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大好きだった

恋愛において、心から尊敬できるお付き合いって中々出来ないと思う。

初めに言うと私は一目惚れするタイプではない。
彼とは出会ってひと月くらい、会ったのも数える程度。それなのに彼と話す時間、過ごす時間が心地よくて幸せで。彼の手、低くて柔らかい声、匂い、穏やかな話し方、心遣い、考え方、知れば知るほど愛おしくて心から尊敬できた。

今までの恋愛も幸せだと思っていた。なのに自分の中でどこか冷静な自分がいて、どうしてもその人と恋愛している自分が好きになれずに、素の自分でいられない事がよくあった。

ただ彼といる時は違った。
彼といる自分が本当に幸せそうで好きだと思えた。


だから、彼とお付き合いできた時は本当に嬉しかったし今思えば舞い上がっていたんだと思う。

『塵も積もれば山となる』

本当にその通りで、好きの一方通行で彼に歩調を合わせらなかった私はゆっくり歩み寄ってくれていた彼を自分から遠ざけたのかも知れない。

今、恋が終わってから冷静になってわかったのは彼はいつでも私のことを思う小さな気遣いや優しさ、誠実さで関わってくれていた事。

短すぎた彼との時間は、私にいろんなことを教えてくれた。こんなにも自分の未熟さを痛感して成長したいと思わせてくれた。

本当に凄く素敵で、大好きだった。

今はもう少しだけほろ苦い思い出と一緒に休息したい。
それからもう少し中身を磨いて、彼が私にしてくれたように人の事を考えた気遣いや優しさを向けられる人になって、今度こそ大切な人の気持ちを大事にしたい。

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