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映画監督の2010年代ベスト10※カイエ・デュ・シネマより

こんにちは、チェ・ブンブンです。

ブンブンが定期的に購読している雑誌にカイエ・デュ・シネマがあります。カイエ・デュ・シネマはフランス老舗の映画雑誌でエリック・ロメール、ジャック・リヴェット、ジャン=リュック・ゴダール、フランソワ・トリュフォーといった巨匠を次々と輩出したことでも有名だ。

本誌の特徴として、他の雑誌では読めない世界が広がっているところにあります。基本的に捻くれているので、映画のベストテンに『24』や『ツイン・ピークス The Return』といったテレビシリーズを選んできたり、M.ナイト.シャマランの『レディ・イン・ザ・ウォーター』やブライアン・デ・パルマの『ミッション・トゥ・マーズ 』といった世間では評判が悪い作品をベストに選んできたりします。

そして、Google翻訳に絶対訳させてあげないぞと言わんばかりの高度で詩的な文章で独自の映画論を展開してきます。

こうも尖っていてスノビズム、逆張りの映画雑誌なのですが、じっくり読んでみると、Web媒体がSEOを意識して映画名や映画用語を所狭しと並べていくのに反して評論対象の映画そのものに迫っていく純度の高い映画論が書かれていたりするので映画ブロガーとして非常に参考になります。

さて、そんなカイエ・デュ・シネマが2019年12月に本来であれば年間ベストを発表するところ、2010年代のベストを発表する特別号を作りました。

その中に、37人の映画監督のテン年代ベストテンが発表されていました。これがメチャクチャ面白かったので翻訳します。

なお、ブンブンからお願いしたいのは、もし興味あったら是非実際にお手にとって読んでほしいこと。アンスティチュフランセ東京では無料で読むことができます。また紀伊國屋書店 新宿本店1Fの洋書コーナーで購入することができます。雑誌が儲からない時代、旧時代的雑誌作り故、いつ閉刊してもおかしくないカイエ・デュ・シネマ。ちょっとでも興味あれば買って支援してほしいところがあります。閉刊した時に、あの尖った映画評を懐かしんでも遅いのです。今の時代、Google翻訳もあります。確かに、上記で書いたように翻訳されにくい文章で書かれているのですが、それでも面白い知見をゲットできることは間違いありません。

2019年12月号には、長尺映画論、映画におけるピエロの役割、『木々について語ること』から観るスーダン映画事情、『僕はイエス様が嫌い』評などが読めます。また、カイエ編集部個人が選ぶテン年代ベストなんかも発表されており、中にはイラクの6時間ドキュメンタリー『祖国 イラク零年』をテン年代ベストに挙げている人もいて驚きの連続です。来月には2019年のベストが発表されます。

って訳で、カイエ誌普及の為、本誌掲載の映画監督が選ぶベストテンを翻訳陳列していきます。尚、映画人故、1~10位順位をつけている人はかなり少ないです。

※下線の引いてある作品はブンブンのレビューに飛べます


1.マーレン・アーデ(『ありがとう、トニ・エルドマン』)

幸福なラザロ(アリーチェ・ロルヴァケル,2018)
サマ(ルクシア・マルテル,2017)
熱波(ミゲル・ゴメス、2012)
ブンミおじさんの森(アピチャッポン・ウィーラセタクン、2010)

2.パトリック・マリオ・バーナード&ピア・トリヴィディク(『Ballroom』)

ツリー・オブ・ライフ(テレンス・マリック、2011)
アクトレス~女たちの舞台~(オリヴィエ・アサイヤス、2014)
メッセージ(ドゥニ・ヴィルヌーヴ、2016)
ワイルド・ボーイズ(ベルトラン・マンディコ、2017)
センス8(ラナ・ウォシャウスキー、 J・マイケル・ストラジンスキー、 リリー・ウォシャウスキー、2015-2018)

3.セルジュ・ボゾン(『フランス』)

バッド・ルーテナント(ヴェルナー・ヘルツォーク、2010)
幸せの始まりは(ジェームズ・L・ブルックス、2010)
訪問、あるいは記憶、そして告白(マノエル・ド・オリヴェイラ、1982-2015)
ハニートラップ 大統領になり損ねた男 (アベル・フェラーラ、2014)
ゴーストライター(ロマン・ポランスキー、2011)
La Fille de nulle part(ジャン=クロード・ブリソー、2012)
ビリー・リンの永遠の一日(アン・リー、2016)
Nuits blanches sur la jetée(ポール・ヴェキアリ、2014)
11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち(若松孝二、2011)
ル・アーヴルの靴みがき(アキ・カウリスマキ、2011)
帰ってきたMr.ダマー バカMAX!(ファレリー兄弟、2014)

4.ギョーム・ブラック(『女っ気なし』)

祖国 イラク零年(アッバス・ファデル、2015)
6才のボクが、大人になるまで。(リチャード・リンクレイター、2014)
おおかみこどもの雨と雪(細田守、2012)
テイク・シェルター(ジェフ・ニコルズ、2011)
アラビアンナイト(ミゲル・ゴメス、2015)
L'Escale(カーヴェ・バフティアリ、2013)
ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択(ケリー・ライヒャルト、2016)
湖の見知らぬ男(アラン・ギロディ、2013)
ありがとう、トニ・エルドマン(マーレン・アーデ、2016)
ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン(ポール・フェイグ、2011)
プティ・カンカン(ブリュノ・デュモン、2014)
La Coupe à dix francs(Philippe Condroyer、1974)

5.モニカ・ショクリ(『A Brother’s Love』)

燃ゆる女の肖像(セリーヌ・シアマ、2019)
聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(ヨルゴス・ランティモス、2017)
ザ・マスター(ポール・トーマス・アンダーソン、2012)
グレート・ビューティー/追憶のローマ(パオロ・ソレンティーノ、2013)
ザ・ライダー(クロエ・ジャオ、2017)
幸福なラザロ(アリーチェ・ロルヴァケル,2018)
ウルフ・オブ・ウォールストリート(マーティン・スコセッシ、2013)
アンダー・ザ・スキン 種の捕食(ジョナサン・グレイザー、2013)
Party Girl(サミュエル・タイス、 Marie Amachoukeli、 クレア・バーガー、2014)
別離(アスガー・ファルハーディー、2010)

6.ヴァレリー・ドンゼッリ(『わたしたちの宣戦布告』)

アデル、ブルーは熱い色(アブデラティフ・ケシシュ、2013)
メクトーブ, マイ・ラブ(アブデラティフ・ケシシュ、2018)
幸福なラザロ(アリーチェ・ロルヴァケル,2018)
BPM ビート・パー・ミニット(ロバン・カンピヨ、2017)
ホーリー・モーターズ(レオス・カラックス、2012)
湖の見知らぬ男(アラン・ギロディ、2013)
風立ちぬ(宮崎駿、2013)
万引き家族(是枝裕和、2018)
Roubaix, une lumière(アルノー・デプレシャン、2019)
ラ・ラ・ランド(デイミアン・チャゼル、2016)

7.ハッセン・フェルハーニー(『143 Sahara Street』)

トスカーナの贋作(アッバス・キアロスタミ、2010)
Mimosas(オリヴァー・ラクセ、2016)
夢が作られる森(クレール・シモン、2016)
コンタクト ー消滅領域ー(クレマン・コジトア、2015)
The Last of Us(アラ・エディン・スリム、2016)
フレンチアルプスで起きたこと (リューベン・オストルンド、2014)
TÉHÉRAN(Nader T. Homayoun、2010)
The Other Side Of Everything(Mila Turajlić、2017)
失われた美(ピエトロ・マルチェッロ、2015)

8.アベル・フェラーラ(『4:44 地球最期の日』)

her/世界でひとつの彼女(スパイク・ジョーンズ、2014)
皇帝ペンギン ただいま(リュック・ジャケ、2017)
ツイン・ピークス The Return(デヴィッド・リンチ、2017)
ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス(フレデリック・ワイズマン、2017)
シューティング・マフィア(キム・ロンジノット、2019)

9.フィリップ・ガレル(『つかのまの愛人』)

さらば、愛の言葉よ (ジャン=リュック・ゴダール、2014)
ホーリー・モーターズ(レオス・カラックス、2012)
メクトーブ, マイ・ラブ(アブデラティフ・ケシシュ、2018)
ローマ法王の休日 (ナンニ・モレッティ、2011)
メランコリア(ラース・フォン・トリアー、2011)
Frost(シャルナス・バルタス、2017)
あの頃エッフェル塔の下で (アルノー・デプレシャン、2014)
ル・アーヴルの靴みがき(アキ・カウリスマキ、2011)
白夜と配達人(アンドレイ・コンチャロフスキー、2014)
オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ(ジム・ジャームッシュ、2013)
カミーユ、恋はふたたび(ノエミ・ルヴォヴスキ、2012)
ジュリエッタ(ペドロ・アルモドバル、2016)

10.ミゲル・ゴメス(『熱波』)

1.正しい日 間違えた日(ホン・サンス、2015)
2.ブンミおじさんの森(アピチャッポン・ウィーラセタクン、2010)
3.天国にちがいないエリア・スレイマン、2019)
4.プティ・カンカン&プティ・カンカン2/クワンクワンと人間でないモノたち(ブリュノ・デュモン、2014-2018)
5.ツイン・ピークス The Return(デヴィッド・リンチ、2017)
6.ローマ法王の休日 (ナンニ・モレッティ、2011)
7.ファントム・スレッド(ポール・トーマス・アンダーソン、2018)
8.トイ・ストーリー3(リー・アンクリッチ、2010)
9.湖の見知らぬ男(アラン・ギロディ、2013)
10.ルイ14世の死(2016)
+最高のポルトガル映画《Rio Corgo(セルジオ・ダ・コスタ、 マヤ・コーサ、 セルヒオ・D・アコスタ、2015)》

11.ヤン・ゴンザレス(『Knife + Heart』)

ツイン・ピークス The Return(デヴィッド・リンチ、2017)
バッド・ルーテナント(ヴェルナー・ヘルツォーク、2010)
Mercuriales(Virgil Vernier、2014)
アポカリプス・アフター(ベルトラン・マンディコ、2018)
マンディ 地獄のロード・ウォリアー(パノス・コスマトス、2018)
ジェシカ(キャロライン・ポギ、ジョナサン・ヴィネル、2018)
We Are the Flesh(エミリアーノ・ロッチャ・ミンター、2016)
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(クエンティン・タランティーノ、2019)
Fucking Perfect(Body Double 36)(Brice Dellsperger、2019)
Autobiografia lui Nicolae Ceaușescu(Andrei Ujică、2010)
西遊記~はじまりのはじまり~(チャウ・シンチー、 デレク・クォック、2013)

12.ロベール・ゲディギャン(『キリマンジャロの雪』)

Être vivant et le savoir(アラン・キャヴァリエ、2019)
神々と男たち(グザヴィエ・ボーヴォワ、2010)
リアリティのダンス(アレハンドロ・ホドロフスキー、2013)
ポエトリー アグネスの詩(イ・チャンドン、2010)
エリザのために(クリスティアン・ムンジウ、2016)
セールスマン(アスガー・ファルハーディー、2016)
Mommy/マミー(グザヴィエ・ドラン、2014)
Carré 35(エリック・カラヴァカ、2017)
少年と自転車(ダルデンヌ兄弟、2011)
万引き家族(是枝裕和、2018)

13.濱口竜介(『寝ても覚めても』)

アンジェリカの微笑み(マノエル・ド・オリヴェイラ、2010)
ソーシャル・ネットワーク(デヴィッド・フィンチャー、2010)
トスカーナの贋作(アッバス・キアロスタミ、2010)
ビオラ(マティアス・ピニェイロ、2012)
終の信託(周防正行、2012)
黒衣の刺客 (ホウ・シャオシェン、2015)
ハドソン川の奇跡(クリント・イーストウッド、2016)
イメージの本(ジャン=リュック・ゴダール、2018)
マーウェン(ロバート・ゼメキス、2018)
パラサイト 半地下の家族(ポン・ジュノ、2019)

14.ミア・ハンセン=ラヴ(『未来よ こんにちは』)

ソーシャル・ネットワーク(デヴィッド・フィンチャー、2010)
メランコリア(ラース・フォン・トリアー、2011)
インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌(コーエン兄弟、2013)
あの頃エッフェル塔の下で (アルノー・デプレシャン、2014)
ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択(ケリー・ライヒャルト、2016)
ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(ステーヴン・スピルバーグ、2017)
ハイ・ライフ(クレール・ドゥニ、2018)
アトランティックス(マティ・ディオップ、2019)

15.アルチュール・アラリ(『汚れたダイヤモンド』)

ビリー・リンの永遠の一日(アン・リー、2016)
メクトーブ, マイ・ラブ(アブデラティフ・ケシシュ、2018)
湖の見知らぬ男(アラン・ギロディ、2013)
魂のゆくえ(ポール・シュレイダー、2017)
光りの墓(アピチャッポン・ウィーラセタクン、2015)
アクト・オブ・キリング(ジョシュア・オッペンハイマー、2012)

16.ジャン=シャルル・ユー(『Eat Your Bones』)

サウルの息子(メネシュ・ラースロー、2015)
ツリー・オブ・ライフ(テレンス・マリック、2015)
ザ・マスター(ポール・トーマス・アンダーソン、2012)
プティ・カンカン(ブリュノ・デュモン、2014)
光のノスタルジア(パトリシオ・グスマン、2010)

17.ジャ・ジャンクー(『帰れない二人』)

ブンミおじさんの森(アピチャッポン・ウィーラセタクン、2010)
母なる証明(ポン・ジュノ、2010)
奪命金(ジョニー・トー、2011)
エル・クラン(パブロ・トラペロ、2015)
Mommy/マミー(グザヴィエ・ドラン、2014)
タンジェリン(ショーン・ベイカー、2015)
アクエリアス(クレベール・メンドンサ・フィリオ、2016)
バーニング 劇場版(イ・チャンドン、2018)
万引き家族(是枝裕和、2018)
顔たち、ところどころ(アニエス・ヴァルダ、JR、2017)

18.アランテ・カヴァイテ(『サンガイレ、17才の夏』。)

メランコリア(ラース・フォン・トリアー、2011)
バーニング 劇場版(イ・チャンドン、2018)
ボーダー 二つの世界(アリ・アッバシ、2018)
SAINT LAURENT/サンローラン(ベルトラン・ボネロ、2014)
新感染 ファイナル・エクスプレス(ヨン・サンホ、2016)
Suite armoricaine(パスカル・ブレトン、2015)
ナイフ・プラス・ハート(ヤン・ゴンザレス、2018)
ありがとう、トニ・エルドマン(マーレン・アーデ、2016)
6才のボクが、大人になるまで。(リチャード・リンクレイター、2014)
The Deuce(George Pelecanos, David Simon、2017)

19.黒沢清(『旅のおわり世界のはじまり』) 

1.マリアンヌ(ロバート・ゼメキス、2016)
2.ゴーストライター(ロマン・ポランスキー、2011)
3.ホーリー・モーターズ(レオス・カラックス、2012)
4.運び屋(クリント・イーストウッド、2018)
5.ブリッジ・オブ・スパイ(スティーヴン・スピルバーグ、2015)
6.バルバラ セーヌの黒いバラ(マチュー・アマルリック、2017)
7.さらば、愛の言葉よ (ジャン=リュック・ゴダール、2014)
8.フライト(ロバート・ゼメキス、2012)
9.ゼロ・グラビティ(アルフォンソ・キュアロン、2013)
10.レヴェナント: 蘇えりし者(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、2015)

20.ナダヴ・ラピド(『シノニムズ』)

メランコリア(ラース・フォン・トリアー、2011)
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(クエンティン・タランティーノ、2019)
ツリー・オブ・ライフ(テレンス・マリック、2011)
垂直のまま(アラン・ギロディ、2016)
インヒアレント・ヴァイス(ポール・トーマス・アンダーソン、2015)
正しい日 間違えた日(ホン・サンス、2015)
ありがとう、トニ・エルドマン(マーレン・アーデ、2016)
ホース・マネー(ペドロ・コスタ、2014)
昔々、アナトリアで(ヌリ・ビルゲ・ジェイラン、2011)

21.マリー・ロジェ(『ルチャリブレの女王 カサンドロ』)

ワイルド・ボーイズ(ベルトラン・マンディコ、2017)
湖の見知らぬ男(アラン・ギロディ、2013)
アイランズ(ヤン・ゴンザレス、2017)
ザ・ライダー(クロエ・ジャオ、2017)
Pénélope(クレア・ドヨン、2012)
Stop the Pounding Heart(Roberto Minervini、2013)
Reminiscences of Jonas Mekas(ジャッキー・レイナル、2015)
Rio Corgo(セルジオ・ダ・コスタ、 マヤ・コーサ、 セルヒオ・D・アコスタ、2015)
Tony Conrad: Completely in the Present(Tyler Hubby、2016)

22.ベルトラン・マンディコ(『ワイルド・ボーイズ』)

ツイン・ピークス The Return(デヴィッド・リンチ、2017)
ハウス・ジャック・ビルト(ラース・フォン・トリアー、2018)
ネオン・デーモン(ニコラス・ウィンディング・レフン、2016)
真夜中過ぎの出会い(ヤン・ゴンザレス、2013)
ホーリー・モーターズ(レオス・カラックス、2012)
Notre héritage(キャロライン・ポギ、ジョナサン・ヴィネル、2016)
アンダー・ザ・スキン 種の捕食(ジョナサン・グレイザー、2013)
The Exquisite Corpus(ペーター・チャーカスキー、2015)
The External World(デヴィッド・オライリー、2010)
インヒアレント・ヴァイス(ポール・トーマス・アンダーソン、2015)
イメージの本(ジャン=リュック・ゴダール、2018)

23.パトリシア・マズイ(『ポール・サンチェスが戻ってきた!』)※1位以下順不同

1.ローマ法王の休日 (ナンニ・モレッティ、2011)
アメリカン・ドリーマー 理想の代償(J・C・チャンダー、2014)
マップ・トゥ・ザ・スターズ(デヴィッド・クローネンバーグ、2014)
罪の手ざわり(ジャ・ジャンクー、2013)
Heimat(エドガー・ライツ、2013)
フォックスキャッチャー(ベネット・ミラー、2014)
レイニーデイ・イン・ニューヨーク(ウディ・アレン、2019)
ウルフ・オブ・ウォールストリート(マーティン・スコセッシ、2013)
バクラウ 地図から消された村(クレベール・メンドンサ・フィリオ、2019)
停止(ラヴ・ディアス、2019)
ハウス・ジャック・ビルト(ラース・フォン・トリアー、2018)

24.クレベール・メンドンサ・フィリオ(『バクラウ 地図から消された村』)

山河ノスタルジア(ジャ・ジャンクー、2015)
アンダー・ザ・スキン 種の捕食(ジョナサン・グレイザー、2013)
マッドマックス 怒りのデス・ロード(ジョージ・ミラー、2015)
My Joy(セルゲイ・ロズニツァ、2010)
アンジェリカの微笑み(マノエル・ド・オリヴェイラ、2010)
メランコリア(ラース・フォン・トリアー、2011)
Neon Bull(Gabriel Mascaro、2015)
昔々、アナトリアで(ヌリ・ビルゲ・ジェイラン、2011)
リヴァイアサン(ルーシァン・キャスティーヌ=テイラー、ベレナ・パラベル、2013)
ファントム・スレッド(ポール・トーマス・アンダーソン、2018)
バーニング 劇場版(イ・チャンドン、2018)
ソーシャル・ネットワーク(デヴィッド・フィンチャー、2010)

25.ナンニ・モレッティ(『母よ、』)

1.雪の轍(ヌリ・ビルゲ・ジェイラン、2014)
2.光のノスタルジア&真珠のボタン(パトリシオ・グスマン、2010-2015)
3.ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス(フレデリック・ワイズマン、2017)
4.SHAME -シェイム-(スティーヴ・マックイーン、2011)
5.ネルーダ 大いなる愛の逃亡者(パブロ・ラライン、2016)
6.ファントム・スレッド(ポール・トーマス・アンダーソン、2018)
7.マリッジ・ストーリー(ノア・バームバック、2019)
8.ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(ステーヴン・スピルバーグ、2017)
9.塀の中のジュリアス・シーザー(タヴィアーニ兄弟、2012)
10.別離(アスガー・ファルハーディー、2010)

26.リュック・ムレ(『ビリー・ザ・キッドの冒険』)

クラッシュドアイスの雑音(ベルトラン・ブリエ、2010)
プティ・カンカン(ブリュノ・デュモン、2014)
ありがとう、トニ・エルドマン(マーレン・アーデ、2016)
ファイターズ(トーマス・ケイリー、2014)
Mademoiselle Else(イザベル・プリム、2010)
ミステリーズ 運命のリスボン(ラウル・ルイス、2010)
テイク・シェルター(ジェフ・ニコルズ、2011)
戦争より愛のカンケイ(ミシェル・ル・クレーク、2010)
ウィンターズ・ボーン(デブラ・グラニック、2011)
白雪姫~あなたが知らないグリム童話~(アンヌ・フォンテーヌ、2019)

27.カリム・ムサウイ(『En attendant les hirondelles』)

ホーリー・モーターズ(レオス・カラックス、2012)
別離(アスガー・ファルハーディー、2010)
バーニング 劇場版(イ・チャンドン、2018)
フレンチアルプスで起きたこと (リューベン・オストルンド、2014)
帰れない二人(ジャ・ジャンクー、2018)
Ni le ciel ni la terre(Clément Cogitore、2015)
Madre(ロドリゴ・ソロゴイェン、2017)
2つ目の窓(河瀨直美、2014)
ジャンゴ 繋がれざる者(クエンティン・タランティーノ、2012)
ラブレス(アンドレイ・ズビャギンツェフ、2017)

28.ニコラ・パリゼ(『アリスと市長』)

Abus de faiblesse(カトリーヌ・ブレイヤ、2013)
ブライト・スター いちばん美しい恋の詩(ジェーン・カンピオン、2010)
ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択(ケリー・ライカート、2016)
ローマ法王の休日 (ナンニ・モレッティ、2011)
湖の見知らぬ男(アラン・ギロディ、2013)
ジェラシー(フィリップ・ガレル、2013)
ブリッジ・オブ・スパイ(スティーヴン・スピルバーグ、2015)
ツイン・ピークス The Return(デヴィッド・リンチ、2017)
Virginia/ヴァージニア(フランシス・フォード・コッポラ、2011)
ハニートラップ 大統領になり損ねた男 (アベル・フェラーラ、2014)

29.コルネリウ・ポルンボユ(『トレジャー オトナタチの贈り物。』)

バスターのバラード(コーエン兄弟、2018)
メランコリア(ラース・フォン・トリアー、2011)
マッドマックス 怒りのデス・ロード(ジョージ・ミラー、2015)
湖の見知らぬ男(アラン・ギロディ、2013)
万引き家族(是枝裕和、2018)

30.ジョアン・ペドロ・ロドリゲス(『鳥類学者』)

ブンミおじさんの森(アピチャッポン・ウィーラセタクン、2010)
アッテンバーグ(アティナ・ラシェル・ツァンガリ、2010)
The Ballad of Genesis and Lady Jaye(Marie Losier、2011)
ホーリー・モーターズ(レオス・カラックス、2012)
ホース・マネー(ペドロ・コスタ、2014)
夜の海辺で一人(ホン・サンス、2017)
帰れない二人(ジャ・ジャンクー、2018)
ラ・フロール 花(マリアノ・ジナス、2018)
未来を乗り換えた男(クリスティアン・ペッツォルト、2018)
ペイン・アンド・グローリー(ペドロ・アルモドバル、2019)
行者(ツァイ・ミンリャン、2012)
ツイン・ピークス The Return(デヴィッド・リンチ、2017)

31.ジョシュ・サフディ(『アンカット・ダイヤモンド』)

ファントム・スレッド(ポール・トーマス・アンダーソン、2018)
女王陛下のお気に入り(ヨルゴス・ランティモス、2018)
マーガレット※ディレクターズカット(ケネス・ロナーガン、2011)
恋するリベラーチェ(スティーヴン・ソダーバーグ、2013)
アンダー・ザ・スキン 種の捕食(ジョナサン・グレイザー、2013)
ウルフ・オブ・ウォールストリート(マーティン・スコセッシ、2013)
インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌(コーエン兄弟、2013)
アクト・オブ・キリング(ジョシュア・オッペンハイマー、2012)
神々のたそがれ(アレクセイ・ゲルマン、2013)
Bitter Lake(アダム・カーティス、2015)
パラサイト 半地下の家族(ポン・ジュノ、2019)

32.レオノール・セライユ(『若い女』)

1. メランコリア(ラース・フォン・トリアー、2011)
2.おおかみこどもの雨と雪(細田守、2012)
3.ポエトリー アグネスの詩(イ・チャンドン、2010)
4.アンダー・ザ・スキン 種の捕食(ジョナサン・グレイザー、2013)
5.ブンミおじさんの森(アピチャッポン・ウィーラセタクン、2010)
6.三姉妹~雲南の子(王兵、2013)
7.パラサイト 半地下の家族(ポン・ジュノ、2019)
8.わたしはロランス(グザヴィエ・ドラン、2012)
9.Merci Patron !(フランソワ・ルッファン、2016)
10.トイ・ストーリー3(リー・アンクリッチ、2010)

33.アレクサンドル・ソクーロフ(『フランコフォニア ルーヴルの記憶』)

ロシア映画の巨匠アレクサンドル・ソクーロフは次のようなメッセージを残しています。

「今日、私は断言できます。自分は映画館のファンではないと。私は滅多に流行に乗っかって映画を観ることがなくなってしまった。従って、私のリストは出せる限りのものであります。」

Вечное возвращение. Кастинг/Eternal Redemption: The Casting(キラ・ムラトヴァ、2012)
「間違いなく、その時代の最も重要な女性監督の作品を最初に引用するでしょう。」

ワレサ 連帯の男 /残像(アンジェイ・ワイダ、2013-2016)
「ワイダは私にとっても近い監督だ。世界の中で最も素敵で賢い映画人である。」

¡Vivan las antípodas!/アクアレラ(Viktor Kossakovsky、2011-2019)
「映画の中のノーベル賞があれば、Viktor Kossakovskyに与えたい。彼の、撮影や内容の文法を人間的にさせる例外を示したことに対して。この巨匠は映画館にある存在を正当化させます。全ての欠点や誤りをもって。」

Diamons/Sac sans fond(ロスタム・ハムダモフ、2010-2017)
「ロスタム・ハムダモフは孤高のアーティストでも特殊な画家ではない。映画の理想を守る監督だ。絶対的権威だ。」

ハウス・ジャック・ビルト(ラース・フォン・トリアー、2018)
「このリストの中で、ヨーロッパ映画中のヨーロッパ映画としてこいつが占められる。」

神々のたそがれ(アレクセイ・ゲルマン、2013)
「アレクセイ・ゲルマンの著名な作品さ。」

UNE JEUNESSE RUSSE(アレクサンダー・ゾロトキン、2017)
「ロシアの若い現代映画監督、ソ連映画を忠実に翻訳する奴だ。」

Easy Fault/Fear(Marika Musaeva、2015-2018)
「最後に、センシティブで強くて有望な女性監督Marika Musaevaの作品を引用します。」

34.エリア・スレイマン(『It Must Be Heaven』)

効遊 ピクニック(ツァイ・ミンリャン、2013)
さよなら、人類(ロイ・アンダーソン、2014)
ファントム・スレッド(ポール・トーマス・アンダーソン、2018)
アイリッシュマン(マーティン・スコセッシ、2019)
希望のかなた(アキ・カウリスマキ、2017)
万引き家族(是枝裕和、2018)

※エリア・スレイマンの講評がその後に長文で綴られているのですが、それは実際に手にとってお確かめください(単にソクーロフのコメント翻訳に力尽きただけです笑)。

35.富田克也(『バンコクナイツ』)

ジョーカー(トッド・フィリップス)
ブンミおじさんの森(アピチャッポン・ウィーラセタクン、2010)
ホース・マネー(ペドロ・コスタ、2014)
ハニートラップ 大統領になり損ねた男 (アベル・フェラーラ、2014)
アンジェリカの微笑み(マノエル・ド・オリヴェイラ、2010)
カルロス(オリヴィエ・アサイヤス、2010)
ツイン・ピークス The Return(デヴィッド・リンチ、2017)
ウルフ・オブ・ウォールストリート(マーティン・スコセッシ、2013)
運び屋(クリント・イーストウッド、2019)
アンストッパブル(トニー・スコット、2010)
The Long Walk(マッティ・ドゥ、2019)
In The Life Of Music(ケイリー・ソー、 ソック・ウィサル、2018)
月夜釜合戦(佐藤零郎)

36.ジャスティーヌ・トリエ(『ヴィクトリア』)

ゴーン・ガール(デヴィッド・フィンチャー、2014)
インサイド・ヘッド(ピート・ドクター、2015)
ありがとう、トニ・エルドマン(マーレン・アーデ、2016)
ヴィジット(M・ナイト・シャマラン、2015)
死霊館(ジェームズ・ワン、2013)
RAW~少女のめざめ~(ジュリア・デュクルノー、2016)
ヘレディタリー/継承(アリ・アスター、2018)
The Knick /ザ・ニック(スティーヴン・ソダーバーグ、2014-2015)※TVシリーズ
ガールフレンド・エクスペリエンス (エイミー・サイメッツ、 ロッジ・ケリガン、2016-2021)※TVシリーズ
Girls/ガールズ(レナ・ダナム、2012-2017)※TVシリーズ

37.アリス・ウィンクール(『約束の宇宙』)

帰れない二人(ジャ・ジャンクー、2018)
シチリアーノ 裏切りの美学(マルコ・ベロッキオ、2019)
ファントム・スレッド(ポール・トーマス・アンダーソン、2018)
アンダー・ザ・スキン 種の捕食(ジョナサン・グレイザー、2013)
スプリング・ブレイカーズ(ハーモニー・コリン、2013)
メランコリア(ラース・フォン・トリアー、2011)
ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択(ケリー・ライヒャルト、2016)
アクトレス~女たちの舞台~(オリヴィエ・アサイヤス、2014)
アメリカン・ハニー(アンドレア・アーノルド、2016)
BPM ビート・パー・ミニット(ロバン・カンピヨ、2017)

最後に

異様に『ブンミおじさんの森』、『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』、『湖の見知らぬ男』好きが多い個性的なラインナップになっています。みんな自分の10年を振り絞るように個性的なベストテン(10本選んでいない人多い気が...)となっていました。

ちなみに、私の2010年代ベストテンは下記です。



1.痛ましき謎への子守唄(ラヴ・ディアス、2016)
2.The Forbidden Room(ガイ・マディン、2015)
3.ジャネット、ジャンヌダルクの幼年期(ブリュノ・デュモン、2017)
4.CLIMAX クライマックス(ギャスパー・ノエ、2018)
5.ホーリー・モーターズ(レオス・カラックス、2012)
6.ニンフォマニアック(ラース・フォン・トリアー、2013)
7.ブラック・ミラー:バンダースナッチ(デヴィッド・スレイド、2018)
8.ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ(ビー・ガン、2018)
9.Mommy/マミー(グザヴィエ・ドラン、2014)
10.マッドマックス 怒りのデス・ロード(ジョージ・ミラー、2015)

また、1,500円の有料マガジンですが、《死ぬまでに観たい2010年代映画100》で2010年から2019年まで10本ずつその年の顔となる映画を選出した累計14万字のデジタル同人誌を書いています。

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ってわけで2020年代も皆さんにとって良い映画時代になりますように...

以上


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