レックリングハウゼンを知る
レックリングハウゼン
医者から出されたこの呪文みたいな言葉。
はじめてきいた。
『このカフェ・オ・レ斑はうまれつきのものだよね』
造影剤での写真には頭部胸部などに様々なまっしろの斑点が散りばめられていてむしろ白い斑点だらけだった。
『これ、ぜんぶ腫瘍になるんだけどね、まだ皮膚の上にはきてないみたい。とりあえず脳血管はどうしようか。まだ若いし今後死ぬまで薬なんてつらいだろうから』
そう言ってくれてレックリングハウゼンについてはよくおぼえていない。
脳血管の心配も全て消え去った。それと同時に悩んでいた虫刺されだと思っていたできものは全て腫瘍であって、生まれつきだから諦めろといわれていたカフェ・オ・レ斑が原因だった。
一気につらくなってきてあとはよく覚えてない。ただショックやら衝撃やらで。母も当時ウチダ先生の言葉に無言になっていた。
生まれつきだからといっていじめにあっても不快感があっても関係ないとしていた母もこの時初めてレックリングハウゼンと言う言葉を知った。