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蕎麦を知る。蕎麦にまつわる検定・資格

 こんにちは、茶屋ファームの吉田です。年が明けますと、今年の抱負を考えたりしますよね。去年からEijyoさん主催の蕎麦食推進クラブ「さざれ石」に参加していますが、会報を読んでいますと良い記事ばっかりで知識欲が刺激されまくりでした。

 蕎麦について知らなすぎると思い、体系的に学びたいという気持ちが高まっています。調べてみるとチャレンジしてみたいものが出てきましたので、せっかくですから皆さまと共有したいと思います。(※そば打ちの技能に関するものは一旦置いときます。)

■ そばリストそば学検定

 NPO法人そばネットジャパンが実施する『そば学検定』は、そばに関する歴史・文化・栽培・製粉・栄養など幅広い分野が学べます。

 全部で7科目あり、3科目合格で学士、5科目合格で修士、7科目合格で博士の学位が授与されます。これは博士号を狙うしかないですねー。

「博士」という響きへの憧れ。名乗りたい。

 科目はバラエティーに富んでいまして、以下のようになっています。検定委員(テキスト執筆者)の方々のお名前も記載させていただきます。(敬称略)

【そば学検定全7科目】
Ⅰ.そばの歴史とそば食文化学 
 A 江戸蕎麦文化 …ほし ひかる(NPO 法人江戸ソバリエ協会理事長)
 B そば切りの起源と江戸のそば屋 …岩﨑 信也(蕎麦研究家)
Ⅱ.ソバの植物学と食品科学 …井上 直人(信州大学名誉教授)
Ⅲ.そば料理学 …永山 寛康(蕎麦・蕎麦料理企画教習 永山塾主宰)
Ⅳ.そば打ちの身体学・心理学・論語
 A そば打ちの身体学 …足立 和隆(元筑波大学准教授)
 B そば打ちの心理学 …小野 常夫(精神科医)
 C 論語から学ぶ ~心の処方箋~ …打越 竜也(大東文化大学地域連携センター講師)
Ⅴ.そばの栄養学
 A そばの栄養学 …池田 清和(神戸学院大学名誉教授)
         …池田 小夜子(元神戸学院大学栄養学部教授)
 B 食物アレルギー学 …西本 創(さいたま市民医療センター副院長 本アレルギー学会アレルギー専門医指導医)
Ⅵ.日本の伝統食文化(和食)学 …的場 輝佳(奈良女子大学名誉教授)
Ⅶ.郷土そばの技術と魅力学 ※現在、テキスト編集中

 受検の流れとしてましては、①テキスト購入→②集中講座受講(※ビデオ講座受講も可)→③科目ごとの検定→④合格科目数により学位授与となります。日程や受検料などについては、下記のサイトをご確認ください。令和7年度についての詳細は未だのようですが、テキストはいつでも購入できます。

■ 蕎麦鑑定士

 こちらは日本蕎麦保存会が主管する認定資格です。蕎麦鑑定士とは、「日本蕎麦について正確な知識を持ち、蕎麦の味を判別する能力を持った人」と定義されています。4級~1級まであり、飛び級はできません。1級へ到達するには最短で4年かかります。

 認定までの流れをざっくりまとめると、以下のようになっています。

①テキストを読む。
②蕎麦屋さんに実際に行って食味レポートを提出する。
③次のテキストを読み、また新たな食味レポートを提出。
④配信される2本の動画を見る。
⑤食味レポートを4件以上提出するとペーパーテストが届くので、解答して提出。このテスト提出により「食味体験会」への参加資格が得られる。
⑥「食味体験会」に参加し、12種類の蕎麦を味わう。最後にそれまで味わった蕎麦のなかから1種類が再度出されるので、どの蕎麦だったかを当てる。いわゆる利き蕎麦。
⑦その後、蕎麦の専門家の講義を受講する。
⑧すべて通過すると晴れて蕎麦鑑定士に認定される。

 まさに「蕎麦の味を判別する能力」が問われます。これはハードルが高そうです。でも認定されると「違い」が分かる確かな証明になりますよね。そういえば昔、ネスカフェゴールドブレンドのCMで「違いが分かる男」というコピーがありました。「かっこええなぁ」と思っていた記憶があります。

分かっていそうで、実は何も分かっていない顔

 ちなみに受講生が提出した食味レポートがこちらで紹介されています。

 「食味体験会」は毎年1月か2月に東京で開催されていますが、「行くのが難しい。」という人向けに「準級」が設けられており、準4級から準1級へとステップアップすることができます。後から「食味体験会」に参加して準級解除してもらうことも可能です。

■ 江戸ソバリエ

 こちらは特定非営利活動法人江戸ソバリエ協会が認定する、江戸蕎麦の通人を表す民間資格です。耳学(うんちく)、手学(蕎麦打ち体験)、舌学(食べ歩き)、脳学(考える)の4科目からなる総合講座です。

 令和6年の耳学講座の内訳をご紹介いたします。

【江戸ソバリエ認定講座 基礎コースの科目と講師(敬称略)】
・『よい蕎麦粉とは』 池田製粉(株)代表取締役 池田 康一朗
・『江戸の出汁』 (株)にんべん 荻野目 望
・『江戸蕎麦のつゆ』 元日本醤油技術センター常務理事 田上 秀雄
・『こくとうま味』 和食文化国民会議会長・甲子園大学学長 伏木 亨
・『東京の蕎麦打ち』 梅島藪重店主 石井 啓之
・『創作蕎麦料理の秘密』 料理研究家 林 幸子
・『お江戸育ちの日本蕎麦』 江戸ソバリエ認定委員長 ほしひかる
・『江戸の薬味』 江戸東京伝統野菜研究家 大竹 道茂
・『酒と蕎麦』 菊正宗酒造 元記念館長 村田 祥
・『江戸・東京の蕎麦屋』 総本家更科堀井9代目当主 堀井 良教

 科目名を見てるだけで楽しくなってくるようなラインナップですね。最近に開設された上級コース『江戸ソバリエ ルシック』もあります。こちらでは、きれいな食べ方を評価する舌学コンテストが行われます。江戸っ子の蕎麦の食いっぷりを伝承しようとする心意気が感じられますね。

 詳細につきましては、こちらをご確認ください。

 9月は農繁期で江戸ソバリエの受講は難しそうですが、そば学検定と蕎麦鑑定士は挑戦してみようと思っています。noteでも進捗をご報告いたします。新年の誓いがもろく崩れ去るか、はたまた成就するのか、見守っていただけると幸いです。


 ところで話が変わりまして、Eijyoさん主催のクラブ活動に参加しております。その名も「蕎麦食推進クラブ『さざれ石』」。ハッシュタグをつけて投稿する気楽な感じの活動です。蕎麦に興味がある方はお気軽にご参加いただけると嬉しいです。一緒に蕎麦食を盛り上げていきましょう!

 粒ぞろいの会報です。ぜひマガジン登録もよろしくお願いします!

#蕎麦食推進クラブさざれ石

 文中の画像は「ぱくたそ」さんのフリー画像を使用しています。

おしまい。


 私ども茶屋ファームは富山県南砺市利賀村で主にソバの栽培をしている農業法人です。日頃の農作業や六次産業化の過程、そばを使った料理、蕎麦についての豆知識など色々と発信していこうと思っています。
 ご興味を持っていただけましたら「スキ」や「フォロー」もよろしくお願いします。「コメント」もお待ちしております。お気軽にどうぞ。
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