ユーザーになりきって自分たちでユーザビリティを評価する価値
こんにちは!Chatworkプロダクトデザイン部のUIデザイナーかねこです。
プロダクトデザイン部では現在、ユーザビリティとアクセシビリティ、2つのエキスパート・レビュー(以下ER)を実施しています。このブログでは、これまでに2本の記事をお届けしてきました。
ERとは?どんな取り組みをしているの?については以下の記事を
アクセシビリティのERについては以下の記事をご覧ください。
今回の記事では、ユーザビリティのERを半年間取り組んでみて感じたことを中心にお伝えします。
ユーザビリティのERでやっていること
を、もう少し具体的に説明すると、評価を起票とレビューに分け、それぞれ以下のようなことをしています。
起票する
ユーザビリティ課題をみつける(ユーザー視点/認知的ウォークスルー)
ヒューリスティックスを選択する(エキスパート視点)
種別を選択する(エキスパート視点)
レビューする
深刻度を5段階評価でつける(エキスパート視点)
起票とレビューの担当を変えて、一つの起票に対して複数人でレビュー(再評価)をし、客観性のある評価になるように工夫をしています。
半年間やってみて
2022年1月〜6月の間、2名で取り組んでWebとiOSのERを終えました。 総起票数は406件。ユーザビリティの課題の数であり、改善ができる数でもあります。
なぜ使いづらいのかが明らかになる
ヒューリスティックスと種別を組み合わせて判断することで「なんか使いづらい」という漠然としたUIの課題ではなく、使いづらさの根拠が見えるようになってきました。
種別とは、文言や構造・画面構成など影響する対象を分類したものですが、例えば「一貫性と標準」×「構造」の組み合わせであれば根本的な課題であると認識することができたり、「エラーと予防」×「文言」であればライティングの課題と考えることができます。
使いづらさの原因を自分たち自身で認識していくと、新たにUIを考える場合にも意識しますし、UIデザイナーとしてERはとても学びが多いです。
課題の傾向を認識できる
起票をする際はヒューリスティックスや種別に加えて以下のような項目を入力しています。
クライアント(Web/iOS/Android)
カテゴリー(チャットやタスクなど、Chatworkの機能を大きく分類したもの)
これらをかけ合わせて、半年間の傾向を分析。
例えば、チャットに対する起票が多いけど深刻度が4以上のもので絞ると別のカテゴリーに集中していたり、数も深刻度も高いヒューリスティックスが突出していたり。
自分たちのユーザビリティのどこに課題があるのか傾向を認識することができます。
ユーザーになりきることの難しさ
認知的ウォークスルーを取り入れて自分たちがユーザーになりきって評価をするわけですが、作り手ゆえの余計な知識がちらつくことがあります。
使いづらいと感じるのか、出来ないと感じるのか、自分たちではなくユーザーだとどうかで評価する必要があります。視点を保つためにお互いのレビューを確認したり、つい自分たちの視点で考えてしまうクセを取り除く経験が必要だなぁと感じています。
自分たち自身でレビューもおこないますが、協力会社さんにも入っていただいています。レビュワー(再評価者)によって深刻度の付け方に差があったり、ヒューリスティックスの選択に見直しの必要性を感じるなど、第三者のレビューを知ることで気付かされることが多かったです。
これから取り組んでいくこと
評価の結果を反映していく
評価して終わりではプロダクトの改善につながりません。
ERで出たユーザビリティの課題を改善して反映していくことが大切です。その活動は「デザインカイゼンNEO」と命名して実施しています。こちらも今後ご紹介していきます!
今後は実際の改善に結ぶ数を増やしつつ、新たにメンバーも拡充して継続して実施し品質の担保につなげていく予定です。
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