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瓢箪型漆革莨盆

皆様こんにちは、珍しく短期間での投稿です。
今日は朝からお茶会だったので既にヘロヘロです。
そんなヘロヘロの最中なんと7ヶ月という過去最長の制作期間を費やした作品が完成しましたので写真で綴ります。

型紙を作り。
床革と芯材を張り合わせて裁断し。
外周を張り合わせて面取りし。
漆を塗って乾かします。
ペーパーで磨いて。
また塗って。
またペーパー掛け。
塗っては乾かしてペーパー掛け。
ある程度回数を重ねたら面を取り。
またひたすら塗っては乾かし磨いて。
塗っては乾かし磨いて、、、
塗っては、乾かし、、磨いて、、、
塗っ、ては、、乾か、、し、、、磨、、、いて、、、
この辺で止めときます。
真鍮釘を燻し。
丸牛レースを磨いて。

本体に取り付けて完成です。

瓢箪型漆革莨盆

写真は以上となります。
これは莨盆と言いまして、お茶席で使う茶道具になります。

実は途中2個失敗し3個目の正直で完成させました。
かなり手痛い目に合いました。
毎回やり方を改良しました、まだ改良の余地はありますが。
革に漆を塗り始めて11年、やっと革に漆を塗るという事が理解出来て来た気がします。

そして漆はある程度の気温と湿度がないとかなり乾きにくくなるので、簡易的なムロでしか乾かせない環境だと冬場は特に作業効率が下がります。
早く乾かせば良いというモノでもないのですが。
調子が良くて丸1日、調子が悪いと4〜5日経っても乾かないなんて事もありました。
つまり待ち時間も長いのです。

そうして漆が乾けば表面が固まります。
それをペーパーで磨きます、これがまた2時間くらい掛かります。
それを繰り返す事数十回、途中から数えきれなくなりました。
これもゴールがハッキリしていればもっと少ない回数で済むはずです。

表面の光沢ですが、使用した漆は艶消しですが仕上げの磨きによって光沢が出ました。

そんなこんながありまして実験、研究、失敗の連続で7ヶ月も掛かりました。
が、実質の制作期間は4ヶ月くらい、そのうちの殆どは漆の待ち時間でした。

瓢箪型というのもかなり悩ませられました。
箱型だと四隅が柱となって外から多少力が加わってもしっかり安定するんですが、瓢箪型だとその安定感が弱いので制作中に加わる力にも弱いんです。
まして手縫いのない作りだと、それが余計に仇をします。

さらに完成してからも悩ませてくれました。
撮った写真の本体を綺麗に見せようとすれば持ち手がわざとらしい色になり、持ち手も自然に見せようとすれば本体が真っ黒に見えてしまうという。
なので完成図の写真は本物とは結構違う部分があります(泣)

しかし自分の可能性を拡げられる良い経験をさせて頂きました。
一見革には見えないが革にしか出来ないモノ、を目指して制作しました。

今回も良いオーダーを有難う御座います🙇🙏🙇
では次のオーダーの制作に取り掛かりたいと思います。
それでは皆様また会う日まで。

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北崎厚志

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