尖った才能がないからこそできる 「時間を味方につける」ワザ
昔、中国共産党のある幹部が、アメリカに出かけたときのことだよ。
アメリカ政府の高官と会って、リンカーン大統領のゲティスバーグ演説をメモなしで暗唱してみせたんだ。
そうしたらそのアメリカのホワイトハウス高官はとても驚いて、大変嬉しくて、中国はアメリカの友人になったと喜んだそうだよ。
こんなこと1つで騙されるのも問題ではあるけれども、この中国政府高官が、時間をかけてゲティスバーグ演説を暗記するところまで繰り返し繰り返し時間をかけたことに、感動したんだろうね。
これはちょっと悪い例かもしれないけれども、時間をかけて暗記すると言う事は、尖った才能がなくても、人に感動与えるコツではあるのだよ。
リッツカールトンとか、超高級なホテルのドアマンとか、コンシェルジュなんかも、常連客の情報を繰り返し、繰り返し目を通して暗記してるんだよね。
こういう事は時間をかけないとできないし、逆に言えば時間を味方につけることで、競争優位を身に付けているとも言えるよね。
こんなふうにして時間を味方につける方法っていうのはいろいろあると思うんだよ。
たとえ例えば、レストランとかラーメン屋さんなんかでも、隠し味というのはあるよね。
何年もかけて試行錯誤したり、遠くまで食材や調味料を探し回ったりして、徐々に積み上げてきたものと言うのはなかなか真似できないよ。
こんなのも時間をかけることで、時間を味方に付けているんだろうね。
この変化形としては、みんなの時間を集めて時間の優位を作り出すって言う考えもあると思うんだよ。
その1つがブレストだよ。業務の中にブレストとか、自由に意見を出し合うようなカルチャーを持っているところでは、他のところがちょっと思いつかないような奇想天外な意表をついたアイディアが継続的に出るんだよね。
そうすると、ちょっと外では太刀打ちできなくなるんだよ。
アニメーション映画のピクサーなんかはその良い例だよ。
ピクサーにはブレイントラストと言う仕組みがあって、作りかけの段階で、いろんないろんな人が率直に、その映画の出来栄えや、特に面白くないところを指摘することで、映画から無駄な部分や増長な部分をカットして、締まりのある、面白さが最後まで続く映画を作っているんだよ。
これなんかも、みんなの時間を寄せ集めて武器にしていると言う意味では、時間を味方につけていると言えるかもしれないね。
それから最後に経営理念と言うのも、高度なものであればあるほど、時間をかけないと現実化しないから、これも時間を味方つける1つの方法だと思うよ。
例えば、常にお客様の立場に立って考えようと言うような理念であれば、一朝一夕には実現しないからね。
お客様の立場というのが、具体的に何なのかと言う事は、実践を重ねないと見えてこないし、経営環境が変われば、時代環境が変われば、定義も変わってくるからね。
結局、時間を、自分を変化させるものにできたら、それは良い時間になるんじゃないかと思うんだよ。
そのために、時間の使い方を考え抜いた人が、時代を勝ち抜く力を身に付けていくんだろうね。
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