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なぜ大学院に入ったのか?


僕にとってのMBA

MBAと聞くと、いろいろな解釈が出来ますよね。
大抵の人は「Master of Business Administration」とビジネススクールで学位を取得できる経営学修士を意味していると考えますが、クレジットカードにうるさい人は「Marriott Bonvoy Amex」(マリオット・ボンヴォイ アメックスカード)のことを指すかもしれません。

今回取り上げるのは経営学修士としてのMBAについて書きます。
僕がMBAを取得したいと思った理由は「友達作り」「好奇心」「学位」の3点です。
人間ドック施設の事務長として曲がりなりにも経営をしてきた身としてはMBAで学んだ理論を思い出す暇はない(僕は記憶力ゼロ)ですし、意思決定は長くても10分程度で終えないといけないので、ある意味直感的に判断をせざるを得ない場面が多いと思います。

もちろん、MBAでのインプットがあってこその意思決定・判断だと考える人もいるでしょうが、本質的には業務や社内情報を通じて得られた情報をもとに自分なりに考えて決断するだけなので、そこにMBAで得た知識が効果的に活用されているかどうかは個人的には疑問に感じるところであります。(だってMBAで学んだことを意識してないもん)

経営コンサルタントみたいに自社のことを第三者視点で考え抜くことが出来れば苦労はしないですが、良くも悪くも社内事情に精通しているので「これはできないな」という思い込みが色濃く出てしまい、結果的に深く考え抜くことが難しいのだと考えます。

とはいえ、MBAが全く意味のないものと断定はできないんですよね。
講義でディスカッションしたケースが話のネタになるので、会社の同僚や同期と会話する際に解決策の糸口となったり、家族との会話が増えたりするので人間関係構築という意味では「アイツに話せば何か出てくるかも!?」という頼られるポジションを獲得できることが結構おいしいんですよね。

個人的な経験に基づいたMBAの良い面・悪い面について少しばかり紹介したところで、MBAを目指している諸君に参考になる情報を提供したく、僕のMBA入学の経緯を紹介することにしました。

プロローグ:学費問題

世界的に日本のMBAの学費は安いとは言っても、年間で150万円くらいなので目安としては私立理系大学の学費と同等です。(僕の出身大学は165万円/年でした)
しかも、飲み代や交通費等を考えると、単純に月額15万円程度の学費が掛かるわけなんですね。(15万円×12ヶ月=180万円)
日本で生活することにおいて、この金額は結構大きいので経済的な理由で通学を断念する人が少なくないと考えます。
特に家庭を持たれている方はパートナーの理解を得る必要があり、MBAに通うための壁はとてつもなく高くなります。

僕の場合は、生活費や家賃などは全部自分持ちなので貯金は出来ているものの、MBAのために学費を捻出するのはよっぽどの覚悟(超節約生活)がないとできない状態です。
特にMBA入学前の僕の生活は妻が専業主婦(扶養範囲内のパート)で、そのなけなしのパート代は妻のスマホ代やお菓子代に消えるので、妻にお金を出してもらうことも出来ないんですね。

それに加えて「絶対にMBAに通いたい」という強い意思があったわけではなく、学費を捻出するなら旅行に行きたいと思っていたくらいなので書けば書くほど、僕は経済的な意味でMBAとは全く無縁な人間だったわけです。

相続税の調査

僕の家系は生き延びた方で50代で逝去することが多く、僕の祖父が60歳で逝去したのが最高齢でした。
入学前、僕の父親の年齢がちょうど60歳だったので相続税のことが脳裏にチラついてました。

そんなある日、「相続税を絶対に払いたくないマン」の僕は贈与税について調べていたんですね。
ルールを守りながら如何にお得に生きていけるか、そんなことを考えながらふと目に留まった特例がありました。

贈与税の非課税制度 結婚・子育て資金の贈与の特例
親や祖父母から、18歳以上50歳未満の子や孫へ「結婚・子育て資金」を非課税で贈与できる制度。非課税限度額は1000万円です。

https://souzoku.asahi.com/article/12988066

実際にこのページを見たかどうかは覚えていませんが、贈与税には非課税の特例があり、簡単に説明すると「結婚」「教育」「住宅購入」に必要なお金を贈与する場合は贈与税が免除されるようです。

大きな金額を使って何かしたいわけではないけれど、どうせ国に多額の税金を払うくらいなら、非課税枠を最大限に活用して何か自分のためになることをやろうと思ったんですね。

英会話スクールやプログラミング教室、料理教室なども非課税枠の利用対象ではある(うろ覚え)のですが、どうせ勉強するなら資格や学位が欲しいなと考えた結果、まずは名古屋商科大学のMBAについて調べることにしました。

専門実践教育訓練給付金

名古屋商科大学のMBAはハローワークからの給付金支給対象であるため、
「単に通ってるだけでお金が貰える!なんとすばらしい学校なんだ!」と思い即決で入学を決めました。
なので、他のMBAは調べていないです。

お金の流れとしてはこんな感じです。
「非課税枠の特例で贈与される」(僕のお金になる)

「僕のお金で学費を払う」

「給付金が支給される」(僕のお金になる)

僕の記憶と解釈が正しければ1年半の早期卒業よりも、2年間フルで通学すれば給付金の総支給額が微妙に大きかった気がするので2年プランで通学することを考えました。

贈与のお願い

相続税の支払いは贈与税の非課税枠を利用することで抑えられ、給付金の支給でちょっとしたボーナスが貰えるプランは作ったは良いものの、
そもそも、贈与されなければこの計画は破綻するわけですね。

両親への説得を何が何でも成功させる必要があります。
僕が使った方法は至ってシンプルで、成り行きプランと贈与プランを作って説明しました。

つまり、両親が75歳で逝去した場合
①このまま何もしなかった場合の税金の支払い額
②贈与する場合の税金の支払い額
について、両親の資産状況をヒアリングして各税金の定義通りに計算をしてみました。
税金の支払い額が少ない方が子供に残せる金額が増えます。

不動産や金融資産などを含めた資産を相続する場合、相続税は3600万円までは無税で相続されるので、逝去したタイミングで3600万円以下に資産を減らす計画を立てることが出来れば良いわけですね。
良くも悪くも昭和で育ったまともな親世代は一軒家やマンションを購入しているので、意外と資産はあるんですよね。

老後に収入減がないことに対する不安だとか、現預金がかつてないほど減ってしまうことに対する不安など、両親の不安は色々ありましたが
「最悪、僕が払いますから」という魔法の言葉を何度か利用して、何とか預金を引き出すことに成功しました。

支払った税金がちゃんと有効活用されているのかなどの疑問があり、僕は税制度をあまりよく思っていなかったのですが、
両親の貯金を引き出すための話題作りとしては結構有効な手段だなと改めて感じた瞬間でした。

MBAを取りたいと思った理由

税金を絶対に払いたくないマンの相続税・贈与税について調べたことがきっかけで自分の「教育」に投資をすることになりました。
教育といっても、英会話スクールやプログラミング教室、医学部入学(大学入試を再受験する)、数学の修士取得などなど、様々な選択肢がある中で「なぜMBAだったのか」「なぜ名古屋商科大学だったのか」を紹介したいと思います。

友達作り

社会人になると、友達がなかなかできないですよね。
僕は老後を見据えた友達作りが目的で切磋琢磨できる友人が欲しいと思って新しいコミュニティに飛び込んでみることにしました。

忘年会やBBQ、限界焼肉(限界を超えて焼き肉を食べる)などのイベントを毎年2~3回程度企画するので友達には困っていないのですが、ひとつ深刻な問題があります。

大学や高校を卒業してから、時間経過とともに話す内容が段々薄くなってきて、昔話を中心に一瞬盛り上がるわけですが、それも束の間で、段々と結婚、子供、離婚、健康など一般的で当たり障りのない内容について話すようになり、結構つまらないんですよね。

一生懸命になって切磋琢磨できるような環境に身を置けば、苦労した分、必ず面白いことが起こる(=話題には困らない)と考えているタイプなので、いわゆる緩い環境(プログラミング教室や料理教室など)には身を置かないようにしたいと考えていました。

一方で、厳しすぎる環境(徹夜するような研究室に所属、全国制覇を目指す野球チームなど)は相当の覚悟を持たないと辛すぎてリタイヤすることになります。

そのため、程良く厳しい環境に身を置くことを考えるとビジネススクールくらいが個人的にはちょうど良いんですよね。

好奇心を満たす

経営学には微塵も興味のなかった大学生活を送っており、大学卒業後は学問としての数学を極めたいと思っていましたが、
ひょんなとこから就職という道を選択することになり、大学卒業後は仕方なくビジネスの世界に身を投じていました。

そこでは経営者というものがおり、およそ論理的ではない判断をしたり、無駄な作業を命令したり、様々な理不尽を何度も経験しました。
例えば、営業の引き合いを出すためにテレアポを禁止し、効率の悪い新規飛び込み営業のみで営業数字を作るように言われたり、
電話で先輩に取り次ぐ際は内線を使わずに走って先輩のもとに行き、要件を伝えることを強制されたりなどがありました。

一方で、AmazonやGoogleのように最近(1990年代)できたスタートアップ企業が業界のゲームチェンジを果たし、世界の富を牛耳っていることもあります。

経営者はどのようなプロセスを経てこのような意思決定をしているのか、成功した企業とそうでない平凡な企業ではどのような違いがあるのか、
ビジネスの世界に身を投じたからにはそういった疑問が出てくるようになり、その好奇心を満たすためにはMBAが打ってつけだと思いました。

意味のある学位

せっかくお金をかけて勉強をするならスキルを身に付けるだけではなく、資格や免許など何か形として残るものが良いなと思いました。
好奇心を満たすという観点でMBAを取得したいと考えたわけですが、せっかく学位を取るなら意味のある場所で学位を取得したいと思いました。
日本ではグロービス経営大学院や慶應義塾大学等が有名ですが、MBA教育を第三者機関が評価する場合はちょっと話が異なります。

日本だけに焦点を当てる場合はネームバリューのある早稲田大学や一橋大学に行けば日本人ウケは結構良いと思います。
仮にそれらの大学を知らずとも、大学入試の偏差値を調べれば何となく格の高さは理解できると思います。

一方で、海外に出るとその様子は結構変わって、日本ではネームバリューのある大学でも無名の大学になるため、国際的にどの程度認められているかが重要です。
例えば、チュラロンコン大学やチェンマイ大学、マヒドン大学とか言われても(知ってる人は知ってるけど)日本人はその価値が分からないように、外国人目線では日本国内のネームバリューはあまり意味を成さないと僕は考えています。

そのため、国際的に価値が認められている教育機関に行こうと考えて、日本国内で唯一のトリプルクラウン校(3つの国際認証を取得している大学)の名古屋商科大学が良いなと考えています。

入学前は教員などの調査をしていなかったので、講義を担当される先生方の経歴(学歴と職歴)を見て何度もおしっこをちびりそうになりました。
あまりにも凄すぎるので、ネームバリューでマウントを取ってもあまり意味はないんだなぁと達観するようになりました。

最後に

ちょうど良く厳しい環境に身を投じて切磋琢磨できる友達作りができ、経営学を体系的にひも解いて学ぶことができ、国際的に教育の品質が評価されている環境が個人的には結構刺さりました。

何をやろうにも様々な障壁が立ちふさがりますが、大抵はお金さえあれば何とかなります。

自己資金で何とかしようと思わないようにし、
責任は伴うけど色々なところから資金調達をして自己実現をすることが大切だと思います。
特に家庭持ちの方は、仕事と家庭の両立を懸念していると思いますが、つまらないプライドを捨てた上で、お金さえあれば何とかなります。

酒を飲み過ぎて帰宅が遅くなって(翌朝に帰宅)も、美味しいご飯にパートナーを連れて行けば機嫌を直してくれますし
家庭を顧みず、育児を放棄して仕事と勉強だけの時間がずっと続いても、誠意を込めて謝罪すると同時に数万円渡せば何とか許してくれます。

そしてお金の問題はちょっと勇気を出して親や銀行などを説得すれば何とかなります。

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