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眠れない夜に 聴きたいのは君の声(テイルズ オブ シンフォニア)

きょう、2024年の8月29日は、『聖剣伝説 VISIONS of MANA』の発売日だ。なによりも気になるのは、マルチプレイができるかどうか。調べてみると、「プレイ人数:1人」の文字が。ま、そりゃそうだよな、と息をつく。

小学生のころ、『聖剣伝説2』を友だちふたりとプレイした。コントローラーを持ち寄って、スーパーファミコンに「マルチプレイヤー5」を挿して。好きな武器を手に取って、3人で連携して敵をけちらしていく。

想像してみてほしい。あの名曲「危機」をBGMにして、強大なボスに立ち向かうときの高揚を。ラーバウェイブのぐつぐつしたSE。ムチのタメ攻撃でとどめを刺す気持ちよさ。「よっしゃー!」と叫ぶ君の声。狭い部屋に3人、ひとつの画面を夢中で眺めながら、コントローラーを忙しく動かしていた。

『聖剣伝説3』では3人同時プレイができなくなったけど、交代しながら冒険を進めた。女性キャラを使うのが恥ずかしい年ごろだったから、ケヴィン、デュラン、ホークアイの男くさいパーティー。みんなクラスチェンジで闇にばっか進むものだから、回復役がいなくて苦労したっけ。小学生だからさ、そりゃあ光より"闇"に惹かれるよね……。

オフラインのマルチプレイで、重厚なRPGを進めるのはたまらなく楽しい。
昔のFFシリーズも、コンフィグでキャラごとに操作(1コン、2コン)を割り振って、協力して進むのが楽しかった。マッシュの「ひっさつわざ」をミスすると、すかさず隣でヤジったりね。

『テイルズ オブ』シリーズも、多人数でプレイするのが楽しかった。上京してからは、ゲームキューブの『テイルズ オブ シンフォニア』を、4人で割り勘で買ってさ。みんなでうちに泊まりこんで、エンディングまで一気にプレイした。

朝から晩までプレイして、みんなで寝て起きて、またプレイして。クリアしたら飲み屋に出かけて、いいゲームだったよな、と4人で冒険を振り返る。二次会でカラオケに行って、主題歌の『Starry heavens』を太い声で合唱する。バカだったなあと思うけど、若いときにバカをやれてよかった、とも思う。

『テイルズ オブ シンフォニア』の発売日も、21年前の、8月29日だ。ハードが次世代に移るにつれ、マルチプレイができるオフラインRPGは消えてしまった。

そのぶんオンラインで繋がれるようになり、それはそれでとても楽しいのだけれど……。やっぱり、あの時代でしか楽しめなかったあの時間は、特別に贅沢だったなあと思うのだ。

眠れない夜に 聴きたいのは君の声
朝日が来るまで語り明かした

(Starry heavens / day after tomorrow)

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