心理的距離と物理的距離の混同 職場の人間関係の苦しみの原因だよ
職場の人間関係で深刻に悩んで苦しんでいる人はたくさんいると思うよ。
だけど、現状を変えられないと言う事はたくさんあるけれども、ただ苦しみだけを大きくしている人の場合は、物理的な距離の近さが心理的な距離の近さとごっちゃになっているところに原因があると思うんだよ。
物理的な距離の近さとは職場の上司とか、仕事上、関わり合いがどうしても発生すると言うことだよね。
だけど、そのような物理的な距離が近くても、心理的に距離を取ることができる人とできない人がいると思うんだよ。
どうしても心理的な距離が取れない人と言うのは、物理的に距離が近いと、感情的なつながりがどうしても発生してしまうんだろうね。
物理的に距離が近いと、どうしても職場上の親密さとかが必要だと思っていて、距離を置いたり、ドライに対応すると言う事は、自分が相手を嫌っているようで、よろしくないと思ってしまうんだ。
だけどもそれは結局のところ、嫌われたくないと思っているだけかもしれないよ。
やっぱり感情的に嫌な相手でも、仕事上は付き合わなければいけないときには、心理的な距離をしっかり取るっていうのが精神衛生上は必要だよね。
そこで参考にしたいのが、ピータードラッカーなんだよ。
とても分厚い本でなかなか読めた本じゃないけれども、この人の代表作にマネジメントと言う本があるんだよね。
そして、このマネージメントと言う本の中で、職場の人間関係の基本は上司部下ではなくて、パートナーシップだと言うふうに書いてあるんだよ。
パートナーシップと言うのはどういうことかと言うと、会社を通じて社会に対して責任を負うと言うところに、共通的なつながりがあるのであって、それ以外の感情的なものは本来二の次だと言うことなんだね。
昔は職場といっても小さな工場みたいなところが多かったから、親方と弟子ということで、親子関係のような仕事のやり方が多かったし、今の日本の会社にも結構それはあるよね。
だけれども、社会が複雑化して、見通せなくなっているから、上司にも何のことかわからないものもあるし、現場で手探りでやっている人が1番わかると言うことの方が多いよね。
ドラッカーはこうした状況のことを専門家の時代と言っていて、もう避けられないと言っているんだよ。
そしてこの専門家と言うのは、知識労働者であって、知識労働者と言うのは、自分自身の仕事を自分で計画するしかないと言っているよ。
だからどうしても組織は実質的にはフラット化してしまうし、フラット化した組織の中での人間関係というのが、基本的にはパートナーシップの形を取るしかないと言うことなんだね。
そう考えると、あまり上司だからとか、部下だったからとか、必要以上に配慮をしたり、親密さを求めることもないのかもしれないね。
結局心理的な距離を取るとは、1人の人間として自立していると言うことにもつながるしね。
自分のやってることには自分で責任を取るし、自分のしていることが社会的にどのような貢献をするかをいつもしっかりと考えていれば、現場がわかっていないのに、原理原則を振り回す形で介入を試みてくる上司もやっぱり気になり気にならなくなるんじゃないのかね。
心理的な距離を取ると言うのは、1つのテクニックではあると思うけれども、人間を独立した人格として見ると言うところから、多分始まるんだろうね。