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太宰治の命日(実際は発見日)桜桃忌はいつ?何日?【水木しげるの太宰嫌いと玉川上水の話】
わたしは、太宰治がすごく好きかと言うと、なんだか惹かれるけど、読むとものすごくメンタルをやられてしまうので、実は極力、もう、読まないようにしている。
じ、じ、実際に、中学~大学生のあたりで、その、太宰に嵌まった結果、マジで人生転落した友人も2-3人おりまして。。。
なんなんだこの毒性。こんなん明らかに危険だろ。教科書なんかにしていい本とは違うだろ!
ただ、不思議に、本当に病みつきになるような文章。
結局、好きです。太宰治。
『斜陽』とか、本当に、本当に、美しい。
↑あらまあ、無料とな!!!
。。。。ところで
一般的には『なんか凄まじく不健康だけど魅力的だし教科書にも載ってる文豪で凄いし偉い人だよね~』と高い評価を受けている太宰治だが、そんな太宰を真っ向から全否定した人がいる。
そう、水木しげる先生である。(えッ)
しかもその否定の仕方がピントずれた方向にアツくて。
(しげるの太宰disはここに書いてあります↓)
水木センセは太宰が玉川上水のような浅いちっちゃい小川なんかで4ねたことがなんとしてもひたすら納得いかないらしいのである。
自殺するには玉川上水は
『小川すぎる』
『猫も死ねない』
『浅すぎる』
『捨て猫も死にかねるような小川』
『どうにも信じられない』
『海軍の戦友も同意見だった』と
言いたい放題である。
MCラップバトルっぽい脳みそ使ってないシンプル悪口が満載である。
とにかく水木しげる先生は、玉川上水の水流の強さ、水深、川幅、があまりにもしょぼいって話を繰り返し繰り返し語るのである。
ちなみに玉川上水の近くに住んでいる友人(太宰治好き)も
『いや。私もしげるの気持ち解かるよ。』
『だって玉川上水で死ぬって難しすぎない?マジで小川だって!』
と言い出したので(オイッ、ファンのくせにそれ言うか!)というか
(でも...。えっそうなの?そこまで、そこまでのせせらぎなの?)
…つまり本当に小川なのかもしれない。。。
水木先生!水深に!水深に!こだわり過ぎ!
いやまあ。
水木先生は餓死寸前の栄養状態で南方戦線で負傷後に敵と現地民に追われて大けがしたまま三日三晩大海原で夜光虫に血を吸われ、サンゴで足を切りつつ、たいまつを持った現地民に追跡されながら
南方の海洋
を遠泳の技と根性で見事泳ぎ切って生還されましたので
水木先生にはそれを言う権利は十二分にあると思います。
水木しげるが繰り返しおっしゃる
『戦死した人間はものすごく生きたかったんです!死にたくなかったんです!』
「水木さんの迷言366日」 P253 より
という言葉を思い出すに、しげる先生の言葉にはただの悪意や嘲りではなく、切ない、真に迫る、死んだ戦友の魂まで背負い乗り移ったかのような本気の怒りのお気持ちなのだと解るのだ。だから、水木しげる先生の「玉川上水太宰治ディスり」は決してからかいなんかじゃない、水木しげる先生は亡くなった戦友を思い心からのやるせない怒りの言葉つまり「おれたちは喉から手が出るほど生きるチャンスが欲しかったんだ!!!!太宰よ!こんなに生きれる幸せになれるチャンスがふんだんにあったんだからちゃんと生きて幸せになればよかったのに自分から無駄に不幸になりおって…アホなのか?!?!アホなんだな?!?!?あまりにも勿体ないだろ!!!!」って気持ちなんだろうな。
そっちも、ものすごくよく解るのだ。
しかし、でも、けど。やっぱり。私は太宰治をメチャクチャにディスるこれぞ健康メンタルな水木しげる先生が大好きであるけど、もちろんどっちかだけ推すなら圧倒的にしげる推しですけど、
でも同時に、最低に迷惑千万だけどでもやっぱり究極ダメ人間や最低な転落人生にまでもに引き込まれてはならない妖しく美しい強烈なポエジーやら堕落の魅力を与えてしまえる、そんな危険人物、太宰治のイケナイ魅力、それはしげる路線とは違うまた一つの(不健全だけど)強烈な生命力の発露だと思っていて、実は、いまだに、こっそりと、太宰にもいまだにちょっぴり心惹かれ続けちゃったりはしているのです。
『秋の叙勲で、旭日小授賞を貰った。僕は名誉なこととは思うが、生きたくてたまらなかったのに戦争で無念に死んだ人にあげたい。』
「水木さんの迷言366日」 P253 より