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ウクライナ戦争のはじまり ~映画「世界が引き裂かれる時」(2022年)

2014年7月のマレーシア航空機撃墜事件を背景に、ロシア国境近くのウクライナ東部の村に住む夫婦の生活が壊されていく様子を描いた映画「世界が引き裂かれる時」を観てきました。

うううむ、、、なかなかキツイ… 最後まで見れるかなと、途中で一瞬不安になりました。


映画「世界が引き裂かれる時」 京都みなみ会館さんHPよりお借りしました

やや年齢のいった夫婦は、もうすぐ生まれてくる赤ちゃんを楽しみに準備を進めています。セリフから、おそらく妊娠7ヶ月くらい?

ところが、ある日、自宅がミサイルで(?)破壊されてしまいます。親露派の分離主義者たちが撃ったものが当たったようです。

リビングには大きな穴が空いてしまいます。穴というか、家の一辺がガバッと空いてしまいました。

親露派の部隊に協力してうまくやっているらしき近所の友人がやってきて、親露派に牛を提供してうまくやれ、家は必ず修理するからとなだめます。夫はどっちつかずな態度。

妻の身を案じた夫は、村から出て、予約済みの病院に妻を入院させようしますが、妻は、頑なに日常生活を続けようとします。大きなお腹で、家畜の世話をし、畑で作物を収穫し、保存食を作り、部屋の埃を払い、ガレキを片づけて。

キーウに出ていた妻の弟も、姉を避難させようとやってきますが、やはり説得できません。

そのとき、激しい爆音と震動が起こります。

上空を通過していた民間航空機が撃墜されたのです。

夫婦の敷地にも、航空機の機体の一部や、遺体が飛んできます。

そして、とうとう、村は閉鎖されてしまいます。

井戸の水は異臭を放ち、親露派の武装集団からの圧はますます強くなり…

それでも、脱出を考えない妻。

航空機の乗客だった娘の捜索にやってきたオランダ人夫婦を現地に案内したあと、身重の妻の張りつめていた気持ちが、とうとう爆発します。

唯一の希望はお腹の赤ちゃん。生まれたら、乳母車を修理してね…と夫にお腹をさすらせ、眠りにつきます。

ところが、予定より早く破水が始まり…

と、なんとも緊張の続く話です。

牛や鶏を世話して、広大な自然のなかで、赤ちゃんの誕生を心待ちにしていれば良かった夫婦が、どうしてこんな目に…

でも、この夫婦が巻き込まれていったような状況を、ウクライナの人々は実際に経験しているのですよね…


話全体は辛いものだったのですが、ウクライナ東部の村の生活の様子がていねいに描かれているところも見どころでした。

赤ちゃん誕生に向けて部屋を改装している様子、

農作業や工作のための道具を置いた小屋、

おいしそうなボルシチ(?)の瓶詰作業、

湯を沸かす手持ち式のヒーター、庭のたらいで行水。

妊婦である妻の描き方もリアルで、そのあたりはさすが女性監督と思いました。

キツイ映画でしたが、観られて良かったです。


今回の会場は、京都みなみ会館。こういう、ややマイナーな映画を上映してくれる、歴史ある、ありがたいミニシアターですが、残念ながら、9月末で閉館されることになりました(涙) 

ありがとう、みなみ会館。あと一回くらいは行けるかな…

京都みなみ会館


ウクライナの戦争を取り上げた映画の記録:


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