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進歩を目指す まず現状を否定しないといけないね
進歩や向上を目指すことは、つとめて意識していないとできないことだよね。
人間は、ともすれば、ついつい楽な方を選んでしまうからね。
そこで必要なのが目標とか理念だよ。
理念のある会社は苦難を乗り越えて生き残るからね。
岐阜県にイビデンという会社があるけれども、ここは業績も好調らしいね。
創業は戦前で、岐阜県の地域振興のために作られたみたいだね。
揖斐川とかの水力発電ができるようになったのをきっかけに、電力を利用した製品を作ることが出発点だったみたいだよ。
だけど、今は全く違うことをやってるらしいね。スマホの基盤とか、高度な電子機器の基盤何かを作っていて、創業時とは全く別の仕事をしてるんだよ。
だけど、理念として「岐阜県の地域の振興」があるから手を変え品を変え、作るものを変えて生き延びているんだよ。
だから、こういう会社が、人件費が安いからといって、中国に移転したら、やがて理念が曖昧になってしまうよね。
進歩を目指すために必要なことは、やっぱり古くなっている現状を強く否定できるかどうかにかかっている気がするね。
これは、ヘーゲルが精神現象学の中で言っていることだけどね。
日本人にはちょっと苦手な話だけれども、一旦現状を強く否定することで新しい現実が生まれるというのが弁証法だよ。
これはドラッカーのイノベーションとか、体系的廃棄のもとになる考え方じゃないかと思うよ。
やっぱりジリ貧になっていく人が、未来に向けて現状を否定できない人に多いみたいだね。
現状維持で怠惰に流されていってしまうと、絶対に進歩は無いからね。
特に大事なのは、今得意なものとか、自分が自慢してるものを、あえて否定してみることだと思うよ。
長所の中に次の失敗の種が必ずあるからね。
現状を強く否定した上で、勇気を持ってチャレンジしてみることで、新しい別の自分が生まれてくるんだよ。
その新しい自分の視点から、過去の古い自分を分析することで、決別できるわけだよ。
これはよく宗教で言われる「至らない自分の発見」ということだろうね。
いつまでも別れた彼女のことで、うじうじしている人とか、過去の失敗にこだわっている人は、チャレンジしてないということになるよ。
チャレンジをしないから、新しい自分と出会えないんだよ。
そして新しい自分がないから、古い自分を強く否定もできないんだよ。
そこには進歩も向上も、やっぱりないんだよね。
進歩のために大事なのは、進むべき方向性としての理念をしっかり立てることだと思うよ。
自分も他人を幸福にするような具体的な目標とか理念や価値観をしっかり持つことだよ。
そのためには自分が帰属している組織とか、過去の自分とかとは別に、何を目的として生きるかという個人としての独立心が大事だよね。
福沢諭吉じゃないけれども、やっぱり、一身独立して、一国独立するというのは本当のことだね。