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食道楽な年末年始
2024年12月28日。食道楽なS氏を隣街は主要駅のあるラ・ロシェル駅に迎えに行き、無事に彼と合流。車が止めてある駐車場まで歩いて10分もかからない。
彼は大きなスーツケースと、機内まで持ち込み可能な多きなリュックを背負っているので、僕は彼のスーツケースだけでもとと思い、荷物を受け取ろうとしたが、彼はそれを望まず、軽快に駐車場までの道のりを息子と一緒に歩いてくれた。
普段から睡眠時間は短いらしいが、フライト中は満足に眠りにつけることができなかった上に、シャルル・ド・ゴール空港到着後、預けた荷物がなかなか受け取ることができず、空港発のTGVの発着場所まで冷や汗をかきながら走らされたと苦笑い。
早速フランスでトラブルとまでではないが、ちょっとしたハプニングに見舞われてからのフランス滞在をスタートさせている。
それでも長旅の影響を感じさせない彼の足取りは、今回の僕との2週間に及ぶフランスでの食道楽な日々を、3ヶ月以上前から楽しみにしていてくれたのだと心なしか感じさせてくれた。
自宅に到着できたのは、お昼時の13時半ごろ。
僕は僕で昨日までは、日をまたいで遅くまで料理のサービスをしていたので、彼の到着当日のお昼ごはんなどを特別準備はしていなかった。
しかし気を利かせてくれた妻が、仕事を早く切り上げて、お昼ごはんに手軽に食べることができるチーズやシャルキュトリー、そして近所で評判のパン屋さんでバケットを数本購入してきてくれていた。
僕は簡単で短時間でできる、バターの風味を利かせてチーズもたっぷり入れたオムレツを準備。それと一緒に気軽に楽しめるビールに、最近見つけて普段のみとしても楽しめるボルドーの赤ワインもお昼ごはんのお供に登場させた。
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彼の到着当日のお昼ごはんは、いかにもフランスらしく気軽に楽しめる食事からのスタートをさせることができたと思う。
食事を終えて一段落した後、僕は食道楽な彼が日本から持参してくれたお土産を受け取ることに。
彼はスーツケースを広げると、1本1本丁寧に梱包されたボトルを次々と取り出す。梱包されたボトルの中身は様々なタイプの日本酒がいくつもあり、中にはワイン酵母で造られた日本酒まで。
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おまけにご飯のお供に最適で、日本の味が恋しくなっている我が家にちょうどよい日本の佃煮に、ちょっぴりお高めそうな鮭のフレーク、おまけに僕の実家にもよってくれて、僕の両親から受け取った和菓子の詰め合わせまでフランスに持ち込んでくれていた。
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フランス在住の僕らにとって、普段であったらこういった日本からの貴重な食材は、もったいなくてなかなか手を付けることができず、消費期限が迫ったときに慌てて食べることが多いのだが、今回ばかりはこれらも彼の滞在に合わせて一緒に楽しめるようにしたい。
特に日本酒は、妻が新年に用意してくれるおせち料理に合わせて丁寧に味わいたい。
お昼ごはんを済ませて夕食までの時間は近所を散歩。僕の暮らす小さな町の中心では、フランス全土がそうであるように、クリスマスマーケトはヴァカンス最終日の1月5日頃まで開催している。
クリスマス本番が終わっても、家族連れで賑わうクリスマスマーケットは、やはりこの時期のフランスの雰囲気を味わうのに最適。
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購入はしなくても、クリスマスマーケットの会場中に漂う甘くてスパイシーなホットワインの香りが鼻を刺激してくれるだけで、気持ちを高ぶらせてくれる。
自宅に戻り夕食の用意に取り掛かる。
料理ができるまでの間は、S氏にはウエルカム・シャンパンでおもてなし。
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さてこの日の料理は、牡蠣のゼリー寄せ、鴨胸肉のカルパッチョ、小鳩のローストにポルト酒のソース。付け合せには、じゃがいものオーブン焼きに、ちりめんキャベツを時間をかけて柔らかく、オリーブオイルと白ワインとともに蒸し焼きにして、ベーコンとバターで香りを付け足した、ちりめんキャベツのブレゼを小鳩のローストとともに盛り付けた。
これに合わせたワインは、
Domaine Sanzay Saumur Champigny 2022
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Chateau Pique Caillou Pessac-Léognan 2016
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滞在初日から、彼はご満悦の夕食を過ごせた模様。
翌日日曜日は、再び隣街のラ・ロシェルに朝から出向き、マルシェの雰囲気や、地方ならではの食材やお惣菜などを購入することを予定している。
そのためこの日はたっぷり食事やワインを楽しんでもらった後、すぐに就寝してもらった。
まだまだ彼の食道楽なフランス滞在は始まったばかり。
僕は毎日こんな感じで料理を作り続けるが、食道楽な彼でも最後まで体調を維持し続けながら満喫できるように楽しませてあげたい。
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