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映画「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々」(2005年)

大学図書館の所蔵DVDを次々観ていく一人プロジェクト、今年度最後は、これもずっと見たかった「白バラの祈り」にしました。

1943年、ナチ政権下のドイツのミュンヘンで、反ナチ活動をしたことで捕らえられ、たった5日間で死刑に処された「白バラ」グループの一人、21歳の女性ゾフィー・ショルに焦点を当てた映画です。実話にもとづくお話です。

ドイツ人による反ナチ抵抗運動の象徴として挙げられる「白バラ」運動は、ハンスとゾフィーのショル兄妹や、彼らの仲間数名が行っていました。

ナチ政権を糾弾するビラを大量に刷り、各地に撒いたり、手紙で投函したりといった言論による運動です。

ハンスとゾフィーの兄弟は当時ミュンヘン大学の学生で、手元に残っていたビラを大学構内に置き、多くの学生が手に取る計画を実行しました。

ところが、ゾフィーがホール吹き抜けからビラを撒き散らしたところを守衛に見つかり、兄妹ともその場で拘束されてしまいます。

ゾフィーは取り調べに対して、構内にあったビラをちょっといたずら心で撒いただけだと通しますが、兄が自分の責任を認める供述書にサインしたことを知らされ、あくまで自分と兄だけの活動であるという供述に転換します。

捜査の手は仲間にも及びますが、それを知らされても、最後まで自分たち兄弟だけで責任を負う覚悟を決めたゾフィーの毅然とした態度に、取調官も次第に圧倒されていったようです。

5日ほどの拘留と一方的な裁判を経て、ショル兄妹と仲間の一人は死刑判決を受けます。

死刑判決を受けても通常は99日の拘留期間が設けられるので、そのあいだにきっとドイツは戦争に敗北するという期待もむなしく、判決のあと、3人はすぐに処刑されます。

その後、仲間も捕らえられ、全員処刑されていったのでした。


という事実は、鑑賞前にも知っていましたが、この映画のゾフィー役の俳優さんの演技が良く、ぐいぃっとひきこまれました。

ずっと気丈にふるまっているゾフィーが両親のことを思うときの様子や、娘たちを思う両親の姿にはどわーっと涙😢


ただ、この映画は、ほとんどゾフィーだけに焦点が当てられているので、ゾフィーの慎重さを欠く行動がどれだけの人にどれだけの影響を与えたかということは触れられていません。仲間が処刑されたことのみです。

チェコでもナチ幹部暗殺犯は今や国家の英雄になっていますが、その行為へのみせしめに数千ともいわれる国民が処刑されたことを考えると、ドイツでもおそらく多くの人が罪に問われるなどしたのではないかと思います。

そうしたことはどのように伝えられているのか、ミュンヘンに行く機会があれば「白バラ」に関わる場所に詣でて、確認したいと思います。

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