![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/96051520/rectangle_large_type_2_422c0a0304c5f574a1d86783f4f034ef.png?width=1200)
映画音楽史の巨匠から学ぶ、物語と「対話」する力『モリコーネ 映画が恋した音楽家』
監督:ジュペッゼ・トルナトーレ
撮影:ジャンカルロ・レジェーリ
ファビオ・ザマリオン
出演: エンニオ・モリコーネ
クエンティン:タランティーノ
クリント・イーストウッド
ウォン・カーウァイ
オリバー・ストーン
ハンス・ジマー
ジョン・ウィリアムズ
ブルース・スプリングスティーン
クインシー・ジョーンズ
僕が改めて説明するのも烏滸がましいが、
エンニオ・モリコーネといえば、『荒野の用心棒』(1964)『夕陽のガンマン』(1965)『死刑台のメロディ』(1971)から
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984)『ニュー・シネマ・パラダイス』(1988)『ミッション』(1986)
『アンタッチャブル』(1987)『海の上のピアニスト』(1988)『鑑定士と顔のない依頼人』(2013)、そして『ヘイトフル・エイト』(2015)まで、名だたる名作の劇判を手掛けてきた、映画音楽界のマエストロだ。
今作では、彼が音楽を手がけた作品の巨匠や有名監督、そして同業者である有名音楽家たちからのエンニオ・モリコーネに対する最大限の敬意を称した賛辞から彼の生い立ちや功績を紐解いていく。
では、エンニオ・モリコーネという人物のどのような部分が突出して素晴らしかったのか?
それは彼の映画のシーン毎と「対話」し、最大限にまでストーリー・テリングする能力だ。
作品内でも語られるが彼の作品への没頭力は凄まじく、時にキャッチーで、時に歪でありながら作品のエモーションを我が曲にしていく様は今作の白眉であろう。
彼の影響力は凄まじく、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』の撮影現場では監督がモリコーネの音楽を流しながらロバート・デニーロに演技をさせたり、別のケースでは脚本がモリコーネの劇伴と同時に制作が進行させられるという作品もあったそうだ。
特に富者達の家柄の出自ではなく(イタリア・ローマにて父は音楽団員のトランペット奏者をしていた)、入学したサンタ・チェチリア音楽院では高貴な家柄の生徒に囲まれて落ちこぼれだった、という彼のストーリーもとても親しみやすさを覚えた。
改めて、偉大なる映画音楽家に最大限の敬意と追悼の意を。