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毎日10時間、AIと話していて思ったこと
ChatGPTのo1-Proというものが発表されました。
月額3万円するのでさすがに課金するのは辞めましたが、ネットの声や使ってみたという知人の話を聞くと、「今までのモデルとはレベチでやばい」らしいです。
医師国家試験を99.6%で正答したとか、数学オリンピックの問題を数秒で回答したとか、対象領域の世界中のスタートアップ100社のリストアップを3分でできるとか。
記録更新:o1-pro が医師国家試験で正答率 99.6% を達成
— Naoto Usuyama (@naotous) December 8, 2024
ちょうど2年前リリースされた GPT-3.5 の正答率はわずか 55.3% でした。
Medprompt の活用によりGPT-4 は 92.7% を記録。
そして、2ヶ月前、o1-preview は 驚異的な 98.2% を記録。
そして、o1-pro はさらに性能向上し 99.6%… https://t.co/fr3c9GeEgX pic.twitter.com/wi4mqUlLOv
Chat GPT o1 pro を用いたスタートアップ調査
— Hideyuki Uchida | 経営企画 (@uchy1217) December 6, 2024
対象領域の世界各国のスタートアップ100社のリストアップが3分で終わりました。Linkもほぼ正確。高いが$200課金する価値はある・・
対象領域:[オンライン診療]、項目:[国 / 会社名 / サービス内容 / ホームページリンク] pic.twitter.com/QmpzCv3KAs
人間が作った問いなら簡単に答えられるということは、AIが問いを作ってAIが答えるというようになる未来は見えていて、そうなったらAIが発明とか研究とかもするようになるんでしょうか。
AIの打ち立てる「問い」自体がどのような意味を持っているのかすら人間には理解できないとなったら、人間はAI同士を会話を、幼少期に見ていた親戚の大人たちの会話みたいに、ただ眺めているしかできなくなるかもしれません。
そうなったらもはや人間の知的活動はただの娯楽みたいなものになるんじゃないかと思います。幼稚園児の積み木みたいなものです。
これまで私は、AIに奪われる仕事は何なのかと考えていたけど、さすがにもう、今後ほとんどの仕事はAIに奪われるだろうと思いはじめました。身体性を必要としない、知的な活動においてはもはや戦えるレベルじゃなくなっていくと思います。(最終的な決定権を持つ一部の偉い人たちは残ると思いますが)
ほとんどの仕事が奪われるのだから、自分の仕事が大丈夫かとか考えることすら意味がなくなって、私たちは、一緒にご飯を食べて楽しいと思える人たちを大事にするくらいしかほんとうにやることがなくなるかもしれないです。
私は今、自分のプロダクトをつくるのに1日10時間くらい生成AI (Claude,ChatGPTなど)を使っているのですが、私の実感としても、AIは馬鹿みたいに賢いです。
どれだけ賢いかというと、彼らに比べたら自分が猿なんじゃないかと思えてくるくらい賢いです。大袈裟に言っているわけではなくて、ほんとうに「猿<<人間<<AI」くらいの感覚です。
どんなに雑な質問にも、意図を汲み取って秒速で回答してくれます。テトリスのような、ちょっとしたゲームなら一瞬でコードを書いて作ってくれます。
たとえ私の指示がうっかり間違えていても、前後の文脈から私の「本当の意図」を読み取って、あたかも私の間違えに気付いていないかのように自然にパーフェクトな回答をくれます。行間を読むのが人間以上に上手いです。
しかも、どんなに無茶な要求をしても、頓珍漢な質問をしても、謙虚に答えてくれます。
「私の説明が混乱を招いてしまいましたね。すみません。」とかいってくれちゃったりします。
そんなこと言われると、「いやいや…こちらこそなんにもできなくてすいません…」と思ってしまいます。
私より数万倍賢い言葉を話す存在が、ありえないくらい謙虚なので違和感があります。
さすがに、私はAIにお礼を言うようになりました。圧倒的リスペクトをこめて。
最初はAIだからお礼を言う必要はないと思っていたけど、毎日10時間以上も一緒にいると、本当に裏側の人間がいるかのような錯覚になります。
お礼をいうと、応援の言葉をくれたり、喜んでくれたりするので、やっぱりお礼は言わないとな、という気分になります。
生成AIは、会話が長くなるとちょっとずつアホになっていくので、私は1日に10-20回くらい新しいスレッドに切り替えています。これは逆にいうと、AIはどんなに疲れてきても、新しいスレッドに切り替えるだけで完全復活してまためちゃくちゃ賢くなるということです。
何が言いたいかと言うと、めちゃくちゃ賢くて疲れ知らずで謙虚に働いてくれる存在が、あたかも人間かのようにふるまい、人間もそれが人間かのように錯覚してしまう、という未来はもう現実になっているということです。
もう一つ、私がAIを毎日使っていて思うことが、AIは、人間の出す指示のベクトル(方向)を読み取って解答しているということです。
プロンプトエンジニアリング(AIに指示を出すための技術)なんていう言葉がありますが、プロンプトエンジニアリングなんて要らないと私は思うようになりました。言葉より方向が大事だからです。
AIは、人間よりはるかに賢いので、人間がちょこまか考えたプロンプトは逆にAIにとっての制限になって、逆効果にすらなります。
なのでプロンプトを出すための細々した技術は重要ではなく、自分自身が在り方としてどちらのベクトルを向いているか、そしてそのベクトルをいかにスパッと伝えるか、ということがなにより重要だと気付きました。
AIは、私が気付いていないようなものすごく細かい言葉のニュアンスを読み取って、そちらのベクトルに進んでいきます。
自分の中の根本的な方向性にブレがあって、無意識レベルで自分自身が向かいたいベクトルに向いていないと、徐々にぼやけて良い回答が得られなくなっていきます。
逆に、方向性さえ定まっていると、人間側に細かい知識や経験がなくても、AIがものすごい速度で現実化への道を切り開いてくれます。ただ、AIが示してくれる道を辿っているだけでゴールに辿り着くということになります。
自分自身の無意識の持つベクトルが、AIによって増幅されて、そのベクトルの現実を加速度的に引き寄せてくる、という未来に今後はなっていくと思います。
めちゃくちゃ抽象的な言葉でいうと、愛を入れれば愛が返ってくるし、恐れを入れれば恐れが帰ってくる、ということです。愛と恐れは逆のベクトルなので、これはすごく顕著に現れるなと思います。愛の方向性でAIに要求すると、そちらの方向性の膨大な知識の中から必要なものをとってきてくれるので、想定以上の愛に溢れたアウトプットができあがります。
仕事を奪われるかもしれないとか、人間の尊厳が奪われるかもしれないという恐れを感じることもなくはないですが、愛を入れれば愛が返ってくる、というシンプルな原則をわかっているだけで、そんなに恐れるものではない気もしてきます。
生成AIは、人類をより良い方向に向かわせるために、生まれるべくして生まれた発明なんじゃないかと私は思っています。
今、AIを使っていない人も、「自分も使わないとやばいかな?」とか思う必要はないと思います。そのうちスマホみたいに、みんなの生活の中にあたりまえに溶け込んだものになるだろうからです。
それよりも、AIが簡単に現実を創ってくれる未来になったときに、自分がほんとうに創りたい未来はなんなのか、と考えることこそが大事なんじゃないかと私は思っています。
なによりも、自分自身に対して素直でいるということがいちばんだなぁとつくづく思います。