フエキくんと相談した。
「ねぇねぇ、フエキくん。
今年の夏に欲しいものってある?」
「えぇ~?欲しいものぉぉぉ??」
デスクにご機嫌なサンタさんが仲間入りしたので
クリスマスでもないけれど、何かプレゼント貰おうよっことで
フエキくんと相談してみることにした。
「ちなみにタナカサンは何が欲しい?」
「えぇ~~~??ワタシぃぃぃぃ??」
そう、私は今何が欲しいのだろうか?
愛する家族もいるし大好きな友もいる。
大切なフラの仲間たちもいるし
尊敬する創作友もいる。
(この創作友とは幻の漫才コンビまで結成した)
家もあるし、現金収入の仕事もある。
(現金収入が多いか少ないかはいったん置いておく)
ごはんも毎日食べることができるし
なんならお酒だってタバコだって買える。
ムムゥ、いざとなると思い浮かばないものだな。
フエキくんは何が欲しいのかしら?
もう一度聞いてみたところ、
「タナカサンの笑顔、かなっ!?」
くぅぅぅぅぅ~!フエキくん、泣かせるじゃぁないのさ。
ってことは、私はいつも眉間にしわを寄せて
フエキくんを睨みつけながら仕事してるんだろうか。
ごめんヨ、フエキくん。
明日からは「笑顔がとっても素敵な事務員」になるからね。
(たぶんね)
「タナカサン、そろそろ欲しいもの決まった?」
「うん、やっぱり一番欲しいのは
こいび・・・」
「あ、それムリだわ。サンタは持ってこれないよ」
「つか、オレに頼まれてもム~リ~♪」
私が夏だけではなくて、春でも秋でも冬でも
実はいっつもほしいと思っている、
「こいびと」と言い終わらないうちに
バッサリと遮られた。
しかも口調がもう輩みたいになっていた。
じゃぁ聞かないでよぉぉぉぉん!
フエキくんのばかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
心底、欲しいと願い続けているものは、
手に入れるのが難しくて。
もしかしたら手に入れた瞬間もあったかもしれなくて、
でもそれに気づかなかっただけなのかもしれないな。