【最終回】教育実習の3週間で9キロも体重が減った話【全4回】
前回のあらすじ
教頭にブチギレられた
授業準備余裕っしょ
授業準備やり直しで土日返上
さらに教頭にブチギレられた
かれこれ6キロは痩せていますがどうなるやら
3週目、最終週の始まりである
割り切って帰ったら仕事をしなくした
もう辛すぎたので授業準備をしたくなかった
20時には寝ることにしたら、自然と5時起きになって頭が冴えて、授業準備が捗ることに気づいた。
人生で最初で最後の朝活である。
体育教師に弟子入り
ずっと見に来てくれたのが「オモシロ体育教師」。
めっちゃにぎやかな先生で厳しくも優しい方で、1組の「若スパルタ教師」より人気な先生です。
フィードバックを受けましたが、2組の全体指示が甘いことを指摘されました。
他のクラスは察する能力が高いから私のざっくり指示で言うことを聞くけど2組はハッキリ一つ一つ丁寧に指示を出さないと混乱すると。
ぐうの音も出ない正論でしたが、納得でした
他の教科の先生や、実習生からは科目のフィードバックしかされなかったので素晴らしい発見。
そこで「オモシロ体育教師」に弟子入りすることにして体育科の授業見学をすることに。
体育の授業って先生の声とホイッスル一つで生徒が同じ動きをするんですよ。
統制がとれている美しさに衝撃を受けました。
完全にシンギュラリティ。
ずっと国語科や主要5科目の先生からしかフィードバックを受けてこなかったので本当に良かった。
特に全学年を担当する副教科の先生に指示の仕方を学びました。
よくなっていく授業
やはり毎日授業をしていると慣れてくるもので担任クラスも上手く行ってきました。
指導単元が池上彰氏の「情報は玉石混交だからちゃんと良いものを選択しよう」的な内容の説明文だった。
ということで、フェイクニュースと嘘みたいな本当の海外のニュース、普通のニュースを用意してどうやったら嘘を嘘と見抜けるかというひろゆきリスペクトの授業をしたら大ウケした。
また、偽物のキャラグッズの写真を見せてどこがおかしいのかをみんなでグループワークしてもらったり、宿題として面白いニュースの用意と自分でフェイクニュースを作るというものを出したらみんな宿題をやってきた。
文章の線引きも、一つずつ指示をすることで40人が同じ動きをするようになった。
ちなみに軍隊みたいで嫌という意見もあるだろうけど、学校なんてそんなもんです。
正直労働者も、会社の兵隊みたいなものでしょ。と会社に勤めてよくわかります。
生徒と心を開いていく
なんとか2組の生徒と対話と通して仲良くなってきました
地域の塾は2つしかなく、自分はどっちにも通ったことがあったのでそこの塾生とまずは仲良くなりました。
塾長とも顔見知りだったり使っている教材が自分の時代のときと変わってなかった話で盛り上がりました。
また、ここの塾に行っている察する能力が高い生徒を中心に勉強が苦手な生徒のサポートをしてもらうように指示したらうまいこと行きました。塾っ子も自分の勉強の確認ができるので一石二鳥。
一発ギャグをやらされるいじられキャラくんがドリキャス好きと判明
サクラ大戦の話なんかをしたらすごい慕ってくれました
「先生たちはドリキャスの話をしても見向きもしないのに、けんこう先生はわかってくれるんですね!!」
と喜んでくれました。
サクラ大戦はPSO2コラボとかプロジェクトクロスゾーンの知識しかなかったんですけどこう言う時に広く浅くゲームをやっててよかった。
総合の授業でスピーチ
最後の週なので、学年集会でスピーチをすることに。
総合の授業のテーマが「キャリア教育」でした。
中学の先輩として、人生の先輩として「実習生の考える『働くとは?』」をテーマに話ことに。
自分はちょうど大学3年のときにサークルがマルチ商法で崩壊しかけたのと
4年のときにひろゆき・メンタリストDaiGoにハマり、『金持ち父さん・貧乏父さん』にハマっていた時期だったのでお金を稼ぐ種類も話そうと思いました。
生徒にはまず派遣バイトで痛い目を見た話をしました
↓微妙に不人気の記事
これまた大受け
そしてお金がどういう働きをするのか
お金を得るためには、労働者・自営業者・経営者・投資家があると説明しました。
ただ、お金に溺れてマルチ商法に騙された大学生の友達の話もしました。
君たちはどうやってお金を増やしていくか、お金を得た先にどうなりたいか、
自分はまず労働者として頑張りたいという旨を話した。
当時の生徒(後輩)にはどう思われたかはわからないし、多分覚えてないと思うけど自分のありったけの考えを10分で話した気がする。
その後のフィードバックでは社会人経験のある先生には印象が良かった。
先生一本で仕事をしている人にはもっと『金持ち父さん』の話を聞かせてほしいと言われた。
反面、胡散臭い・お金の話はセンシティブだから余計なことを生徒に話してはいけないと一蹴もされた。
まさに『金持ち父さん』に登場する筆者ロバートキヨサキ氏の父の貧乏父さんと同じことを言ってて面白かった。
研究授業
教育実習は最終日に研究授業という集大成の授業を先生たちに見てもらう。
指導案も職員室の先生方一人一人に挨拶を兼ねて見てもらうようにと教頭から指示されて「お手紙」も添えて「お伺い」を立てて配っていった。
自分はこういう変にへりくだる感じが本当に嫌だった。今でもそうです。
そして、自分の研究授業ほとんど観にこなかった・・・。
あいかわらず副教科の先生ばっかりでした。
いや、副教科の先生が嫌じゃないんですけどね。
まあいつも通り緊張せずやりきったのが良かったですが。
集大成だからやっぱ自分の科目の先生に見て観てもらいたかったのですが、やっぱ授業で忙しいようでこられなかったようです。
最終的なフィードバックとしては
ここ数年の授業の中で一番生徒に寄り添った『面白い』授業だったと評価されました
『面白い』がミソです。『上手い』じゃないんですよねー。悔しい。
しかし、今まで来た関西の落研の実習生より『面白い』と言われたのが嬉しかったですね。
どうやら2年前の教育実習生の中に自分をいじめていた奴も来ていてが落研だ!と豪語してダダスベリしたらしいです。
小ネタ満載の授業に仕上がったので、我ながら誇らしかったです
最後のホームルーム
例のスパルタ1組は生徒たちが迫真の演技でサプライズをしていて、「美術実習生」は号泣していた。
例の「若スパルタ教師」も美談的な感じで熱いメッセージが大声で聞こえる。
ハイハイ、イイハナシダナー。
2組もサプライズをしてくれる予定だったみたい。
ただ、先に1組の迫真演技が聞こえてきて戦々恐々としていた。
「なぁ、あいつら演技力すごない・・・?」
「俺ら無理ちゃう?」
完全に声がダダ漏れでバレバレだった。かわいいなぁ。
自分が知らないふりをしてたら突然喧嘩が始まった
「オマエウザイネン!」
「ナンヤトー」
と2人のやんちゃ系生徒が立ち上がって揉め始めた
そしてゆっくり教室を出て行った。
「先生!2人を止めたげて!」
と女子生徒がフォロー
自分もわかりきってたのでトイレまで言って2人のかわいい足止めを見守っていた
「先生もうちょい俺らの喧嘩見といてな!」
茶番がわかいい。中2ってこんな幼かったのかな。
自分が中学生のころは教育実習もボッコボコにいじめられていて
それどころじゃなかったのでここにきてこの学校が平和になったんだなと泣きそうになりました。
女子生徒が呼びにきてくれて戻ったら美術部が綺麗な黒板アートを用意してくれていた。ものの10分ですごいものを作ってくれた。
そして生徒たちから寄せ書きと花束をもらえた。
ホワホワした感じの不思議ちゃんタイプの生徒が主催してくれたようです。
なんやかんや心を開いてくれなかったけどなんとか3週間でクラス運営が成立したのかな?
飲み会
最終日はお疲れ様会で飲み会を開いてくれた
そこで判明したのは、割と同い年の先生がいたこと。
しかも隣町の中学の人が結構いた。
風格がすごかったからヘコヘコしてたので、こっちの年齢を知っていたので気まずかったようでした。
もう一つの衝撃は師匠と慕っていた面白体育教師が非正規教員だったこと。
そんなに厳しい世界なのかと。
指導が上手くて子供に人気なのでびっくり。
「毎回、面接試験で緊張して不合格やねん・・・」と吐露してました。
学年主任から「これからどうするのー?」と聞かれたので
私「多分学習塾に勤務すると思います」
学年主任「そっかー。懸命な判断やと思うでー。免許取って働きたいと思った時にいつでもこの業界おいで^^」ってほどほどに言われました
他の実習生はベロンベロンに酔っていました。
結局幼馴染の妹さんと一緒に介抱して帰ったとさ。
最後に:結局学校教員にならなかった
4週以上にわたって書きました。
実はこの話は前のブログ名義でも話さなかった秘蔵の過去。
美談風に話しましたが、本当にきつかったです。
まじできつかったです。
体重9キロ減りました。
すべての土日は授業の準備で潰れて、家族とは全く会話ができませんでした
自分は多少塾講師としての心得があったから助かりました
なお、大学の模擬授業や講義は全くもって役に立ちませんでした。
3週間という期限があったから良い感じに収まりましたが、4週目以降もあったと考えたら多分無理でした。
自分が教師を断念したのは
労働時間が法外でそれが認められている
子どものためがまかり通って、教師の権利が守られない
教師は世間から労働者としてカウントされていない
給料が労働時間に対して安い
を現場で痛感したから
大学の講義で、
教員の労働時間の是正や、定時ぴったりに帰って働き方改革をしたいと教授にプレゼンしたら
「あなたのような独りよがりな人に先生になってほしくない」
「教育現場はそんなに甘くないよ」
と外部から来た大学教授に説教されました
そういったことが重なってプツンと糸が切れました
ああだったら諦めますよと。
ただ、機会はあるのだから受けてみようと採用試験自体は東京都で願書を出したのですが、
やっぱり当日に震えが止まらなくなって行けなかったです。
転職活動やキャリアコンサルで教育業界で労働の権利を主張すると不利だと言われました。
実際、自分も転職活動で労働時間の効率化の話や時間外労働是正の話をするとなぜかシステムエンジニアの人事に
「教育業界の人なのに子どものためという言葉が第一声来ないのは残念だ。自分のことしか考えてない先生だったんですね」
と言われた不採用にされました。
子どものために働いてたんですけどね。
言わなきゃ伝わらないと反省しました。
しかし言い方が問題だったのかもしれませんが、悲しかったです。
YouTubeの塾講師系の動画でも『自己犠牲精神』がない講師は不採用にする旨のことをいう人がいました。
結局は国も経営者も自己犠牲精神をもった奴隷が欲しいのかもしれませんね。
マルクスの資本論を読んでよくわかりましたよ。
自分が悪いんだ。自分の考えが悪いんだ教師の資質がないと思い続けて働いてましたが
昨今の教師不足や退職・休職する先生たちを見て、最低ですがちょっと心が救われました
やっぱり現場の先生たちもきつかったんじゃないか・・・
もっとハッキリ辛いって言ってよ
それでも、未来ある子どものために働きたかった。
先に死にゆく老人のために働きたくないんです。
免許が更新なく永久に持てるようになったので
いつか教壇に立てればいいなぁと思って、
人生経験積むために今は今の仕事を頑張ってます
こんな感じで自分語りもしつつ
エンタメ系のお話もしていきますわよ〜
では!さいなら!
さきに最終回から読んだ人はこっから第1回をどぞ!
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