありますので、それは次回以降ということで…!
■ 企業を調べる時間として20~30時間/社は確保しよう!
“理系の”企業研究に関して解説しました。
とはいえ当内容を読んで、『やり方はわかったけど実際にどれくらいの時間を用意すれば?』と疑問を持つ方もいるかと思います!
参考程度ではありますが、経験談として20~30時間/社は確保した方がいいと考えます。
内訳としては以下のようなイメージ。
■ 採用ホームページ:半日(4~5時間)
■ プレスリリース5年分:半日(4~5時間)
■ 特許5年分:1日(10時間)
■ 論文や学会発表情報5年分:半日(4~5時間)
■ アニュアルレポ―ト:半日(4~5時間)
これらの時間はあなたのライバルと差をつけるために必要な時間で、本命度が高ければ高いほどさらに時間を費やしてOK。
企業研究は才能や実績などに関係なく、やればやるほど就活で有利になれます。
なお、間違ってもネット上に転がっている『たった1時間でできる企業研究のやり方!内定率100%!』みたいな情報には踊らされないでください。
1時間で企業研究が終わるはずありません。
一体どうやって『1時間調べた情報量』で『20~30時間調べた情報量』に太刀打ちしようというのか…。
そのような情報を信じて企業研究に妥協してしまうと、最終的に損をするのはあなた自身なので気をつけましょうね。
というわけで今回も長文になりましたが以上です。
今回もご一読ありがとうございました….!