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美術鑑賞がもたらすもの
気になっていた戸嶋靖昌記念館で静と動展を見てきました。
石田淳一さんの作品では、食卓の上に並んだパンが本物以上にふんわりと美味しそうに見えていました。果物もみずみずしくて、その机でさえも重厚感が伝わってきます。
山口長男さんの世界観で宇宙を感じさせる作品や回転しているように見えるものなど展示されていました。
“傾”という作品の前で深呼吸して目を閉じて感じてみました。
その黒がとても気になって、黒は何もないように見えて全てが入っているという印象を受けました。
そしてこの傾きを表す色づかいで思い出した絵があります。
川村記念美術館にあるロスコルームの色です。
マーク・ロスコの絵が壁面に飾られて、その中にじっとしていると時間を経つのを忘れてしまう瞑想の部屋のようです。
母と庭園を見に行った思い出の場所で機会があればまた伺いたいです。
今回のテーマとなった静と動の世界観は、それぞれの作家のタッチや捉え方違いはありますが本質的なエネルギーを作品に垣間見ることができました。
絵を見たあとはとても清々しい空気に包まれていました。
日々の暮らしにもこれらの作品が少なからず影響があるかと思いました。