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iricのソルバーである「Nays2DFlood」を用いて浸水図を作成し、浸水実績図と比較しよう!(その3)


解析条件の設定

地形を表現する点群データ

地形を表現する点群データは、国土地理院が配布している5mメッシュ標高タイル (基盤地図情報数値標高モデル)を用います。

航空写真

航空写真は、国土地理院が配布している「国土地理院(標準地図)」を用います。

検討対象河川周辺での降雨量の時間的変化

愛知県のホームページからダウンロードしたデータを用います。検討対象河川周辺の降雨観測所は3箇所(阿久比、東海、常滑)存在します。今回は、3箇所のデータを平均して波形を作成しました。作成した波形を以下に示します。

検討対象河川周辺の降雨観測所(阿久比、東海、常滑)
3箇所のデータを平均して作成した波形

検討河川に流入する河川の流量の時間変化

検討河川に流入する河川(日長川上流部)について、流量観測所が存在しないことが分かりました。。。H-Q式も無いことから、次回以降の投稿で、合理式や流出解析システムを用いて、東海豪雨時の流量を算出することにします。

検討河川に流入する河川の勾配

対象河川へ流入する河川の勾配は、流入箇所想定区間における計画高水位勾配の1/200を採用することとします。この値を採用する理由は、河川(開水路とみなす)における水面勾配は、一般的に河床勾配とほぼ一致するためです。

流入箇所想定区間と計画高水位勾配

浸水図作図範囲の粗度係数

浸水図作成範囲の粗度係数は、土木研究所資料を参考に、QGIS等をフル活用して設定する必要がありそうです。。。次回以降の投稿で、浸水図作図範囲の粗度係数を算定することにします。

Nays2DFloodマニュアル p.46

障害物の平面位置

「Nays2DFloodマニュアル p.34」によると、計算格子が大きすぎる場合、道路や堤防などの障害物を直接表現できないため、障害物の平面位置を別途設定する必要があるそうです。そこで本解析では、計算格子を十分小さくすることで、障害物の平面位置を別途設定せずに直接表現できるようにします。

Nays2DFloodマニュアル p.34

建物の占有率

これもQGISを駆使して設定する必要があります。。。次回以降の投稿で建物の占有率を算定することにします。設定方針について、地域区分(用途地域)毎に、建物面積の合計と地域区分面積を整理し、占有率を算出します。ここで、地域区分と建物面積の出典は以下の通りです。また、QGISで作成した地域区分(用途地域)と建物面積の重ね合わせ図を以下に示します。

地域区分(用途地域):2019年(令和元年)国土数値情報ダウンロードサイト 用途地域データ
建物面積:基盤地図情報 ダウンロードサービス

QGISで作成した地域区分(用途地域)と建物面積の重ね合わせ図

最後に

本投稿の申し送り事項は以下の通りです。

  1. 検討河川に流入する河川の流量の時間変化

  2. 浸水図作図範囲の粗度係数

  3. 建物の占有率

申し送り事項が多い投稿になってしまいました。。。
やはり、解析条件の設定は、考えることや作業しなければならないことが多いですね(笑)。
まだ解析するまで時間がかかりそうですが、がんばります!

以上です!
読んでいただき、ありがとうございました。


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