アフガニスタンから西欧へ単身逃れた少年のその後 映画「マインド・ゲーム」(2022年)@難民映画祭
「難民をテーマとした映画を通じて、日本社会で共感と支援の輪を広げていくことを目的とした映画祭」、国連UNHCR協会の難民映画祭が、今年も開催されています。
コロナ禍の頃から、オンライン配信もされるようになり、何週間かの間に数本の映画をオンデマンドで鑑賞できるので、たいへんありがたいです。
今年は6本の長編映画が公開されます。オンライン配信は、11/6-30。そのうちの1本「シャドー・ゲーム」は、2021年に配信されたのを観ているので、5本を3週間と少しの間に見るべく、今年も全作見放題コースを申し込みました。
さて、今年の1本目は、上記「シャドー・ゲーム」の続編、「マインド・ゲーム」にしました。
前作は、何人かの若者たちの逃避行を追ったものでしたが、今作は、サジド君に焦点を当てています。
ヨーロッパに入ってからも、各国で酷い目に遭い続け、長い長い時間をかけて、とうとうベルギーに庇護申請したサジド君ですが、公的な書類の不備のため、未成年と認定されるまでに何か月もかかり、その間、無為な時間を過ごすことに神経がまいっていきます。
警察や現地住民に暴力的に押し戻されるなど苦労続きだった旅路以上に、ただ待ち続ける不安な日々の方が疲弊していっているように見えます。
旅で知り合った得がたい親友たちとも離ればなれにならざるを得なかったりと、辛い日々が続きます。
それでもサジド君は、支援してくれる「ベルギーの父」もいて、なんとかやっていけそうなところまでたどり着けました。
すでに4か国語を話すことができ、さらにもう一つ言語を身に着けようとしている、聡明で忍耐強く、心優しい青年。彼が将来を切りひらいていく可能性を持てたことは本当に良かった。
しかし、西欧にたどり着けずに拘留されたままの人、たどり着けても難民として認定されない人もいます。
生活の基盤が確保されていて、学業や仕事をできる者は、そのことにあぐらをかかず、社会に還元していかねばとあらためて思います。
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