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チェコの軍事博物館に圧倒される① チェコ旅行2023夏(11)

チェコ旅行4日目の朝のコビリシ射撃場跡見学のあと、続けて、重苦しい系に行きました。

ジシュコフ地区にある軍事博物館です。国立の軍事史研究所のコレクションです。

広いホールには、チェコ軍事史における重要人物の立像や胸像が並んでいます。


建国の父 初代大統領マサリクの像

この博物館、ものすごい点数と凝った展示にもかかわらず、入場無料です! この日、たしか私たち2時間くらい見て回ったのに、現代のコーナーをまるまる見逃していたので、後日再訪しました。無料ってありがたい。

上の写真のように、ホールにはひと気が無くてシーンとしていますが、展示室に入ると、何組もの親子が来ていて、熱心に見学していました。

とにかくものすごい数の展示品があるので、紹介しきれません。というか、撮った写真を見返すのすら面倒くさいくらい。(^_^;)

ですので、体験コーナーなどだけをご紹介。

こんな風に、扉を開けると、触れるレプリカが入っていたり、ワークシートなどが入っていたりします。

この手のものって開けないと気が済まないたちなので、すべての扉を開けて回りました。

こちらのコーナーは、実戦用ではなく、装飾的なものがズラリ。一見して高価そうな素材のものや、見事な細工のものが並んでいました。

だいぶ時代が下ったコーナー。兵隊さんたちの制服がずらり。

わたしはミリオタではないので、こうした軍服や武器や合戦の様子などを見てもときめくことはないのですが、それでも、ここの展示は面白い、興味深い、と感じさせる工夫に満ちていました。

あ、軍服や武器にはときめきませんが、前日のチェコスロヴァキア軍団ミュージアムの塹壕の実物大模型には興奮しました。そして、軍事博物館にも、塹壕がありました。まさか続けて塹壕を歩くことになるとは。つくりものですが。

そういえば、ブログには記録できていませんが、ラトヴィアの軍事博物館も、わかりやすくて、工夫があって、退屈させない展示でした。

それまで軍事関係はまったく食指が動かなかったのですが、中・東欧の歴史を考えるとき、古くから現在まで、戦争や軍事を避けては語れません。

で、入ってみたら、軍事史を扱う博物館だからといって国威発揚とか戦意高揚とかヒーロー万歳ばかりではなく、被害を強調するばかりでもない構成や演出をしているなと感じました。

ラトヴィアやエストニア、リトアニアといった旧ソ連構成国だったバルト3国は、軍事博物館とは別に「占領博物館」やホロコースト関連の博物館があって、そちらでドイツ占領時やソ連に組み込まれていた頃の自国・自民族の被害や抵抗に焦点を当てているので、住み分けができているのでしょう。


さて、チェコの軍事博物館、さらに時代が下って、いよいよ第二次世界大戦になりますと、ちょっと雰囲気が変わってきます。より現実味が増して、より暗さや深刻さが増していきます。

ドイツによるチェコの占領期のコーナー。

しかしナチスのマークは毒々しいというか禍々しいというか、不穏さのかたまりというか。良く言えば威容を表現しているというのか…

そして、チェコにとっては大きな歴史的事件である、チェコを統治していたナチ高官ハイドリヒ暗殺事件のコーナー。広々としたスペースで、映像が流れて、ドラマティックな演出になっていました。

この暗殺事件は、ナチ高官を対象としたものとしては唯一の成功例ですし、計画から実行、実行犯らの最期までがドラマティックで映画的なので、注目されるのは理解できます。

しかし、報復として2つの村が全滅させられ、1万数千人ものチェコの人たちが捕らえられ、多くが処刑されました。ドイツが何倍もの報復をすることは予想できることだったので、この暗殺を全面的に肯定する気になりません。

壊滅させられたリディツェ村の跡は多くの人に知られていますが、報復で捕らえられた人たちが処刑されたことはあまり語られないのもアンバランスな気がします。

なのですが、

この事件を初めて知ったウエムスは、ちゃんと影響されて、このあとハイドリヒ暗殺事件関連場所をいくつも回ることになったのでした。(^^;

つづく。

チェコ旅行2023夏シリーズはこちらからまとめて見ていただけます。


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