Haus St.Antonの今と、これから
初めまして、片桐 健策です。
長野県北部、野沢温泉村にあるHotel Haus St.Anton(ホテル ハウスサンアントン)のシェフをしています。
ウインタースポーツの聖地と言われる野沢温泉村ですが、ここ数年では蒸溜所やミュージックバー、新たに宿泊施設ができたりと、冬場に留まらず街全体が活気づいてきています。
Haus St.Antonも僕も、野沢温泉村の皆様に育てていただいたよう様なものなので、恩返しをしていきたい。村おこしに貢献すべく、その記録と、合わせてこの地の魅力を皆さんに知っていただきたいと思いNoteを始めます。
簡単に、僕の略歴です。
・元アルペンスキー全日本優勝2回
・Haus St.Antonのシェフとして野沢温泉の源泉調理や、発酵食を発信
・現在は常務取締役として会社経営に携わる様に
こう整理してみると、たくさんツッコミどころがあるかとは思うのですが、
初回なので、まずHaus St.Antonの今とこれからやっていきたいことをお話する回にできればと思います。
1.Haus St.Antonの今
Haus St.Antonは長野県北部、野沢温泉村のメインストリート大湯通りに宿を構えています。
そもそも皆さん、野沢温泉には来たことありますか?
日本で唯一、名前に”温泉”がつく通り、古くから湯治場として栄えてきた村です。何と言っても目玉は国内屈指のスキー場で、ウインタースポーツがとても盛んです。皆さんご存知、”野沢菜”発祥の地でもあるのですが、こういった食から湯治、スポーツまで様々な文化や人の息づかいがたくさん詰まっているのが野沢温泉村です。(ちなみに、冬だけでなくグリーンシーズンも魅力も満載なのですが、その話はまたの機会に!)
そんな野沢温泉村で、Haus St.Antonは1951年に僕の曽祖父が創業しました。といっても、当初は”福田屋商店”という名前で呉服屋として開業し、祖父の代、両親の代でホテルやカフェ、食品加工事業に拡大した、という経緯です。
今みなさん、あれ、ホテルだけじゃないんだ?と思いましたよね。
そうなんです。笑
現在は、ホテル、カフェ、食品加工業、レンタルスキー...幅広く事業を展開しています。
どれも自慢の事業ではあるのですが、中でも一番の柱がホテル。今では貴重となった古材をふんだんに使用したことで生まれる、心地よい空間が自慢です。また、全室デザインが異なるお部屋には、僕たちのこだわりが詰まっています。お客さまからは、どこか懐かしみのある、「帰ってきた」と思えるよう様な温かみがあると好評いただいていて、僕自身、生まれ育ったこのHaus St.Antonがとても好きです。
僕自身はHaus St.Antonで14年間シェフをしていたのですが、22年に常務取締役も担うこととなりました。経営者の卵として、会社全体を俯瞰していくなかで、ホテルのことだけでなく、野沢温泉村の村おこしにも何かしら貢献したいと思うようになったのがいまこの頃です。
2.これからのHaus St.Anton
今、野沢温泉村は大きな転換期を迎えています。
今から約40年前の1985年頃は、世の中がスキーブーム真っ只中。ウィンタースポーツの聖地でもあった「野沢温泉スキー場」に来たお客様で野沢温泉村は人で賑い、活気に溢れていました。
ただ、ここ数年は高齢化や人口減少などにより、村全体の課題が増えてきました。
・祭り等の担い手の不足が進むことによる、文化消失の危機感。
・定住人口が減っているのに、不動産を外国人などに買われてしまい空き家不足で住む場所がない!
あ、ただ外国人に物件を買われる事自体が悪いことではありません。
一方で、そんな村を元気にしようと前述した新たなスポットができたり、インバウンドのお客様も増えてきたりと、日本人も在住外国人も協力しながら徐々に良い方向へ変わりつつあります。
こういった状況の中で、僕自身もこの大好きな野沢温泉を盛り上げたいし、ひいてはそれがHaus St.Antonのためにもなれば、と思っています。
と言っても、何をしていくのか?という話なのですが、やっぱり僕の武器は料理。いかんせん、美味しいものを作るのが大好きなわけで。
ということで、Haus St.Antonは”食”の分野から、野沢温泉をより盛り上げられるべく、これから画策していこうかと思います。
ゆくゆくは、野沢温泉村が美食都市「サン・セバスチャン」のように、世界が誇る美食の街になるといいな、と遥か先に大きな夢も抱いています。
伝えたいことはたくさんあるのですが、長すぎるのも嫌なので、今回はこのくらいに。
これからは、僕の経歴やHaus St.Antonの取り組みを、数回にわたってお話していければと思います。次回は、「野沢温泉村へ愛を叫ぶ!」です(笑)。お楽しみに!笑
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