被写体としての『空』
見上げれば繋がる
私は良く空や雲(の入った景色)を撮ります。
その瞬間瞬間で同じ景色が二度とない。
よくそう言われたりもしますが、それはあくまで理由の一つです。
自分の住んでいる地域は空の見える範囲が狭いです。
決して田舎でもなく、かといって高層マンションだらけでもないのですが
家や商店が多く開けた土地がありません。
山も大きな川も自然公園もありません。
そのためネットや広告で見るような
【壮大で雄大な自然の営み】
はなかなか撮れる機会がないです。
それは空も同じ。
見上げても建物や電柱、その他いろいろが映り込みます。
とても綺麗で、ほとんど自然しか映っていないような空の写真を
羨ましく眺めることも少なからずあります。
そしてその気持ちは何も自然に限りません。
絶景スポット、知られざる秘教、写真映えエリア…。
自分が簡単には行けない場所の写真には同じ感情を抱くこともあります。
それでも。
空の写真は誰にでも撮れるんです。
それこそカメラを初めて買った全くの素人にでも。
ファインダーを覗き(モニターでも可)顔を上げれば、空はどこまでも広がっ
ています。
写る空の範囲は違えど、境界も隔たりもなく世界中どこまでも。
凄腕カメラマン、有名カメラマン、アマチュアフォトグラファー。
プロも素人も関係なく、同じフィールドに立って撮ることの出来る被写体。
それが空であり雲だと思っています。
海も同じような一面はありますが、内陸部だったりそもそも海のない場所だとそこまで身近ではないと考えています。
人種も性別も立場さえも越えて、誰もが撮れる唯一の被写体。
空、ソラ、SORA。
自分の、自分だけの目が切り取るその空はきっとあなたにしか撮れないもの。
友達、親戚、家族、恋人、SNSで繋がっている人、憧れのカメラマン。
「あの人はいいよなぁ」「それに比べて自分の環境は…」
羨んだりしなくても大丈夫。
空は、あなたが羨ましがるあの人の元にも繋がっているから。
そしてあなたが見ている空もきっと他の誰かが憧れている。
だってその場所、その瞬間の空はあなたが切り取ったのだから。
『 数えきれない 夜空の星でも きっと誰かが 夢見てる 』
空の話とはちょっと違うかもしれませんが、昔々の少年向け特撮の歌の歌詞の一部です。
あなたが「大した事ないな」と思ったその景色も、他の誰かが夢にまで見た風景・構図・雰囲気の写真になるかもしれない。
真っすぐ前を見て生きろ、とはよく言いますが
たまには空を見上げてシャッターを押してみませんか?
読んで下さりありがとうございます。