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名探偵ピカチュウ|おっさんピカチュウとの大冒険【映画感想】

2024年は、ポケモンの新情報が少なめでしたね。
おそらく、来年発売予定の『ZA』やSwitch後継機に向けた準備期間なのでしょう。
そこで今回は、新作ポケモンが発売されるまでの間に暇を持て余してしまう方向けに、映画『名探偵ピカチュウ』を観た感想を共有したいと思います。
この映画は、吹き替え版と字幕版を映画館で観ました。そして今回、改めて2周目の鑑賞をしました。

ちなみに「探偵」を表す英語"detective"の語源はde(取り除く)+tegere(覆う)。
覆われたものを取り除くことがコアイメージなのがディテクティブ。
ピカっと閃いて謎を解明するピカチュウにぴったりな言葉ですね。

あらすじ

かつてポケモンのことが大好きな少年だったティムは、ポケモンに関わる事件の捜査へ向かったきり、家に戻らなかった父親・ハリーとポケモンを遠ざけるようになってしまった。それから年月が経ち、大人になったティムのもとにある日、ハリーと同僚だったというヨシダ警部補から電話がかかってくる。「お父さんが事故で亡くなった―」。複雑な思いを胸に残したまま、ティムは人間とポケモンが共存する街・ライムシティへと向かう。荷物を整理するためハリーの部屋へと向かったティムが出会ったのは、人間の言葉を話し、相棒だったハリーの死に疑問を抱く名探偵ピカチュウだった…

Amazonプライムあらすじより

2016年に3DSで発売されたゲーム『名探偵ピカチュウ』の実写版映画です。
世界観はゲームと共通していますが、キャラクターの設定など細かい部分には違いがあります。
登場するポケモンは、『ポケットモンスター サン・ムーン』までのポケモンが中心です。
『ポケットモンスター ソード・シールド』は本映画の公開後、同年11月に発売されました。)

登場人物

ティム・グッドマン
(役:ジャスティス・スミス / CV:竹内涼真)
本作の主人公で、21歳の保険査定員。
原作と異なり、母親はすでに他界しています。父の訃報を受けてライムシティを訪れることになります。

名探偵ピカチュウ
(役:ライアン・レイノルズ / CV:西島秀俊)
記憶喪失の喋るピカチュウ。コーヒーが好きで、まるでおっさんのような性格のポケモン。
中の人は『デッドプール』で有名な俳優です。

ルーシー・スティーヴンス
(役:キャスリン・ニュートン / CV:飯豊まりえ)
テレビ局の新米記者。
パートナーは、あひるポケモンのコダックです。

感想

原作ゲームのポケモントレーナー要素はほぼ無し

ライムシティではポケモンが野生でもトレーナーの手持ちでもなく、人間の「パートナー」として共存しています。
実世界でもペットを戦わせたり、芸を覚えさせて仕事にしている人は少ないですよね。

映画内では、少しだけモンスターボールやポケモントレーナーが登場していました。


リアルなポケモンの見た目の魅力

「写実的なアンパンマン」や「ムキムキマッチョなドラえもん」のようなファンアートにハマる時期ってありますよね。

小学生〜中学生なら一度は通るリアルアンパンマン

この映画では、ポケモンの見た目がリアルな生物に近いビジュアルに変更されています。
ドゴームやルンパッパの産毛や毛並みまでしっかりと描写されており、画面の隅々まで目が離せませんでした。

大人気投票1位のゲッコウガは、リアルなカエルのような姿になり、かなり怖い見た目に。
あのかっこいいマフラー、実は舌なんですよね…。

バリヤードの絶妙な「キモさ」には笑いました。
原作から謎な見た目でしたが、より一層ミステリアスな感じに。

バリヤードの既視感はコイツ

多少は原作ゲームを知っていると楽しい

  • ボルテッカーは使うと体が痛いから10万ボルトを選ぶ。

  • コダックはストレスが溜まると念力を発動する。

といった具合に、原作ゲームやアニポケの知識があるとニヤリとする要素が満載です。

もちろん、ポケモンを全く知らない人でも十分に楽しめる映画になっています。


謎解き要素は無い

『名探偵』というタイトルですが、謎解き要素はほとんどありません。
『名探偵コナン』や『金田一少年の事件簿』のような事件やトリックは登場せず、以下のような謎が冒険の中で明らかになっていきます。

  • ピカチュウの記憶喪失

  • 父親の行方

  • ミュウツーの思惑

  • R事件

「謎解き探偵もの」として観ると少し物足りないかもしれませんが、物語としては十分面白いです。
むしろ、実際の探偵業に近い雰囲気なのかもしれません。


ゲーム版『名探偵ピカチュウ』とはやや話が違う

Switch版『帰ってきた名探偵ピカチュウ』で、その真相が明かされます。
ちなみに、原作ではティムの母親は健在で、妹もいます。


ピカチュウの皮を被ったおっさんとの冒険

「喋るピカチュウ」というインパクトだけでも楽しめる映画です。
26年間アニメ版ポケットモンスター(以下アニポケ)に登場する「ロケット団の喋るニャース」もまた、独特の世界観を作り上げていましたよね。

この名探偵ピカチュウも、以下の設定だけで正体の予想がついてしまいます。

  • 父の訃報

  • 人語を話すピカチュウ(しかもティムにしか聞こえない)

  • 記憶喪失

個人的には、ピカチュウそのものとして冒険する話を期待していましたが、しわしわピカチュウの可愛さで許せちゃいますね。


親子愛の物語

本作は、「ティムとピカチュウ」ではなく「ティムと父」の物語です。
「ハワードとロジャー親子」との対比も描かれており、人間とポケモンの友情物語というよりは家族愛に焦点を当てたストーリーとなっています。


吹き替え版は一部アニポケ声優も担当している

ゼニガメ、コダック、プリン、ピカチュウの声優がアニポケと同じで、ファンにはたまりません。
また、ロケット団の三木眞一郎さんや林原めぐみさん、さらにシトロン役の梶裕貴さんも登場しています。


メタモンの伏線は面白い

ロジャーや部下たちのサングラスが伏線になっているのは面白かったです。
他のポケモンの容姿や能力をコピーできる「へんしん」を使うメタモンが人間に化けるのですが、目だけ点になるという弱点がアニメ版のオマージュとして描かれています。

それをサングラスで隠す演出には初見で気づきませんでしたが、後から見ると女性部下のピンクメッシュやゴム手袋がヒントになっていたことが分かります。

人間に化けたメタモンは少し不気味でしたね。


続編は作れるのか?

「探偵もの」としては無限にネタが作れそうですが、名探偵ピカチュウが元に戻ったことで、どう続編を展開するのか注目されます。
インタビューでは続編制作を匂わせているようですが、実現するかどうかは不明です。


まとめ

原作とかけ離れているわけではないため、ゲームが好きな人もそうでない人も楽しめる映画です。
約464億円の興行収入を達成したのも納得の完成度。

Switch版『帰ってきた名探偵ピカチュウ』も併せて楽しむと、さらに深みを感じられる作品です。


今日はここまで。
本日の記事をご覧いただき、ありがとうございました!
また次回もぜひお楽しみに!


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