父のレストランを引き継いだ3兄弟のフランス旅行計画

昨日からフランスは朝晩とても冷え込んできた。

パリやリヨンなどの大都市は、僕が暮らす町の最低気温が日中の最高気温のようで、更に来週末は朝晩氷点下に近い予報を出している。

こんな季節になると、天気も安定して雨も少ない南仏での生活が羨ましくなる。

いくら僕が暮らす大西洋沿岸地域が温暖なと言っても、朝から吹き込む風と、あいにくの曇り空が加われば体感温度は更に下がる。

先週から自宅から歩いて幼稚園まで息子を送っていたが、流石に今日は車で彼を送ってきた。

息子をいつものように無事に送り届けて自宅に着くと同時に、LINE電話がコートの胸ポケットで鳴り響く。

連絡主は、僕が日本のレストランで働いていた当時の料理人の先輩。

ここでは深くは語らないが、僕にとって先輩と言う位置づけよりも、同じ職場でお互い心を支え合いながら厳しい環境を共にすごいした大切な仲間。

彼は僕を弟のように慕ってくれるし、僕は彼をとても信頼している。

僕の若かりし頃の日常といえば、上司からの異常なまでのパワハラを受けていた日々。理不尽な暴力や嫌味、上司の私用の買い物など、料理人の仕事とは程遠いい作業や業務を毎日のように送っていた。

自分のミスではあっても上司に怒鳴られる日々を送っていたら、そりゃ心が折れますわぁ！！

ただ、そんなレストランを渡仏するまで途中で辞めずに、７年間自分の仕事を全うできるようになれたのは、彼の存在がとても大きい。

僕が職場で涙を流し絶望していた時も、仕事終わりに愚痴を吐き出す先だって、まずい賄いで呆れられてしまっているとき等など、思い返せばきりがないが常に僕の心に寄り添ってくれた存在が彼であった。

ほんと休日を一緒に過ごすことや、日帰りの小旅行も行ったし、彼の言うように確かに兄弟のような存在なのかもしれない。

彼からの連絡はフランス旅行の日程が決まったとの報告。

そうなのです。彼は近々フランスに１０日ほどパリを中心とした旅行を計画していたのです。

しかも彼の弟２人とともに。

その際、僕の日程が合えばパリ滞在をアテンドしてほしいと、１ヶ月ほど前以来はにされていた。

幸い僕は２月頭まで有給中。

その僕の有給の日程に合わせて、彼はフランス・パリ旅行の日程をが組めたことを連絡してくれた。

ちなみに彼ら３兄弟は、現在父親の跡を継ぐ形で福岡でレストランを経営している。

長男の彼は料理人、次男はサービス、そして三男はソムリエという役職で、大切な彼らの思い出も詰まったレストランをもり立てている最中。

３兄弟でレストランを受け継ぐなんて、なんか羨ましいしカッコいい！！

この３兄弟がフランス旅行を計画した経緯や動機に至っては、詳しい話は聞いていない。

ただ彼らの父親から引き継ぐレストランの思いや料理への情熱は、僕は感じ取っているつもり。

だからというわけではないが、アテンドできる限られた時間内でも、彼らの要望にできるだけ答えて、僕が経験してきたフランスにあるフランス料理の魅力と本質を伝えて、少しでもお役に立てることがあれば僕も嬉しい。

３つ星レストランでの食事で最上のサービスと食事に、それらを演出できる空間。

屋外マルシェに並ぶ季節の食材を目で見て、肌で感じるパリの空気感。

朝一番に行き、香ばしい香りが店中に漂うパン屋。

心地よい雑音と狭い席の圧迫感が魅力な昼過ぎにいくカフェ。

パリジャン、パリジェンヌが好んで食べるファストフードまで。

王道の観光地も巡り、楽しい・嬉しい、そして美味しいをお腹いっぱいまで味わい尽くしてもらいたい。

タイミングを合わせてボルドーのワイン街道も連れていきたいなぁ。

僕がそうであったように、旅行で訪れた時の憧れのフランスにあるフランス料理を味わうことは、どんなに時間が経っても記憶に焼き付く。

今回の旅行で彼らの記憶に焼き付くであろう経験や体験が、彼らの素晴らしい未来やレストランの発展に少しでも良い影響があるといいなぁと思う。

こんなことを思うのはおこがましいと重々承知だが、それだけ彼ら３兄弟は僕にとって特別な存在。

当日までの日数を数えながら待つこの有給の日々は長く感じるが、今から楽しみがまた増えると思うと、ワクワクが止まらない。

それではまた書きます。

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