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小物とリペアとメンテナンス。

またしても大分ご無沙汰してしまいました。
大晦日の晩、いかがお過ごしでしょうか。
私は追われ追い抜かれ追い掛け回した時間に強制的に仕事を収めされられた感じです。
12月は忙しさが熾烈を極めていたのでnoteを書く余裕どころか、SNS類も一切見てすらいない状態です(白目)
そんな最中、無事に終えれた仕事をザッと写真で綴ります。

先ずはオーダー3品から。

コンパクト名刺入れ


外装
内装
ディテール

シンプルにコンパクトです。
内装ポケットのパーツが稼働するので30枚は入れられて、入れた枚数によって厚みも変わる造りになっています。

スタッズキーホルダー


全体図
ディテール
小端

ピット槽鞣しのブライドルレザーを使用して製作しました。
スタッズ、ナスカン、Dカン等、金具類は全て燻したり緑青を生やしたりと自分で加工したモノを使用しています。
ベルトループ等に提げて使うタイプのキーホルダーです。

コードバンウォッチバンド


表地は素上げ未処理のコードバン、裏地は本白鞣しの鹿革を使用して製作しました。
糸は左撚りをまとめて右撚りにした手撚りの麻糸です。
未処理のコードバンは艶がなく、オイルとワックスで仕上げる事で曲げたら濃淡の変わるプルアップ仕様になっております。
本白鞣しは1000年以上昔から今も変わらない製法で作られている鹿革です。
ヌメと本ヌメ、藍染めと本藍染め、のように白鞣しと本白鞣しは違います。
紛らわしいので要注意です。

後はリペア&メンテナンス祭りを。

ビンテージレザージャケットその1

本当に凄い状態です。
触るだけで銀面がポロポロ崩れ落ちる状態でした。
それをあの手この手でリペアしました。
リペアヶ所は何十ヶ所に及んだか、もはや分かりません(笑)

ビンテージレザージャケットその2

こちらもかなり重症です。
型入れの重要さが浮き彫りになったダメージ具合ですが、そもそも70年経っていて残っているだけマシなのかもしれません。
こちらも触るだけで銀面が粉になるレベルでした。
吟面を剥がせるだけ剥がして一気に補修する方法で直しました。

ビンテージレザージャケットその3

こちらのカーコートも同様、もはや意をなさない吟面を剥がせるだけ剥がして補修しております。
そしてムートンの衿の補修は大変でした。

ビンテージレザージャケットその4

こちらはヌバックと見せ掛けて柔らかく極キメの細かいスウェードです。
見ての通り袖が破裂したようになっていますが、オマケに少し引っ張ると簡単に裂けたり千切れたりする状態です。
その状態の革に裏を当てながら繫ぎ合わせて圧着する作業は、さながら手術のような緊張感と繊細さでした。
既に千切れたりと、足りない革は別のスウェードで足しております。
衿だけは銀面側なので上から貼り合わせで補修しました。

ビンテージレザージャケットその5

こちらも袖と肩が破裂状態です。
衿は穴が開く寸前のボロボロっぷりです。
補修方法は先程のジャケットと同様です。

ビンテージレザージャケットその6

最後はフライトジャケットのベスト化です。
袖を外してベストにするので関係はありませんが、こちらも袖が見事にバーストしてます(笑)
革が化粧仕上げな上に硬化しているという、これも作業、メンテナンス共に難儀な状態でした。
なのでよく見ると分かりますが、ちょっと以外な方法でベストにしています。
最後に3着共、衿の形と色を整えて終了です。

以上、今年最後の更新となります。
とにかく時間が足りなさ過ぎた一年でした。
それだけ充実もしていたかもしれませんが、お待たせしている皆様にはご迷惑お掛けして申し訳御座いません。
では来年も更なる高みを目指して日々精進、邁進して参りますので、何卒どうぞ宜しくお願い申し上げます。
年明けは4日から工房は開けますが、作業は6日から始める予定です。

皆様もどうぞ良いお年を。
それではまた会う日まで。

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北崎厚志

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