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「なんでわかってくれないの?」はこれでなくなる!「学習する組織」要約まとめ

目次
学習する組織とは
学習する組織に必要な3つの力と習得方法


| 学習する組織とは

 組織とは、めまぐるしい程に短期間で姿かたちを変えていくものです。人や数、制度、社風、経営者など様々な要素でそのかたちを作り上げています。この「変化」は組織においてなくてはならないものであり、避けることができない事象です。この変化をプラスへ、プラスへと持っていくことができる組織がすなわち学習する組織です。今回は「学習する組織」= 「変化において健全な変化を遂げることができる組織」と定義させていただきます。
 前提として、「人は変えられることに抵抗する」生き物です。自身が参加したMTGで自らも同意の上決議された事案であればすっと受け入れることができたにも関わらず、「俺らで決めといたからこれやっといて」と言われると、決議の内容は同じだったとして何かひっかかる、という経験はあるでしょう。組織改革は強い力で推し進めようとしてもうまくいきません。自ら変わっていこうとする姿勢を持ってもらうことが組織として必要なのです。

| 学習する組織に必要な3つの力とキーワード

 学習する組織では、個人、チーム、集団レベルで学習能力を常に高めようとします。その中でも学習する組織に備わっている、中核となる学習能力の3本柱とその力をご紹介しましょう。

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(引用:学習する組織)

1 「複雑性を理解する力」 と 「システム思考」
 複雑性を理解する力を得るにはシステム思考を身につけることが重要となってきます。システム思考とはどのようにして過去から現在まで至ったか解決に向けてどうすれば目的地にたどり着けるのかについて考え、共有する力です。
 少しこれではわかりにくいと思うので、論理的思考(ロジカルシンキング)と比較をしてみましょう。ロジカルシンキングとは、ある課題に対して解決策を提示する思考法です。例えば風邪をひいたとき、ロジカルシンキングでは「薬をのむ」という解決策を探しだす思考に対し、システム思考だと
「ひかないようにするにはどうしたらいいのか?そもそもどうして今回風邪をひいたのか?」となり、その解決方法は髪を乾かして寝なかったことなのか、免疫を高めるための生活習慣改善なのか、で結論が変わってくる思考法です。事象に対し、スナップショットで切り取るのではなく、事象に関係する事柄(システム)を鑑みながら考えていく思考法となります。「木を見る」のがロジカルシンキングならばシステム思考は「森を見る」イメージです。「構造的な課題にはさまざまな側面があり、それぞれの立場で起こっていることの相互作用を見ることが大切である」という考え方がシステム思考となります。

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2 共創的な対話を展開する力 と メンタル・モデル
 「対話」というのは、相手の立場になって共感的に聞きながら探求を深め、自分自身の思考について内省的に話すコミュニケーションの取り方です。共創的な対話とは未来に向けて建設的な話し合いと聞き方を展開することと言えます。簡単なようでこの力を手に入れることは非常に難しいように思います。なぜ難しいのか?知らないうちに学習を阻害している「メンタル・モデル」に気づいていないからなのです。このメンタル・モデルを対処する能力を高めることでおのずと共創的な対話を展開できるようになってきます。
 メンタル・モデルとはいわゆる先入観、固定概念に係るものと言えます。私たちは目の前の無数の事実から一部の事実を選んで認識し、前提をつくり結論を導いているのです。
 たとえば、ある人や状況について「この人はこういう人だ」と一度思ったとき、事実の意味を探ることなく勝手な解釈を行っていませんか?血液型診断なども似た例です。
 仕事やプライベートで意見の食い違いや言い争いになったとき、実は過去の学習による知識を見直す必要があるよ、というシグナルなのです。そのシグナルを無視し、新しい学習を拒んでしまう人は自分の見方を他人に「分からせよう」とします。異なる意見や結論があったとき、「それは間違っている」と考えてします人のことです。これは共創的な対話を展開する力の対局にあたる行為です。
 思いあたる節がある方は、相手に真摯に問いかける私はという主語をつかう自分の無知さ脆さについて語ることで共創的な対話を展開できる第一歩となります。
 まずは自分の持っている前提や世界感を脇に置きましょう。捨てるのではなく一旦おいて、まっさらな気持ちで相手の話を受け止められるようになることで少しずる身についていくでしょう。


3 志を育成する力 と 自己マスタリー

 自己マスタリーとは、「継続的に個人のビジョンを明確にし、それを実現するためにエネルギーを集中させ、忍耐力をつけ、現実を客観的に見ること」です。志を強く持っている人とそうでない人とでは積んでいるエンジンが大きく異なります。そのため、学習する組織では一人ひとりが仕事、職場、キャリア、あるいは人生についてビジョンを明確にもつことを促します。人生において自分が本当に求めていることがあれば、結果を生み出すために、自分の能力と意識を絶えず伸ばし続けようとします。人は自らが学びたいことこそ、自発的に、かつ効果的に学ぶのです
 これを拡大しビジネスに落とし込んでいるのがミッション・ビジョンの浸透です。スタートアップやベンチャー企業において、採用の重要項目にミッション・ビジョンへの共感が入っている企業も多いでしょう。それもそのはずです。ミッション・ビジョンへ共感していれば会社の目標が自身の目標となります。となればもちろんチーム内での目標も同一のため、全員が「自分で決めた」目標に向かって、求めている結果を生み出すために学習を繰り替えします。
こうして、「私のビジョン」が「私たちのビジョン」に変わることで学習する組織はできあがるのです。

この3つの力を統合的に伸ばすことで学習する組織をつくりあげていくことができます。反対にこの力が備わっていない組織はプラスのサイクルを作ることができず、社員同士のトラブルやそれに付随する業績も含めうまくいかないことが多くなるでしょう。
 学習する組織は伝染させることができます。もし、今の環境が学習する組織でないのであればまずは自身を振り返り、学習する人となって学習する組織をつくっていってみてはどうでしょうか。

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