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「わからないままでいい。ブレることすら、ありのまま。」青木留実さんが語る育児と生き方

こんにちは!事務局のかすみです。
今回は、理学療法士としての経験を持ち、専業主婦から新たな道を模索している青木留実さんにインタビューしました。

留実さんは、ご家庭での「療育整体」や、お子さんたちとのコミュニケーションを大切にする取り組みをされています。その率直な語り口からは、子育てや自身の心のバランスを見つめ直す姿勢が伝わってきます。

無理せず自分らしく生きることの大切さを探求する留実さんのインタビュー、ぜひ最後までご覧ください。


理学療法士から主婦、次のステップを探して

私は、今は肩書きがあってこのウェルネスチーム「CHEERNESS!(チアネス)」に参加させてもらっているわけではなく、特別枠(笑)のような形で参加しています。長い間、夫の転勤に帯同して専業主婦をしてきましたが、今年から定住を決めたこと、そして子どもたちの成長に伴う気づきから、私の人生の見直し期間中です。

直近でこの先どうしていこうかというのは、元々理学療法士として数年ですが働いていたこともあって、かなりのブランクで色々と不安はありますが、そこに戻って学び直してみようかと思っているところです。

親が子どもにできる簡単ケア「療育整体」の魅力

あと、まだ学び始めたばかりですが、「療育整体」っていう子どもの発達に関するアプローチに興味があります。整体師の松島眞一先生が自身のお子さんのために作られたもので、親が簡単に日常に取り入れられるシンプルな手技ばかりです。そして、ちゃんと理論に基づいているのもポイント。

発達について少し気になるところがあるお子さんって、きっと不登校の子でも多いと思うんです。発達障害だから不登校になるってのはそれは違うんですけど。うちの子も生まれた時から気になる点が色々とありました。

だからこそ、療育整体で血流を良くすること、骨軸で立てる楽な体にしてあげることで、無理なく発達する身体を作っていこうという優しいものなんですよ。

転勤で愛媛に住んでいたときに発達関係のお仕事をされている方とご縁があり、その方を通じて療育整体を知り、1日講座を受けに行ったのがきっかけです。

療育整体を家庭で取り入れるメリット

それこそ、あんまり真面目にやってないんですよね。子どもに「こんなん習ってきたよ、試しにやってみて」って感じで、ちょこちょこっとするだけで。簡単なことぐらいしかやってないんです。

でも、子どもが「療育整体やって」とか「あれやってほしい」って言うときがあるんですよ。これって、いいコミュニケーションになってるなと思ってます。

何かをよくしようと思って子どもにあれこれさせようとすると、お互いに心がしんどくなったりすることってありますよね。でも、これは全然そういうものじゃなくて、親子で気軽にできるのがすごく好きです。

たとえば、子どもが夜寝られないときに「マッサージして」って私に言ってきて、それでちょっと効果があったなと思えるのがいいんです。ただ触るだけでも愛情は伝わると思うけど、そこにさらに付加価値がつけられるっていうのが素敵だなって感じてます。

子ども時代に揺れる心、家庭への憧れ

私、幼少期の記憶ってあんまりないんですけど、母から「『ママ、ママ』ってずっとくっついてたよ」って言われますね。ちょっと恥ずかしがり屋だったのかなと思うけど、すごくおとなしいわけじゃなくて、習い事も色々やってました。でも、自分からどんどん行動するタイプではなかったです。

小学4年生で転校したことは覚えていて、そのとき初めて自意識が芽生えた気がします。「人とうまくやらなきゃ」とか「周りとなじまなきゃ」って思い始めましたね。

中学生になると、友達と仲良く部活も勉強も頑張る「真面目な優等生」に仕上がっていました。このあたりから、「頑張らなきゃ価値がない」という思い込みができていたと思います。ただ高校に入ると、いろんな子がいて、もちろん勉強では到底敵わないこともわかり、頑張らなくてもいいかなと少し肩の力が抜けました。少し投げやりになっているところもあったと思いますけど。

家庭内では中学生で両親が離婚、高校生のときには父親が脳梗塞で半身麻痺になったりと、私にはショックな出来事が続きました。受け入れたふりをして諦めて、このときの不安や悲しさを吐き出すことができなかったので、心の奥では不安定だったなと思いますし、今でも傷としてまだ疼くところではあります。

中学、高校時代は学校や友達との時間ばかりで、家にいた時間がそんなになかったというのもありますが、家族の記憶があまりありません。

友達との時間は本当に楽しかったのですが、家が安心できる場所でなかったからこそ、外の世界で穴を埋めていたところもあったのだろうなと思います。

その先も心の空洞には気づかないまま過ごしていました。もともと心と心のコミュニケーションがあまりない家庭だったので、自分の気持ちの吐き出し方がわからないままでした。

だからなのでしょうね、ただ漠然と、温かい家庭に対する憧れがあり、それは頑張らないと手に入らないものと思ってしまっていましたね。自分の家族ができて初めて気がついたことです。

理学療法士を目指し大学進学、実際に働いてみると…

きっかけは本当に些細なことで、理学療法士を強く目指してたわけじゃないんです。父のことやスポーツしてた経験から、まあつながるかなってくらいでした。スポーツしていると怪我する人が多くて、どんなリハビリをするのか興味があったし、近くの大学に行ってる先輩が楽しそうだったのも影響しました。

でも大学にはギリギリの成績で入学して、入ったら入ったで「なんだこれは!」ってくらい勉強が難しくて、テストも本当に毎回大変でした。4年生で病院実習が始まると予想以上に難しく、レポートも大変でしんどかったです。患者さんとのコミュニケーションはよくても、自分でプログラムを立てるのが難しく、試行錯誤の連続でした。

そして卒業後、理学療法士として病院に就職したけど、「ここに行きたい!」って強い希望ではなく、雇ってもらえるかなって感じでした。3年働くうちに結婚生活が始まり、夫が転勤族で仕事に復帰する余裕はなかったです。最初は「どうせまた引っ越すし」ってのんびりしてたけど、子育てが始まったら気づけば15〜16年経ってました。社会から離れすぎた感覚になって「社会って何だったっけな」という思いが強かったです。

転勤族ママの育児奮闘記 〜友達と一緒に乗り越えた日々〜

転勤しながら各地で子どもを産んで育ててきました。頼れる人が近くにいないから、私が頑張らなきゃって強く思ってて。最初に出会った友達も似た状況だったので、旦那さんが日中いないママ同士で一緒に子育てしてました。

最初の子を産んでから7年ほど同じ土地にいて、その間友達と一緒に子育てできたのは大きかったです。お互いに子どもを預かったり、遊んだりできて楽しかったけど、子どもがすごく泣いて夜も寝なくて大変でした。それでも友達がいてくれたから、なんとか乗り越えられた気がします。

いろんな土地を転々としてて友達ができたのは良かったなと思ってます。子育ては大変だけど、その中でも楽しい思い出もたくさんあるし。

そして子どもが学校に行けなくなったことで、私は心も体も限界を感じて麻央さんの講座に入りました。
もちろんそれまでの生き方自体をちょうど見直すタイミングだったんですが、不登校が私にとっては変化の転機となりました。

真ん中の娘は人と関わるのが苦手で、幼稚園の頃から自分から話に加われず、小学校へも一緒に送り迎えをしてました。学校の先生のことが怖かったみたいで、1年生の9月に転校して楽しそうにしてたのに、また行けなくなりました。保健室にいたりして、どうしていいかわからなくて、「行かせなきゃ」って強く思ってたけど、これじゃダメだなと気づきましたし、おかげで私が「これくらいできて当たり前だ」と思ってた固定観念を見直すきっかけになりましたね。

そしてさらに、中3受験生でもある長男は、今回の転校で新しいクラスにいるのが辛くなり別室登校を選ぶことにしました。その都度、子どもも私も気持ちは揺れ動き、苦しい時間もありましたが、「なるようになる、今の自分でできることをやる」というスタンスを心がけて過ごしています。

自分も心と体のバランスを崩したことで、辛い時は休めばいいとやっと思えるようになりました。
「何もしない、できない自分には価値がない」という深い深い思い込みを手放していくことが、少しずつできるようになっていきました。

何もしないを認める

「何もしない」がダメだと思うこともあって、しんどいときにただ「何もしない」だけで本当にいいのか、すごく悩みました。それを認めるのが苦しかったですね。場面に応じて考えればいいのに、「人生はこうあるべきだ!」と一本気に考えてしまって。生き方が流動的になれなかったんだなって今は思います。

今でも「頑張りたい」という気持ちはあるけど、それは変ながむしゃらさじゃなくて、やれる時にやれることをやろうっていう感じですね。人生は長いから焦らず、でもやりたいことを見つけたら、それをちゃんとキャッチしてやろうと思えるようになりました。体力がつくまでは休んでもいいし、無理して頑張りすぎると体力の貯金もなくなっちゃうから。バランスを取ることが大事ですね。

時々不安に惑わされることもあるけど、子供も元気になってきて、家で一緒に勉強したり家事をお願いしたりして、私も1年半〜2年ぐらい前からパートに出ています。引きこもりがちになっていたときは心配だったけど、今は少しずつ良くなってきました。

実は、末っ子も小学1年生になってから行き渋っています。行きなさいと促すときもあるし、何時間目から行けそう?と本人のペースに任せるときもある。今はどちらかというと後者寄りです。
3人ともこうなるともう諦めというか、「明らめる」という感じです(笑)

私は、「『普通に』学校に行って友達を作って習い事に行って部活をして、仕事をし、妻として母として、やるべきことをやる」というのを必死に頑張ってたんだなあ、と自分を振り返って思っています。

今は疲れたら休むし、私自身がとても柔らかくなったと思います。自分が変わったからか、周りにもそういう人が増えてきた気がします。学校の先生も「ゆっくりやりましょう」って優しく声をかけてくださって。

先生には「ありがとうございます」ってお礼を言って、助けてもらってます。自分のダメなところや弱いところが見えてしまっても、もういいかなって。以前は弱さを出せなかったけど、今はそれを出せるようになったのがよかったかな。

自分らしさと家族のバランスを日々探して

「みんながそれぞれ自分らしく生きられたらいいな」って思いながら、今を過ごしています。でも、子育てってそれだけじゃない部分もあるから、難しいなとも思うんです。最低限やらせたいことや、やらなきゃと思うことも当然あるし。

そのバランスをうまく取りながら、まずは家庭がうまく循環するのが一番身近な目標かなって思いながら過ごしています。それだけではちょっと物足りなさを感じることもありますね。今はまだどうやって自分を表現していくかピンときてないけど、将来的には社会にも還元していけるように、そういう意識で過ごしていきたいと思っています。

今の私のありのままって、まだちょっとわからない部分があるかもしれない。それでも、毎日自分のちょうどいい場所を探しながら過ごしている感じです。ブレることもたくさんありますが、それすらもありのままなんだろうなって思っています。

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