大統領も愛した豆腐のようなチーズ?ジョンシェ‼️
本日はフランスでも珍しい食材、ジョンシェ(Jonchée)のお話です 。
ジョンシェとは私が暮らすフランス中西部のシャラント=マリティーム県周辺で作られるフレッシュチーズの名前です。
フランスの元大統領、ミッテラン氏の好物であったチーズして知られていますが、コンテチーズやロックフォールチーズなどのメジャーなチーズとは相反し、とてもマイナーなチーズです。
シャラントマリティム県の中でも特に有名なジョンシェの産地は、大西洋の牡蠣の産地で有名なオレロン島と、17世紀のフランス王国海軍は装備を強化するため、ルイ14世の命令により作られた新都市、ロシュフォールです。
ジョンシェの【ジョン】とはフランス語でイグサの仲間の植物を指します。
イグサは湿地や浅い水中に生える多年草で、泥に根を下ろす植物で先のとがった細い茎が束になったような見た目をしています。
シャラント=マリティーム県は沼地が多く存在しており、この沼地で春先から6月・7月初夏に成長したイグサを使って30cm四方のすだれを作り、アーモンドエッセンスを加えた牛乳を凝乳(カード)で固め、出来たてのフレッシュチーズを藁納豆のような形に整えて作られる特徴的な見た目をしているのがジョンシェです。
羊・山羊乳から作られたジョンシェもあるそうですが、マルシェのチーズ専門店で購入できるジョンシェは牛乳から作られたものが多く出回っています。
購入するとイグサに包まれたチーズは別の容器に移して販売され、すだれは再利用されるとのこと。
そしてもう一つ特徴的なのは、ジョンシェはお豆腐のようにとても柔らかいチーズなので別容器に移す際に水とともに移されるのですが、その水をアーモンドエッセンスが加えられたアーモンド水を選ぶこともできます。
ジョンシェにアーモンドの香りを更に移すことで、甘くない杏仁豆腐のような印象になります。
そして何よりもジョンシェは鮮度が命のチーズです。日持ちは3日間が限界と言われているため、他の地域に出回りません。
まさにこの土地ならではのフランスの食材です。
フランス語ですがジョンシェの作り方を紹介している動画はこちらから🔽
味わい、口当たりともにチーズというよりかは、日本人の感覚からするとクリーミーで濃厚な豆腐のようで、豆腐を食べ慣れている我々日本人には夏にピッタリの食材だと思います。
この地方に暮らすフランス人のジョンシェの食べ方は、シブレットとすりおろしたニンニクをまぶしてオリーブオイルをかけて食べるのが一般的です。
また食後のデザートに砂糖をふりかけて味わう楽しみ方もあります。
今回もYouTube動画内でジョンシェを使った一皿を紹介させていただきました。
ジョンシェの味わい・食感・口当たりの特徴を活かしサラダ仕立てです。
食感と香りのアクセントに薄くスライスしたフヌイユとルッコラをジョンシェと合わせました。また、ジョンシェ自体には酸味の特徴を作るために酢玉ねぎを合わせて濃厚な口当たりのジョンシェと楽しめるようにしてあります。
ドレッシングソースは、酸味と甘味のバランスの取れた柑橘ドレッシングを使用して全体の食材の風味・味わいがまとまるように仕上げています。
動画で使用したドレッシングの他にも、醤油とオリーブオイルを直接かけてシンプルに食べる楽しみ方も私は好みです。ちょっぴり生姜のすりおろしも添えてもいいですね。
【ジョンシェのドレッシングの分量】
蜂蜜 40g
ライム果汁(レモン果汁でも可) 20g
オリーブオイル 70g
今回もYouTube動画内で紹介したレシピの食材・ジョンシェは、日本では購入することができませんが、濃厚でクリーミーな豆腐で代用する事ができるので、是非お試しいただけると幸いです。
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Chef Ichi