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茶屋のお便り年末年始号《前半》~製粉模様とそば粉の種類~
ご近所の方から茶屋ファームのそば粉を使った年越しそばが食べたいというオファーをいただきました。さっそく製粉してきましたので、その模様をお伝えしたいと思います。そば打ちは村の名人にお願いする予定です。
■ 磨き
磨き機(写真を撮り忘れてしまいました)を使って玄そばの表面のゴミやほこりを落としたり、混入したそばの茎などを除去します。これをしないと雑味が邪魔をして、そば本来の香りや味が損なわれてしまいます。
ちなみに玄そばを出荷する際は磨いてから出荷しています。下の写真は磨き後の玄そばです。ちょっとピントが怪しいですが、ツヤツヤです。
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■ 全粒粉
全粒粉とは、そば殻以外をすべて挽き込んだ香りや味が濃いそば粉です。今回は全粒粉を製粉しました。そば粉には一番粉、二番粉、三番粉とありまして、これらにつきましては後ほど触れます。まずは下の2枚の写真をご覧ください。
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非常に大雑把にご説明しますと、上の写真の機械で玄そばの黒い殻を剥がして飛ばします。それから下の写真の石臼製粉機で粉にしていきます。石臼は摩擦熱を持ちにくい構造になっており、そばの風味を損ないません。今でも現役なすごいやつですが、とにかく時間がかかります。ちょっとした製粉業者だと、この石臼製粉機を100台以上稼働させていたり、もしくは水冷式の大量生産型製粉機を使用しています。
■ 自動ふるい機がほしいお年頃
石臼の出番が終わると、ふるいをかけて不純物を取り除きます。共用施設には自動ふるい機がないので手作業です。いつか買います。腱鞘炎になる前に。
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黙々と作業を続け、仕上がったのが次の写真です。美しいですねー。食べちゃいたい。
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しばらく寝かせてから、そば打ち名人のところへ持っていきます。本当は「三たて」という言葉がありまして、挽きたて・打ちたて・茹でたてが一番美味しいそばだと言われますが、やむをえません。いつ雪が降りだすか分からないものでして。
そば粉は来年オンラインショップなどで販売をする予定です。デザイン性だけでなく郵送料との絡みもあり、包装をどうするか決めるのに時間がかかっています。販売までこぎつけられたら、そばの手打ちやお菓子作りにも使っていただけたらなと思っております。
茶屋のお便り年末年始号《後半》では、岩魚の焼き干しを出汁にしたそばつゆづくりと年越しそばの実食の模様をお伝えします。
■ そば粉の種類
◇ 一番粉
一番粉とは、そばの胚乳の中心部が粉になったもので、最初に出てくるため一番粉と呼ばれています。色のついた甘皮が混ざらないため真っ白で、でんぷん質が多く、のど越しの良い「更科そば」に使われます。
◇ 二番粉
一番粉に続いて取れる、そばの胚乳の残りや胚芽部が粉になったものが二番粉と呼ばれます。そばらしい色や香りがありタンパク質などの栄養価に富んでいます。食味と食感のバランスが取れたそばに仕上がります。
◇ 三番粉
二番粉に続いて取れ、より外殻に近い部分から挽き出されます。甘皮も挽き込むので緑がかったような色になり、香りも強く、「藪そば」に使われます。
「更科そば」と「藪そば」は江戸三大そばと言われています。もうひとつは「砂場そば」ですね。詳しくは江戸っ子さんのこちらの記事をご一読くださればと思います。
私がそばの食文化についてもっと勉強しようと思った記事でもあります。お恥ずかしながら、更科そばしか知りませんでした。こうしたことを知ると、そばの味わい方もまた変わってくるのかなと思っています。
私ども茶屋ファームは富山県南砺市利賀村で主にソバの栽培をしている農業法人です。日頃の農作業や六次産業化の過程、そばを使った料理、蕎麦についての豆知識など色々と発信していこうと思っています。
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